女性運転士といえば、昔は四つ葉のクローバー並みに珍しかった(笑) それが今や、女性運転士の姿を普通に見かけるようになりましたから、時代は変わったものです。
こういう時代ですから、「鉄道会社に入って運転士になりたい!」という女性も少なくないと思います。今回は、そんな人に向けた記事です。
業界の裏事実 女性を採らない会社も存在する!
いきなり失望させてしまうようですが、正直に書きます。駅員→車掌→運転士というキャリアを歩むコース。
これ、鉄道会社によっては女性を採用しません
もちろん、こんなことは会社側は口が裂けても言いません。そんなことを言えば法律違反ですからね。
ですから、表向きは「男女関係ありません」とうたって女性もエントリーはさせますが、結局は採用されることはない、と。
業界の集まり(交流会という名の飲み会)のときに、「ウチの会社はそうなっている」と教えてくれた人がいるので、間違いありません。(数年前の話なので、今でもそうなのかはわかりませんが)
女性を「採れない」理由とは?
ただ、この会社のために弁護をしておくと……正確には、「採らない」ではなく「採れない」だそうです。どういうことかというと、「女性用の設備がないから」。
駅員や乗務員には泊まり勤務がありますから、更衣室や仮眠室、シャワー室にトイレは必須です。が、男女共用というわけにはいきませんよね。
こうした設備投資にはカネがかかりますし、スペースも必要です。発足時に男性用の設備しか整えなかった会社だと、女性用の設備を追加で作ることは非常に難しいのです。
いくらなんでも男性用の設備を女性に使わせるわけにはいきませんから、女性は弾かざるをえない……。これが「採れない」の背景です。
大手鉄道会社は女性用設備があるから大丈夫
ただし、この問題、大手の鉄道会社は(ほぼ)大丈夫です。
大手は、どこも女性用の設備を整えています。大手の鉄道会社なら、どこも女性の駅員や乗務員がいますよね。ですから、この問題は中小の鉄道会社限定です。
では、女性を採らない(採れない)会社を見分けるためには、どうすればよいか?
過去の採用実績を見ることです。
いくら表向き「女性にも門戸を開いていますよ」とうたっていても、過去の採用実績がゼロであれば、それがその会社の本音と考えてよいでしょう。採用実績の男女比は、会社説明会やOB・OG訪問の際に質問すればカンタンにわかるので、それで判断がつきます。
今年から女性の採用が始まるかも……
ただ、何事にも「初めて」があります。
現在は女性ゼロだけど、今年からは女性も採ろう。そういう「スタートの年」は、現在女性がいる会社には必ずあったわけです。
ですから、過去の採用実績がゼロでも、受けてみることは無駄ではありません。実際、ここ3~4年で、中小の鉄道会社にも女性乗務員が新しく誕生したという話はよく聞きます。
情報があれば「戦略ある就活」が可能
就職は人生を大きく左右する岐路です。就活中の学生さんには、間違った認識や情報不足で決断してもらいたくありません。そのため、今回はこういう悪い情報を隠さず書きました。
誤解しないでほしいのですが、私は「だからやめておけ」と言いたいわけではありません。入社を目指すなら、そういう事実があると知ったうえで臨んでほしいのです。
ほとんど受かる見込みのない会社を受けるにしても、それを知っているのと知らないのでは、まったく意味が違います。知っていれば、その前提を織り込んだ「戦略ある就活」が可能ですからね。
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