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近鉄名古屋駅「ひのとり弁当」 少し変わった鶏肉のおかずや二種類のご飯が楽しい

駅弁といえば、JR線の駅で売られているケースが多く、私鉄にはほとんど存在しません。

まあ考えてみれば当たり前の話で、長距離旅が普通にあり得るJR線(旧国鉄)とは違い、都市近郊を走り営業距離の短い私鉄では、旅の途中に車内で食事という概念自体があまりない。駅弁を取り扱う意味が、そもそもないわけです。

逆に言うと、長距離私鉄では、駅弁の登場する余地があると言えます。実際、私鉄最長の営業キロを持つ近畿日本鉄道(近鉄)では、駅弁を発見することができます。その一つが、今回紹介する「ひのとり弁当」です。

少し変わったおかずやご飯 そこにオーソドックスな品も揃う

ひのとり。みなさん、ご存知ですよね? 手塚治虫氏のマンガ……もそうですが(^^;) ここでは近鉄特急ひのとりを思い浮かべてください。それにちなんで近鉄名古屋駅で販売されているのが、ひのとり弁当。

もう包装からして、会社のフラッグシップトレイン・ひのとりをアピールしまくってます。鉄道好きの子どもが見たら、心を奪われるのは必至。

ねぇママぁ~、これ買って~。
えー、もう少し小さいのがいいんじゃない?
ヤダヤダァ~、買ってくれなきゃ、特急しまかぜの車内で松阪牛カレー食べちゃうからね。そっちの方が高くつくでしょ?
もぉー仕方ないわねぇ。

そんなやり取りが容易に想像できます。ではオープン。

かなり本格的。列車名を冠した駅弁って、外面や容器ばかりが豪華で、肝心の中身は残念なことが多い……というのが私のイメージなのですが、これはそうしたものとは一線を画しています。

お品書き 【ご飯】白ご飯・とりごぼうご飯
【とりのおかず】
ささみ梅しそ竜田揚げ・梅ザーサイ棒棒鶏・ヤンニョムチキン
【名古屋寿屋の焼売】
並焼売・エビ焼売・カニ焼売
【煮物】
竹の子・椎茸・里芋・蕗煮
【その他】
玉子巻・蒲鉾・ポテトサラダ

美味しそうなおかずが満載。こんなもの並べられたら、ビールが欲しくなる。特に酒飲みに嬉しいのが凝っているのが「とりのおかず」。単なる唐揚げ等ではなくて、ささみ梅しそ竜田揚げ・梅ザーサイ棒棒鶏・ヤンニョムチキンという、一捻りしたラインナップ。

なるほど。ひのとり弁当というネーミングだけあって、鶏肉+赤(ヤンニョムチキンや梅系)のおかずを主軸に据えているわけですな。名前と中身がリンクしていると。鶏が主役……

それなのに、センターに位置しているのが焼売でいいのかっ!?

という気はしましたが、鶏軍団と焼売軍団の位置を逆にしたら、すごく収まりが悪そうなので仕方ないでしょう。

そして、ご飯が二種類あるのが面白いですね。おにぎりだったら、それぞれ中身が違うのは当然ですが、ご飯でこういう形は珍しいと思います。

その他、煮物や玉子巻、蒲鉾など、駅弁ではオーソドックスな品が揃っています。やや捻りを加えたおかずや二種類のご飯という「冒険的要素」を取り入れつつ、お馴染みの品も入れる「安心的要素」。バランスの取れた二段構えがいいですね。

ずっしり焼売 味の強弱バランスが良い鶏おかず ホッとする煮物

いざ実食。まずはセンターの焼売からいきましょう。

うむ、美味い。ずっしりした感じで、食べ応えがあります。醤油と辛子が付いていますが、使わなくても全然問題なし。次は、とりのおかず。

ザーサイと梅の棒棒鶏とは珍しいですが、さっぱりで美味しい。梅しそ竜田揚げは、ささみのしっとり感と梅しそで上品。天ぷら的なテイストも。濃い味が欲しければ、ヤンニョムチキンの出番。おかず同士で強弱のバランスが取れています。

とりのおかず三つのうち、二つは梅を使っていますが(=梅しそ竜田揚げ・梅ザーサイ棒棒鶏)、タイプが違うので「被った」という感じはありません。

そして煮物や玉子巻、蒲鉾の出演。

とりのおかずと焼売という主役が頑張っているからこそ、薄味の煮物たちが美味く感じる。「煮物のターン」になると、優しさに包まれてホッとしますね。焼売・とりのおかず・煮物その他。おかず構成のバランスが良いです。

あー、やっぱ酒が欲しくなるわ

ご飯も二種類あるので、違った使い方ができます。とりごぼうご飯は、そのまま食べて美味しい。白ご飯は、おかずと合わせて美味しい。けっこうお腹に溜まってくれるので、「食べ足りない」と感じることは、あまりないかと思います。

逆に言うと、小さな子どもには量が多いかも。中身も大人向けなところがあるので、包装を見て「子ども向けだな」と思って買うと、あれっ? となりかねないので注意。

この中身で1,000円そこそこ コスパも良い

ごちそうさまでした。質・量ともにバランスが取れた、クオリティの高い駅弁だと思います。変なモノを出したら、フラッグシップたる特急ひのとりの名前に傷が付きかねませんから、近鉄側も製造業者の『松浦商店』にいろいろ注文を出したのでしょう(→公式ホームページ)。

気になるお値段ですが、なんと! ……忘れました、サーセン(^^;) 確か1,000円そこそこだったと思います。

この質と量で1,000円そこそこ。コスパはかなり良いです。また、食事としても、晩酌のおつまみ + 〆のご飯としても使えるでしょう。そうした汎用性の高さもアピールポイントだと思います。

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