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JR外房線で脱線 黒字会社での脱線事故は珍しい

2020(令和2)年5月8日、千葉県のJR外房線(JR東日本・千葉支社管轄)で、脱線事故が発生しました。

脱線事故が起きると、ネットでは「置き石か?」と騒がれることが多いです。
しかし、いざ原因を解明してみると、置き石での脱線事故って、まずないんですね。

 

バラストくらいの置き石ではまず脱線しない


私も運転士時代、レール上の置き石を踏んだことがあります。
どうやら、カラスがいたずらで、線路のバラストをレール上に置いたようです。

が、バラストくらいの大きさの石では、車両はビクともしませんでした。
置き石を踏んだ際、まったくといっていいほど、車両が揺れたりしなかったですし。
(車輪が置き石を粉砕したときの「音」はすごかったですが)

コンクリートブロックでも置かれたら話は別ですが、そのくらいのものがレール上にあったら、さすがに運転士から丸見え。
もしそうなら、「脱線直前、運転士はレール上に〇〇が置かれているのを目撃した」という情報が、すでに出回っているはずです。

近年の脱線はほとんどが「線路の整備不良」


近年の脱線事故の原因は、そのほとんどが「線路の整備不良」です。
もう少し詳しく言うと、「マクラギの腐食」が大半です。
↓の記事が詳しいので、興味がある人はどうぞ。


簡単に説明しておくと、

① 木製のマクラギを使っている場合、そのうち腐食してくる。
② マクラギが腐食すると、レールとマクラギを締結するために打ち付けてある「クギ」が緩んでくる。
③ クギが緩むと、レールとマクラギの締結が不十分な状態になる。
④ すると、重い車両が走ったときにレールがぐらついて、車輪がレール外に落ちる。


こういう流れで脱線事故が起きます。

整備不良での脱線は赤字会社で起きるのが普通


では今回のJR外房線の脱線事故もコレかというと、それはかなり疑問。

というのも、「線路の整備不良」での脱線は、赤字の鉄道会社で起きるのが普通だからです。
地方の中小私鉄とか、国鉄・JR線から第三セクターに転換したような会社を想像してください。
そういう会社では、財政難や人手不足で線路の保守管理作業がじゅうぶんに行えないこともあるため、線路の整備不良で脱線、ということが発生しうるのです。

しかし、JR外房線を管轄するJR東日本は、バリバリの黒字会社。
JR東日本で、財政難や人手不足を原因とした線路の整備不良が起きるとは、ちょっと、というかだいぶ考えにくい。
さきほど「マクラギの腐食」と書きましたが、今回の事故現場のマクラギは木製ではなく、PCマクラギっぽいですから、腐食はしませんし。

「黒字の鉄道会社で脱線事故」という意味で、今回のケースはかなり特異です。
うーん、確かに置き石も疑いたくなりますね。
現時点では、脱線の原因はまったく見当がつきません。

続きの記事はこちら JR外房線の脱線原因は置き石? それとも……


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