就職活動で、自分の強みをどうアピールするか? 前回の記事では、そこに触れました。
内容を簡単に振り返ると、
- 強みとは、会社が求めるものとマッチして初めて意味がある
- まずは情報収集して会社が求める人材を知るべし
- 結局、鉄道会社は「鉄道の安全を守れる人」を求めている
こんな感じでした。
「じゃあ鉄道の安全を守れる人って、どういう人なの?」という点を掘り下げていくのが、今回の記事です。それを知ることができれば、「自分の○○なところは鉄道の安全を守るのに向いている」と自分の強みを発見できるわけです。
「鉄道の安全を守れる人」とはこういう人だ!
あくまで私の経験から来る考えですが、以下のような人が「鉄道の安全を守れる人」だと思います。
- ラクな方向に流されない人
- 厳しい指導にも負けない打たれ強い人
- 上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人
- 同調圧力に屈しない人
- 人の言うことを鵜呑みにしない人
- わかりやすい説明ができる人
- 「他山の石」を活用できる人
いっぱいありますね(^^;) そうです。安全を守れる人間としての資質は、一つではなく、たくさんあると思います。
今回の記事では、ラクな方向に流されない人について説明していきます。
鉄道の仕事は地味な作業の繰り返し
ラクな方向に流されないのは、どんな業種でも大切ですが、とりわけ鉄道会社では重要です。というのも、鉄道現場での作業とは、同じことの繰り返しであり、ちょっと気が緩むとつい手抜きをしたくなるのが作業者の心理だからです。
詳しく説明しましょう。
たとえば、運転士がやっている「指差喚呼・指差呼称」という作業。声を出しながら対象物(信号機とか)を指して確認しているアレです。みなさんも見たことがあるでしょう。
「声を出しながら指差し」という動作は、確認の精度を高め、ひいては安全を高めることが実験によって証明されています。つまり、運転士にとっては安全を守るための“基本のキ”なのですね。
しかし、列車に乗ったときによ~く観察してみてください。手抜きをしている運転士もいるはずです。
単調で退屈な作業はサボりたくなるのが当然
なぜ、基本動作をサボってしまうのか?
理由は簡単。同じことの繰り返しは、単調で退屈だからです。
列車の運転に携わる業務は、毎日毎日同じことを繰り返すという、地味~な作業の積み重ねです。出勤するたびに新しい仕事が待っている、なんてことはありません。新人の頃ならいざ知らず、慣れてくると刺激なんて一切なくなります(笑)
そうなると、だんだん気が緩んできます。有り体に言ってしまえば、そのうち飽きます。人間はラクをしたがる生き物ですから、飽きれば当然サボりたくなります。
運転士の指差喚呼・指差呼称の例でいえば、
「もう新人じゃねーんだし、そんなに声出さなくていいでしょ」
「毎度毎度ビシッと指ささなくてもよくね?」
こんな具合で、みなさんも一度は見たことのある「声を出さない・指差しない運転士」が誕生するのです(笑)
ブログを継続できる人は鉄道マン向きかも
同じ作業の繰り返し → 気の緩み・飽きる → サボる……
人間である以上は、仕方がない流れかもしれません。しかし、こうした姿勢が鉄道の安全にとってよろしくないことは、説明するまでもないですね。
だからこそ、サボりたくなる気持ちに喝を入れて、物事をキチンと継続できる人は、鉄道の安全を守る人材の資質を備えていると思うのです。
たとえばですが、「ブログをちゃんと継続している人」って、鉄道マンに向いていると思いますよ。
ブログを継続するのは大変です。ネタを探し、それなりの量の文章を書き、わからないことがあれば調べる。しかし、そういうシンドイ作業を続けても、特に見返りはない。張り切ってブログを始めても、めんどうになって3ヶ月も経たずに投げ出す人が多いのも納得です。
ですから、めんどくさいブログ運営をキチンと続けられている人は、ラクな方向に流されない心の持ち主だと思います。学生さんでブログをやっている人も多いでしょうが、継続できている人は自信を持ってください。
「頑張って継続した経験」があれば強みになる
他に例を挙げるとすれば、「大学の講義にすべて出席している人」も、安全を守る人材としての資質があると思います。
大学生ならば、講義をサボったことが一度はあるでしょう。私も朝一の講義はよくサボっていました。一度どころじゃなく(笑)
しかし、周りがラクな方向に流れていく中で、自分はちゃんと踏み止まれているのであれば、それは強い心の持ち主です。ラクをしたい気持ちに打ち勝って、やるべきことをきちんとやる。これが鉄道の安全を守るために大事なことです。
ようするに、「他のみんながすぐ投げ出すような苦しいことを、自分は頑張って継続した」という経験があれば、それは鉄道会社へのアピールポイントになりえます。自分の人生を振り返って、そういう経験を探してみてください。
強みをアピールするための論理展開の例
話が長くなったので、まとめましょう。
- 鉄道の仕事は地味な作業の繰り返し
- そういう仕事は気が緩んでラクな方向に流されがち
- しかし、安全を守るためには、ラクな方向に流されない気持ちが大切である
- 私はラクな方向には流されない人間である(=強みのアピール)
- それを裏付ける経験を語る
こういう組み立てで進めれば、強みを効果的にアピールできるかと思います。一例を挙げると、
鉄道の現場は日々同じ作業の繰り返しなので、つい気が緩んで基本動作を怠りがちになると、OB訪問の際に教わりました。しかし、鉄道に最も大切な安全を守るためには、そうした気の緩みに打ち勝たなければいけません。
私は○○の経験を通して、ラクな方に流されない気持ちを身に付けました。これは鉄道の安全を守るために活かせると考えます。
OB訪問で「鉄道の仕事は○○だ」と教わった。まずこれで、情報収集をしっかりやっていることをアピール。
そして、OB訪問で得た情報をもとに、「安全を守るためには○○が大切だ」と考えた。手に入れた情報をもとに、鉄道会社が何を求めているかを考えられる人間です、ということをアピール。
自分は○○の経験を通して○○を身に付けており、それは鉄道会社に必要な「安全を守ること」に活かせると主張。これによって、私は御社の役に立てる人材です、ということをアピール。
私は人事担当ではないのでなんとも言えませんが、これくらいできれば、及第点は確保できるのではないでしょうか。
(採用業務をやったことがある人がいたら、教えてください)