今回の記事では、石油輸送列車の雑学をお届けします。石油輸送列車を実際に運転した経験のある運転士が教えてくれた、まさに鉄道現場の雑学です。
【基本知識】石油輸送列車とは何ぞや?
石油輸送列車のことを知らない人のために、まずは基本的な知識から。こちらの写真をご覧ください。
この写真の車両、一度くらいは見たことがあると思います。これはいわゆるタンク車で、中に石油などを入れて運ぶための貨車です。正式な用語では「タキ車」といいます。
我が国では、基本的に石油は海外からの輸入に頼っています。石油は船で運ばれてくるので、まずは港が到着地となります。そして、港から内陸に石油を運ぶための一手段として、石油輸送列車が運転されているのです。
運搬中の石油が揺れる → ブレーキにも影響
さて、ここからが雑学。
この石油輸送列車、運転士に言わせると「ブレーキ操作が難しい」のだそうです。なぜかというと、「タンク内の石油が揺れるから」。
言われてみれば当然ですが、液体である石油は、運転中の振動により、タンクの内部でタップンタップン動いているのです。この液体の揺れのせいで、ブレーキ減速中に「後方から押されるような衝撃」が発生するので、ブレーキ操作は一筋縄ではいかないのだとか。
揺れを抑えるためタンク内は仕切られている
このタップンタップンを抑えるために、タンクの内部には仕切りが設けられています。
もしペットボトルみたいに、端から端まで液体が動き回れる構造だと、石油の揺れがひどくてエラいことになります。内部に仕切りを設けることで、石油が“暴れる”のを少しでも防ごうとしているのですね。
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本記事の写真提供 marunkunさん
本記事内の写真は、はてなブロガー・marunkunさんが運営する『マルーンの部屋』から拝借しました。写真使用の許可をいただき、ありがとうございました(^^)
『マルーンの部屋』は、東海・近畿地方を中心とした鉄道 & バスのブログ。「考察系・図鑑」といった雰囲気で、そういうのが好きな人はオススメです。また、写真撮影では珍しい構図が出てきたりします(例:架線がある駅に気動車の三列車並び)。