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西気賀駅『グリル八雲』のビーフシチュー 肉と野菜が引き立て合う逸品

静岡県の第三セクター・天竜浜名湖鉄道といえば、実は鉄道グルメの宝庫なのですが、ご存知でしょうか?

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路線図

地方ローカル線らしく、多くは無人駅。ですが、その駅舎に飲食店が入っているケースがいくつもあります。その一つが、西気賀駅の『グリル八雲』です。

先日、天竜浜名湖鉄道を巡った際に立ち寄ったので、食レポをいたします。

メニューは豊富 奮発して「ビーフシチューセット」を注文

西気賀駅構内に入居する『グリル八雲』は洋食屋です。正確にはフランス料理店。表の看板もトリコロールカラー。日本のひなびた駅舎にフランス料理店が入っている、というギャップが面白くもあります。

ローカル線の駅舎なので、外見からして昭和の雰囲気が漂います。そして実際に入店すると……ああ、昔懐かしい洋食屋の装い。

メニューは豊富です。どれを頼むか迷います。洋食屋のハンバーグとか、家で作るのとは違うんだろうな。でもフライの盛り合わせも美味そう。

……といろいろ迷った結果、結局、看板メニューの「ビーフシチューセット」を注文。お値段3,000円也。せっかく来たので奮発しました。

まずはコーンポタージュスープがきました。わりとサラッとした控えめな感じのスープ。ここで濃厚なスープを出すと、たぶん「舌が重く」なって後続のビーフシチューを邪魔してしまうので、サラッとさせてあるのかもしれません。

野菜が美味い! とろける肉は濃厚! これが相乗効果だ

スープの皿が空になったところで、主役のビーフシチューが登場です。サラダとライスも一緒。

おお、キレイな彩り。これはさすがに写真がないと伝わらないぞ。では失礼をしてパシャッ。

チンタラしていたら冷めてしまう。冷たいシチューなんか食べたくないぞ。では、いただきます。

おおっ!?
野菜が美味い

いや、ビーフシチューなのに「野菜が美味い」って第一声はどうかと自分でも思いますが(笑) それが正直な感想なんだから仕方ない。

まずブロッコリー。独特の青臭さが苦手な人もいると思いますが、そういう人にこそ食べてほしい。嫌な部分は消し去られ、美味しさだけが残された、さわやかな印象のブロッコリーです。
(注:ブロッコリーは冬が旬の野菜です。私は冬に訪問しましたが、他の季節だと、別の緑野菜になるのかも)

そして、火の通し加減もいい。柔らかすぎず固すぎずの良い具合。ブロッコリーって茹で加減が難しいじゃないですか? 茹でが足りないと生の感じがして食べにくいし、茹で過ぎると食感が失われて不味いし。

エンドウも同じく。青臭さがなく、素直に「これウマいな」と思わせてくれます。ちゃんと火は通ってるんだけど、シャキッとした歯応えは失われていません。

対照的に、人参はトロっとしています。そして濃い。甘い。家で煮込み料理に人参を入れると、「味が抜けた」みたいな事態が往々にして発生しますが、そういうのがない。

食分野は素人の私なので、詳しい分析はできませんが、いい野菜を使っているんじゃないでしょうか。もちろんそれだけではなく、プロの料理人の腕があってこその美味さですが。

ようやく肉の感想。ビーフシチューなのに肉の話を後回しにするとは。デミグラスソースで煮込まれた牛肉は、とろけるような柔らかさで濃厚。文句なしに美味い。そんな肉が、たっぷり入っているのが嬉しい。ご飯足りないッス(バクバク

この肉 + デミグラスソースだけで食べ続けたら、くどくなってくると思いますが、間に野菜を食べて感覚がリフレッシュされるため、ちょうどいい具合になってくれます。

肉の濃厚さがあるからこそ、野菜の美味さが引き立つ。野菜の美味さがあるからこそ、濃厚な肉が欲しくなる。皿の中の肉と野菜、各々が独立しているわけでなく、キチンと相乗効果が発揮されていると思いました。

サラダも食べましょう。レタスはパリッとしているのはもちろんですが、味がいい。いつも食べているスーパーのレタスよりも、輪郭が太い印象です。セロリも心地良く、身体が浄化される感じ。「生野菜うめぇ」と思ったのは、久しぶりかもしれません。家で作ったサラダでは、こうはならない。

また野菜を褒めてしまった。ビーフシチューセットなのに……(笑)

いやー、美味かった。ごちそうさまでした。

店に活気がないのがやや気になった

あとは、3,000円という値段をどう見るか。人によっては「高い・コスパが悪い」との評価をするかもしれませんが、私個人としては納得。良い食事をさせてもらった、という感想です。「良いものは高い」のが道理。

全体的にお値段高めの店? と思うかもしれませんが、850円のランチもありましたし、1,000~1,500円の値段帯でハヤシライスやハンバーグステーキも食べられます。私が食べたビーフシチューセット3,000円だけ特別な日の贅沢用だと解釈すれば、そこまで値段の敷居が高い店ではないでしょう。

さて、あとは一つ、気になった点を書きます。店に活気が感じられなかったことです。

いや、接客が悪いとか、そういう意味じゃないですよ。なんとなく元気がないというか、沈んだ雰囲気というか……。抽象的な要素なので、なかなか書くのが難しくはあるんですけど。

訪れたのは平日でしたが、12時台で客は私だけ。土休日はまた違うのかもしれませんが。

地元の人と観光客、どちらの利用がメインかはわかりませんが、もし観光客利用が軸だったら、ここ3年のコロナ禍で大ダメージを受けたのかもしれません。また、洋食屋には、たとえばラーメン店ほどの「わかりやすさ」がないので、景気が悪くなって外食控えが起きてしまうと、チョイスされにくいのかも。

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