滋賀県は近江鉄道の日野駅に、『なないろ』という面白い店があります。
ここの何が面白いか? 入居する店が固定されているのではなく、日替わりでいろいろな店が入ることです。今日はAという店が営業しており、明日はBが、あさってはCという店が開いている。こういう施設は、なかなか存在しないでしょう。
「店」と書きましたが、必ずしも飲食店とは限らず、イベントブース的な使われ方をすることもあるようです。どういう店が営業しているかは公式ホームページで公表されているので、事前に調べればわかります。
この日の店は「なにわや」 ランチメニューがお手頃700円
入居店が日替わりする施設『なないろ』。私が訪問したこの日は、『なにわや』という飲食店が入っていました。店の入口にメニューが貼られています。
- 焼肉定食
- 天ぷら定食
- 山かけ天ぷらセット
- ハンバーグ定食
- からあげ定食
- 豚の生姜焼き定食
- うどん・そば天ぷらセット
- 肉うどん
- 天盛り丼
- 牛丼
- 牛すじカレー(サラダ付き)
これら定食系・丼系メニューはどれも700円! 原材料費高騰による値上げを行う飲食店が多い中、かなり良心的な値段ではないでしょうか。この他にも、うどんや、コーヒーにレモンティーといった飲み物もあります。ぜんざいも売っていたので、食事ではなくおやつで立ち寄っても。
どれを注文するか迷いますね。なんかやたら「天ぷら」の文字が多い。天ぷら推しなのかと思い、「そば・天ぷらセット」に決めました。店に入り、調理台のオバチャンに口頭注文です。
木のぬくもりを感じられる店内は、良い雰囲気。ここでコーヒー飲んだら美味いっしょ的な品の良さがあります。テーブルは2人掛け・4人掛け用があり、1人用のカウンター席も。
そば・天ぷらはかなりのボリューム サクサクで美味い天ぷら
10分ほど待って、そばと天ぷらがテーブルまで運ばれてきました。
予想の70°くらい斜め上をいくボリューム
ちょー待って。めちゃめちゃボリュームあるよ。これで700円? 天ぷらが多いよ。ししとう2本、ナス、カボチャ、さつま芋、海老まで。そばもミニサイズではなく普通サイズだし。そして、なぜか天ぷらの下にサラダが敷かれているっ。健康のために生野菜も食えという配慮かっ!? ではいただきましょう。
サクッ!
これはなかなか
どの天ぷらも、サクサク揚がっていて美味しい。ナス、カボチャ、さつま芋は、食材の切り方というか厚みがちょうどいい。天ぷらって、揚げるのが難しいのは周知のとおりですが、食材の切り方も大きなポイントだと思うんですよ。切り方が分厚いと食感が重くなりすぎる。食材が薄っぺらいと衣が目立ちすぎてしまう。
そうしたマイナス点のない、天ぷら優等生だと思いました。
塩や天つゆで食すのではなく、天丼のタレみたいなのがかかっています。ご飯が欲しくなる。そばとのセットではなく、「天ぷら定食」を頼んだ方がよかったか?(^^;)
そばも食べましょう。うーむ、正直、可もなく不可もなく。かつおを主体とした出汁が中心で、醤油が強い系の汁ではありません。まあ、タレがかかった天ぷらがけっこう「強い味」になっているので、そばの方はこれでいいんじゃないでしょうか。
そばと天ぷら、相乗効果は特にありません。「天ぷらそば」ではなく、文字通りの「天ぷらとそばのセット」です。
地元民もそこそこ利用 地に足の着いた運営だと感じた
そして、地味に良い仕事をしていたのが水。水差しからセルフサービスで注ぎますが、水差しの中にローズマリー(香草)が漬け込まれており、爽やかな香りがします。この水のおかげで天ぷらのくどさが中和され、最後まで美味しく食べられました。
ごちそうさまでした。それなりの都市で食べたら、1,000円は下らない内容だと思います。それが700円ですから、コスパはかなり良いです。食後に現金でお支払い。
私が食べている間、地元の高齢者と思しき方が次々に入店してきました。コーヒーを飲んでいる人もいましたが、持ち帰り弁当を頼む人が多かったです。先ほど紹介したメニューは(汁系でないものに限り)テイクアウトできるようです。
注文した品が出来上がるまで談笑しており、地元民の交流施設という性格もあるようです。店全体の雰囲気としては、地域おこしのために! と変に気負った感もなく、地に足が着いた運営がされている施設との印象を受けました。
逆に言うと、地元民ではなく、外から来た人間だと少しアウェーを感じるかもしれませんが、個人的には居心地は悪くなかったです。接客も丁寧でしたし。近くを通ったら、また寄りたい店ですね。