女性運転士を目指す人には、大きな心配があると思います。妊娠・出産・子育ての問題です。
「妊娠したら運転士を辞めなくてはいけないのか?」
「運転士の仕事と子育ては両立できるのか?」
今回の記事では、このあたりを説明しますね。
妊娠したらいったん乗務をやめる
まず妊娠した場合ですが、これは会社に申告して、いったん乗務をやめることになります。
さすがに、妊婦に運転士の仕事はさせられません。運転士は走り回ったり、昇り降りしたり、しゃがんだり……という動作が発生します。それに勤務体系も不規則ですから、身体への負担が大きすぎます。ですので、妊娠したら、いったん乗務をやめることになるわけです。
子育てしながらでも運転士はできる?
それよりも女性の方が気になるのは、
「出産後に運転士として復帰できるのか?」
「子育てしながらでも運転士の仕事はできるのか?」
という点でしょう。
これについては、私も自社を含め、いくつかの会社の制度・取り組みは知っていますが、それが全国的な標準かまではわかりません。ちょっと無責任で申し訳ないですが、「断片的な情報」であることを踏まえて読んでください。
子育て中は「泊まり勤務」は無理
結論から言えば、「出産後、子育てしながらでも運転士の仕事は続けられる」です。ただし、出産前と同じ勤務体系で働くケースは少ないと思います。
どういうことかというと……
運転士の勤務には、日勤と泊まりがあります。
まず、子どもが小さいうちは「泊まり勤務」は大変でしょう。子どもを保育園に預けて働くにしても、泊まりで面倒を見てくれる保育園は、普通ないですよね。朝預けて、夜には迎えに行かなければなりません。保育園ではなく、家族に子どもの面倒を見てもらう場合でも、泊まりでは負担が大きいです。
ですから、子どもが小さいうちは、必然的に「日勤」をメインとした乗務になります。
【補足】「日勤」という言葉に注意!
ただし、日勤という言葉には、少し説明が必要です。
日勤という言葉を聞いてみなさんが想像するのは、いわゆる「9時5時」だと思いますが、運転士の日勤は、9時5時とは限りません。朝の始業時刻(出勤)がもっと早い場合もありますし、終業時刻(退勤)が夕方ではなく夜になる仕事もあります。
極端な話、朝6時に出勤して夜11時に退勤するような仕事も、「その日のうちに仕事が終わる」ので日勤なのです。そういう仕事が回ってくると、負担が大きいですよね。
子育て中は「時間短縮の日勤」で乗務する
そこで登場するのが時間短縮の日勤です。
子育てに配慮した勤務時間で、「朝はやや遅めの出勤 → 夕方には退勤」という形です。簡単にいえば、パートタイマーみたいなもんですね。9時5時に相当するようなものだと思ってくれてもけっこうです。
これならば、朝に子どもを保育園に預けて夕方に迎えに行くことが可能です。また、子どもの面倒を家族に見てもらう場合でも、それほど負担が大きくなりません。
子育て中の運転士には、この「時間短縮の日勤」を割り当てます。少なくとも、私が知っている情報内では、どこの鉄道会社もこの方法です。こうすることで、子育てしながらでも運転士の仕事ができる配慮をしているのですね。
ただ、全国的にこれから女性乗務員が増えていくにあたって、いろいろと新しい方法も出てくると思われます。この記事で紹介したことが全てに当てはまるわけではありませんので、ご注意ください。
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