現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

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JR西日本の御坊駅で脱線事故 ポイントの操作ミスは考えにくい

2019(平成31)年4月14日、JR西日本の御坊駅構内(和歌山県)にて、脱線事故が発生しました。
報道では「ポイント(分岐器)の操作ミスか?」などと言われていますが……。

まだ詳しい情報が出ていないので、原因がよくわかりません。
「うーむ、どういうこっちゃ?」というのが正直な感想です。

 

ポイントを切り替え間違えても直ちに脱線はしない


私は御坊駅の配線・信号システム・作業内容を知らず、状況自体がよくわからないので、原因の推定はできません。
「ポイントの操作ミスか?」と報道されているので、そこについて簡単に触れます。

まず、ポイント切り替え担当者が、間違った方向にポイントを切り替えてしまった可能性について。

たとえば、1番線に車両を入れるため、1番線側にポイントを切り替えようとしました。
ところが、間違って2番線側にポイントを切り替えてしまったとしたら……。

しかし、それで通過した車両が脱線することはありません。
単に、車両が2番線に進入していくだけです。

もちろん、間違った番線に車両を入れてしまったので、「作業」という意味ではミスです。
しかし、「鉄道の安全」という観点からすれば、特に問題はないんですね。

てっ査鎖錠 ポイント付近での車両の安全を守る仕組み


今回の事故は、ポイント付近で発生しました。
ですので……

車両がポイント上を走行中に、ポイントが動いてしまった?
ポイント通過中に、担当者が切り替え操作をした?

しかし、それはシステム上ありえません。
「てっ査鎖錠」(読み方 てっささじょう)という安全の仕組みがあるからです。

ポイント付近に車両がいる状態で、急にポイントが切り替わったら、危険極まりないですよね。
ですので、ポイントという装置は、

・車両がポイント付近にいるとき
・車両がポイント上にいるとき

には、切り替わり動作をしない仕組みになっています。
これが「てっ査鎖錠」です。

電気回路を遮断してポイントが動かないようロックする


難しい書き方をしましたが、鎖錠とは、ようするに「動かないようにロックすること」です。

もう少し専門的に解説すると……
ポイント切り替えのための動力は「モーター」です。
モーターですから、当然、電気回路を必要とします。

そして、車両がポイント付近(上)にいると、回路内の「鎖錠継電器」というリレーが落下します。
これにより電気回路が遮断され、モーターの電源が切れます。

モーターの電源自体が切れてしまうので、ポイント切り替えはできなくなる。
「動かないようにロック」とは、そういう仕組みです。

何も動作しない環境下では操作ミスは起きないはず


以上の仕組みは、たとえていうならば、リモコンの電池を抜いてしまうようなものです。
リモコンに電池が入っていなければ、どのボタンをどう操作しようが、何も動きませんよね。

そして、ここが肝心なのですが……

何も動作しない環境下では、「操作ミス」は起きようがありません。
だって、何を操作しても動かないわけですから。

ですので、報道されている「ポイントの操作ミス」がどういう意味なのか、私にはよくわからんのです。
詳しい情報がほしいところです。


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