「鉄道の運転士になるためには、視力が良くなければいけない」
これは比較的よく知られた事実ですね。しかし、運転士の身体要件としてチェックされるのは、視力だけでありません。今回の記事で取り上げる血圧や血糖値も、身体要件のチェック対象です。
あまり知られていない事実ですが、血圧や血糖値の値が悪いせいで運転士になれない(あるいは運転士をおろされる)人は実際にいるんですよ。
運転士には肥満体型の人がいない
みなさんは、日々鉄道を利用する中で、たくさんの運転士の姿を目にしていると思います。そのときに、こんなが疑問が心に浮かんだことはありませんか?
「太っている体型の運転士って、あんまり見たことないな……」
どんな会社の職場にも、何人かは肥満の人がいるものです。みなさんの勤め先でも、きっとそうだと思います。
しかし、運転士にはそれがない。
意識して観察するとわかりますが、ほとんどの運転士は、体型が「普通」か「痩せ型」です。「肥満」の運転士は、めったにいません。(肥満レベルとは言えない「ぽっちゃり」の運転士はそれなりにいますが)
なぜでしょうか?
極端な高血圧だと運転士になれない!
答えは、「肥満の人は、高血圧のせいで乗務できない場合が多いから」です。
もう少し正確に説明すると──視力や聴力と同じように、血圧にも「あんまり高血圧だと乗務できないよ」という基準があります。
そして、肥満と高血圧は強く関連しています。早い話、「肥満な人 = 高血圧」であることが多いわけです。つまり、肥満体型の人は血圧基準で引っ掛かることが多いため、運転士になれない。肥満体型の運転士をなかなか目にすることがないのは、そういう理由です。
ただ、血圧の測定値は、視力や聴力と違って流動的です。ちょっと緊張したりすれば、簡単に上昇しますよね。
だから、身体測定で高い値が出たからといって、機械的に一発アウトになることはありません。ちょっと時間をおいて測り直し、それでセーフなら問題なし。どうしても高い値しか出ない場合に、そこで初めて「いちど詳しく診てみましょうか」という話になります。
高血糖 = 糖尿病も運転士になれない!
血圧の他に、血糖値にも「あんまり血糖値が高いと乗務できないよ」という基準があります。早い話、糖尿病の人です。
血圧と同じように、肥満と高血糖の間にも関連性があります。つまり、肥満な人は、高血圧と高血糖のダブルパンチに見舞われやすいわけです。
「ラーメン + おにぎり」は血圧・血糖値的に最悪
視力や聴力だけでなく、血圧と血糖値にも気を付ける必要があると理解していただけたでしょうか。
この、血圧・血糖値を上昇させてしまう食事が「麺類 + 米飯」。
- コンビニの「インスタントラーメン + おにぎり」
- 中華料理店のランチセット「ラーメン + チャーハン + 餃子」
こういう食べ方は美味しくて最高最悪ですね。ラーメンで塩分の摂りすぎ + 炭水化物(糖質)のコンボで血糖値が上昇。同僚の食事を見ていても、こういう食べ方をしている人が少なからず存在します。まあ、たまになら問題ないのでしょうが……。
「早食い」も血糖値を上昇させる原因
それから、もうひとつ気を付けた方がよいのが早食い。
オフィスでデスクワークをしている労働者なら、昼休憩は1時間というのが一般的だと思います。これなら、ゆっくり食事をすることができます。
しかし、乗務員のメシ休憩は1時間もないことが普通です。10分くらいで食べなければならないこともあります。必然的に早食いになりがちですが、早食いは血糖値を上昇させる大敵です。
仕事のときは早食いでも仕方ないですが、家ではゆっくりとした食事を心掛けましょう。
とにかく、これから運転士を目指す人は、食生活にもじゅうぶん注意してください。それでなくても、運転士は身体への負担が大きい仕事です。健康な身体であることが大前提ですからね。