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【鉄道会社への就職】「大手病」にかかっていないか?

就職活動で鉄道会社を志望する学生さん、突然ですが、次の問いに答えてみてください。

「四国にある鉄道会社を知っている限り述べよ」

中小も含めれば鉄道会社はたくさんある

「四国の鉄道会社? JR四国と……あと他に何かあったっけ?」

鉄道に興味がなければそれでかまいませんが、鉄道業界を志望する学生だったら、この程度の知識ではマズいです。

さて、先ほどの問いに対する回答。すべて知っている必要はありませんが、

  • 伊予電鉄(愛媛)
  • 高松琴平電鉄(香川)
  • 土佐くろしお鉄道(高知)
  • とさでん交通(高知)
  • 阿佐海岸鉄道(徳島)

ここでは四国の例を出しましたが、全国的に見ても鉄道会社はたくさんあります。関東の学生なら、「関東の鉄道は知っているけど、その他の地域の鉄道は知らない」という人も少なくないのではないでしょうか。

「勝手なイメージ」で中小を敬遠しない

さて、今あげた会社はいずれも「大手」ではなく「中小」の分類。しかし、学生の中には「中小」と聞いただけで拒否反応を示す人が少なくありません。

「中小? なんか万年赤字で潰れそうな……」
「労働環境がブラックそう。給料も安そう」
「ていうか、中小企業なんてショボくてカッコ悪い……」

しかし、こういうイメージが出てくること自体が、学生が社会をよく知らない証拠だと思うんですね。

中小企業は「規模が小さい」だけであって、それがただちに「大企業より劣っている」という図式になるわけではありません。鉄道業界に限った話ではないですが、優秀な中小企業はたくさんあります。

中小私鉄や第三セクター鉄道の中には、きちんと黒字を出して、さらに配当まで出している会社もあります。
(まあ、万年赤字や補助金漬けの会社の方が多いのは間違いないですが……)

そういった情報を知っているだけで、就職の選択肢は格段に広がるはず。大手だけを「数撃ちゃ当たる」で受けて全滅、なんて事態を避けるために、中小会社も研究しましょう。これは鉄道に限らず、どんな業界にも当てはまることです。

注意! 「中小鉄道会社 = ラクに入れる」は間違い

ただし、「中小なら簡単に入社できる」なんて勘違いはしないでくださいね。

会社規模が小さければ、採用人数も少ないです。採用する側としては、少数精鋭でいきたい。そのため、競争倍率が大手よりも高くなったり、面接官の見る目が厳しかったりするかもしれません。

高校・大学受験と違い、偏差値ランクを落とせば合格可能性が上がるわけではないことに注意です。

「なぜウチの会社?」という質問には答えにくい

特に、「大手の鉄道会社はいっぱいあるのに、なぜあえてウチなのか?」という質問が飛んでくるのは間違いないでしょう。

「鉄道会社なら別にどこでもいい」
「大手に入れなかった時のための保険」

という本音は置いといて(笑) 回答はキチンと考えておかなければならないでしょう。

ただ、「なぜウチの会社なのか?」という質問に対して、面接官を納得させられる答えを言える学生は、あまりいないと思います。さっき書いたような本音の人が多いでしょうから。

ようするに、そこの回答で“差別化”するのは難しいわけで……。現実的には、その他の試験項目(筆記試験やグループワークなど)で周りに差をつけるしかないのかなと思います。

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