現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

コロナウイルス対応 鉄道会社の動きは?

こんにちは、現役鉄道マンのKYSです。

新型コロナウイルスの感染者数がどんどん増えています。
みなさんとしては、「鉄道会社は感染拡大防止のために何かやっているの?」とか「駅員や乗務員が大量に感染したらどうするの?」とか、いろいろ疑問があるかもしれません。

鉄道会社では、どのような取り組みをしているのでしょうか?

 

お客様向けには“啓蒙活動”くらいしかできない


鉄道会社がお客様に対してできることは“啓蒙活動”くらいですね。

・いわゆる咳エチケットや手洗い・うがいの奨励
・感染を防ぐための知識
・不要な外出や集まりの自粛要請
・行政が設置した相談窓口の案内

省庁などから出される「お達し」を駅構内の掲示や車内放送で周知する。
こんなことしかできないのが現実です。

あとやれることは、駅窓口に消毒液を置くとか、もしコロナウイルス感染者が利用したと判明したときに、当該車両を消毒するとかですかね。

先日には「マスクをせずに咳をしている人がいる」という非常通報で、列車が止まるトラブルもありました。
しかし、鉄道会社がマスクを大量に用意して、マスクをしていない乗客に配布する、なんてことは期待せんでください。
無理です。

まあ、厚生労働省でも有効な手は打てていませんから、鉄道会社に何かやれと期待している人なんて、最初からいないと思いますが……。

社員の感染防止対策 マスクは1日1枚だけ(泣)


次に、鉄道会社の社員の感染防止対策の話。

駅員や乗務員は、不特定多数の人間と接触する職種です。
しかしながら、やはり具体的な対策は難しく、「手洗い・うがいを徹底しましょう」「勤務体系が不規則な駅員や乗務員は、特に体調管理を万全に」という啓蒙活動が中心になっています。

ささやかな感染防止策としては、勤務者に対するマスク配付と消毒液の設置くらいでしょうか。

会社からのマスクの配布ですが、ご存知の通り品薄の影響で、会社も確保に苦労しています。
現在では、勤務時に配られるマスクは1日1枚だけ(泣)
他の鉄道会社はどうなんだろうか。

マスクはこまめに変えるべきなので、もちろん1日1枚では足りません。
会社側もそれは百も承知なのですが、ない袖は振れないので、「あとは個人でなんとかしてくれ」というスタンスですね。

幸い、私は家庭の防災用品にマスクを大量にストックしてあったので、それを使っています。
が、この記事を書いている時点で残数はあと50枚ほど。
家族みんなで使っていますので、ちょっと心許なくなってきました(^^;)

話が逸れますが、みなさんの家庭では、防災用品の備えは万全でしょうか?
今回のマスク品薄事件でもわかるように、いざというときに行政に助けてもらおうと思う方が間違いです。
食糧や水、乾電池や各種燃料などは、いったん後手に回ってしまうと入手は困難になります。
普段から備蓄しておきましょう。
私の家では、飲料水は60リットル備蓄しています。

乗務員が大量に感染したら間引き運転?


話を戻します。

ここからは、「もし鉄道会社の社員が感染、それも乗務員が大量に欠勤したらどうなるか?」を考えます。

現に、愛知県の名古屋高速道路公社でも、職員の感染により料金所の人手が足りなくなり閉鎖、という事態が発生しています。
また、この記事を書いている2020年2月24日、「JR東日本の社員が感染」というニュースも入ってきました。

新型コロナが厄介なのは、潜伏期間が長いこと。
季節性インフルエンザなら、潜伏期間はせいぜい2日前後なので、その間に接触した人数は限られるのですが……。
潜伏期間が長いと、どうしても接触者の数が膨れ上がってしまいます。

したがって、乗務員の大量欠勤という事態は、じゅうぶん起こりえます。
その場合、現実的な策としては、まずは「土休日ダイヤの施行」だと思います。

一般的に、土休日ダイヤは、平日ダイヤよりも列車本数が少ないです。
そのため、平日より少ない人数の乗務員で回すことが可能です。

休日労働と年次有給休暇の取得制限。
そうやって最大限乗務員を確保したうえで、まずは土休日ダイヤで様子を見る。
それでも追いつかないくらい乗務員が欠勤した場合に、間引きダイヤを発動させる。

これが予想される流れです。

「土休日ダイヤや間引きダイヤで客をさばけるのか?」と思うかもしれません。
しかし、そういう事態になるということは、市中での感染が相当に拡大しているわけですから、客数も減っているはず。
少なくとも、学生はこれから春休みに入りますから、通学客は減ります。

また、人混みでの感染を避けるために、マイカー通勤の推奨や、ラッシュ時を避けた時差通勤を取り入れる企業も出てくるでしょう。
企業としては、従業員が大量に感染したら商売あがったりですから、そういう措置を講ずると思います。

列車本数を減らしても、人が多すぎてホームへの入場制限がかかるような混乱は起きない……と願うしかないですね。

感染拡大防止としての運休はアリか?


間引き運転よりもさらに悪い事態を考えてみましょう。
今後、新型コロナがさらに広がった場合、「感染拡大防止としての運休」はありえるのでしょうか?

鉄道は「ウイルスの感染や拡大の温床」ともいえます。
ラッシュ時間帯には乗客がすし詰めになり、そこから降りた乗客は各地に散らばっていく……。
感染拡大を本気で抑えたければ、鉄道は止めた方が良いのは間違いないです。

ただし、運休措置は一事業者だけが行っても意味がありません。
一つの鉄道だけを止めると、他の鉄道やバスに乗客が集中して、余計な混乱や感染拡大を引き起こしかねません。
その地域の事業者がすべて足並みを揃えて運休することで、初めて効果があると思われます。

また、鉄道が止まれば、当然ながら経済活動は大混乱です。

ですので、「感染拡大防止としての運休」を鉄道事業者自身が決定することはないでしょう。
フィクションの世界かもしれませんが、致死率50%とかのウイルスが出現したときに、政府レベルの決定・指示で行われるものだと思います。
まあ、そういう決断を下せる人物が今の日本にいるとは思えませんが。