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コロナの影響で運転士が不足し減便 「濃厚接触者狩り」はやめるべき

名古屋臨海高速鉄道あおなみ線は、複数の運転士がコロナに感染または濃厚接触者になった影響で、運転士が足りなくなった。減便ダイヤを施行する。(2022年1月27日のニュース)

「コロナで利用客が減ったので減便」はあちこちで行われていますが、「コロナで運転士が足りなくなったので減便」は珍しいです。

2020年12月の都営地下鉄大江戸線(→こちらの記事)、2021年2月のJR北海道函館線、2021年8月のJR西日本七尾線での事例に続く4例目だと思われます。オミクロン登場後は初めてでしょう。

「濃厚接触者狩り」で社会機能を止める弊害の方が大きい

あおなみ線、運行を8割に削減 社員コロナ感染の影響:中日新聞Web

↑の記事によると、出勤できない運転士の内訳は次の通りだそうです。

  • 検査陽性 2人
  • 検査結果待ち 1人
  • 濃厚接触者 1人
  • 家族が濃厚接触者 1人

冷静に見れば、コロナ陽性者(感染者)は2人です。しかし、いわゆる濃厚接触者狩りで余計な出勤停止が発生しています。

濃厚接触者とは、乱暴に言えば、単に近くにいただけの人です。当該者に発熱などの症状が出ていればともかく、無症状・元気であれば、それを“狩る”ことにどれだけの意味があるのでしょうか。

もちろん、濃厚接触者を検査したら陽性者であり、それで次の感染を防げるケースもあるでしょう。しかし、なんでもかんでも「可能性があるから」で制限をかけていたら、今回の列車本数減のような、社会機能を止めてしまう弊害の方が大きいのではないか……というのが私の感覚です。

「濃厚接触者の濃厚接触者」まで出勤停止?

先ほどの内訳を見ると、「家族が濃厚接触者」で出勤停止という運転士もいます。「運転士本人が濃厚接触者」や「家族が陽性者」ではないと思われます。我が家で例えるならば、

妻の職場でコロナ陽性者が出た
→妻が濃厚接触者に指定された
→私も出勤停止

濃厚接触者の濃厚接触者(?)までが出勤停止になっているわけで、これは明らかにやりすぎ。ここまで範囲を広げていたらキリがありません。

こんな調子でやっていたら、コロナ陽性者1人の発生で、20~30人は自宅待機を余儀なくされてしまいます。陽性者が1日10万人出るようになったら、200~300万人が動けなくなる計算。そりゃ保健所もパンクするし、社会機能も停止するわ……。

社会機能が止まるのは「ウイルスそのものや症状のせい」ではなく、「過剰な制限を行う運用のせい」というのが私の考えです。

鉄道だけではなく、これからは病院でも同様のケースが起きるでしょう。というのも、医療従事者にはコロナワクチンの3回目接種が始まっています。ワクチンの副反応は2回目と同程度らしいですから、接種後2~3日は動けなくなる職員が出るはずです。濃厚接触者狩り + 接種後の副反応のコンボで職員が足りなくなるケースが、これから続出するのではないでしょうか。

鉄道も病院も、出勤停止者が増えれば、残った職員で回さなければいけません。過酷な勤務で疲労が蓄積すれば、ミスを犯す確率は間違いなく上がる。重大事故が起きるかもしれません。濃厚接触者狩りによって安全が脅かされる。そういう可能性は考えないのか?

なぜコロナだけ「特別扱い」するのか?

こちらの記事でも書きましたが、改めて言いたいのは、「なぜコロナだけ特別扱いするのか?」です。

昔、私の娘がインフルエンザに感染したことがあります。家庭内でベタベタ接触していたので、私は濃厚接触者どころか感染者だったはず。まあ症状は何もなかったので、いわゆる無症状感染でしょう。しかし、会社に報告しても、「自身の体調に問題がなければ出勤していいよ」。

2019年までの社会は、そうやって回していた(回っていた)わけです。それに、インフルエンザは俗に年間1,000万人が感染すると言われますが、医療逼迫の「ひ」の字も聞いたことがありません(私が知らないだけかもしれませんが)。

もちろんインフルエンザとコロナは違うので、まったく同列での比較はできないでしょう。しかし、死者や重症者の数、はたまた症状の重さがコロナ>>>>>インフルではないことは、これまでの2年間の蓄積から明らかです。なぜコロナだけ「特別扱い」で大きく騒がれるのか、さっぱりわかりません。

「ウイルスを身体に入れない対策」はキリがない

最後に、感染対策の話を一つ。

現在のコロナ対策といえば、「ウイルスを身体に入れないようにする」の手法がメインです。マスク・手洗い・うがい・手の消毒・三密の回避・人流の抑制……。しかし、これらをいくらやってもコロナウイルスは滅亡しません。まさか対策を一生続けるわけにもいかないでしょう。キリがありません。

であれば、「ウイルスを身体に入れないようにする」ではなく、「ウイルスが入ってきても対抗できる身体をつくる」方が現実的であり、建設的ではないでしょうか。ウイルスが身体に入ってくるのを前提で考えるわけです。

ワクチン接種が一つの手段ですね。コロナワクチンの安全性がまだ詳しく判明していないため、私自身は接種せずに様子見をしていますが(→その話はこちらの記事 まあ常識的に考えて、こんな短期間で3回目接種が必要になるワクチンはいかがなものかと……)。

それから、防御方法といえばワクチン接種しかないような世論ですが、本来身体はウイルスに対抗できる力を備えています。ですから、健康をしっかり保ちウイルスを跳ね返す方針で対処するのも、立派な手段です。

そして、人間ですから体調を崩すこともあります。そういうときに「ウイルスを身体に入れないようにする」対策を取ればいいのではないでしょうか。

(2022/1/29)

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