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「有名企業であるか」と「良い会社であるか」は別の話

2019(令和元)年7月、JR東海絡みで以下のようなニュースがありました。

JR東海労働組合、新幹線乗務員の労働環境の改善を訴える

JR東海労働組合によると、新幹線乗務員の勤務について、本人への打診や相談もなく、会社側から一方的に休日労働を命じられることがあるとのこと。また、年次有給休暇の取得も思うようにいかないとのこと。改善を求めて会社側と交渉を続けてきたが、一向に改善されていないという。

私の勤める会社でも、人手が足りなくて休日出勤(休日労働)が発生することはあります。しかし、本人に無断で勤務指定されることはなく、担当者から「この日、休日労働してくれない?」と必ず打診されます。

社員の休日を潰すわけですから、常識的に考えて、それくらいの配慮は必要じゃないかなー、というのが私の感想ですね。

JR東海の乗務員は激務

さて、ここからが本題。

私の知っている範囲の情報でも、確かにJR東海って乗務員の人手に余裕がないんですよ。昔から、社員に休日労働させるのを前提でシフトを組んでいるみたいな。

みなさんは「JR東海は儲かっているから給料も高い」とのイメージをお持ちでしょうが、それは基本給がすごく高いわけではなく、残業や休日労働が多いから、という背景もあります。
(残業や休日労働をすると給料をガッツリ稼げるので、むしろ喜んでいる社員もいるらしいですが)

元々の年間休日数は多い会社だと思いますが、それが休日労働で削られるわけです。年次有給休暇の消化率も、話を聞く限りでは、少なくとも良くはないですね。

私の知り合いにも、東海道新幹線の運転士をしていた人がいますが、激務で身体を壊して辞めてしまいました。

情報をどう判断するかは自分次第

私は別に、JR東海は労働環境が悪いとか、就職活動中の学生は入社しない方がいいとか、そういうことを言いたいわけではありません。

「こういう情報をどう解釈するかは、人それぞれだよ」と言いたいのです。

たとえば、バリバリ働きたい人や、高い給料が欲しい人にとっては、仕事がハード・休日労働があるという情報は、むしろ「良い」方向に解釈できます。逆に、プライベートを優先したい人や、給料は安くてもいいから、ゆったりとした会社員人生を送りたい人にとっては「悪い」情報ですよね。

別の言い方をすれば、良い会社・悪い会社の判断基準は、人によって違うということ。

ですから、私が就職活動中の学生さんに強く言っておきたいのは、「世間一般のイメージに踊らされて、良い会社・悪い会社だと決めつけるな」ということです。

世間では「JR東海 = 超優良企業」のイメージがありますが(実際、超優良企業ですけど)、それが「自分にとって良い会社」であるかどうかはわかりません。「有名・優良企業であるか」と「良い会社であるか」は、まったく別の話です。

若者の離職うんぬんの問題は昔から叫ばれていますが、ここらへんの認識がゴッチャになっているのが、原因の一つではないでしょうか。

会社人生は長い だからこそ長期的な視点も併せて持つべし

再度言いますが、会社の良し悪しの判断基準は人それぞれ。ですから、判断材料をたくさん得るためにも、情報収集が何より大切なのです。OB・OG訪問で、可能な限り“生情報”を集めてほしいと思います。

就職活動における情報収集は、もちろん就活戦線を勝ち抜くために必要なものです。しかし、就活戦線は勝ち抜いたらそれで終わりではありません。その後に、長い会社員人生が待っています。

長い人生、自分に合わない会社に入ってしまったら辛すぎます。どうせなら「自分にとっての良い会社」を選んで、幸せな人生を送ってもらいたいものです。

就職活動中の学生さんには、「就活戦線を勝ち抜くため」という短期的な視点だけではなく、「自分の人生を充実したものにするため」という長期的な視点も持って、情報収集に励んでもらいたいと思います。

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