以前から、運転区間の短縮や増便の構想がニュースになっていた特急スーパーはくとですが、ついに実現です。ビフォーアフターの比較は↓図の通り。
あ、ついでに書いておくと、自由席が無くなって全車指定席になります。まあ全車指定席化は、スーパーはくとに限らず他のJR特急も同様の傾向ですが。
スーパーはくと増便のために他列車の時刻や行先を大幅改変
当ブログでは、スーパーはくと増便について、以前から考察記事を書いてきました。それらの記事の中では、「現行ダイヤがベースだと、増便はけっこう難しい」という感じで説明しました。
しかし今回の新ダイヤでは、抜本的な改変が行われる模様。岡山~鳥取を結ぶ特急スーパーいなば、および智頭急行線 & JR因美線を走る普通列車の時刻や行先をいじり、スーパーはくと増便のスキマを捻出したようです。
はくと & いなばの特急列車については、新しい時刻案が発表されています。また、智頭急行線内を走る一部の普通列車も、具体的に新時刻案が出ています。そこで、現行ダイヤの上に「新しい時刻案が判明している列車」を当てはめてみました。
みなさんが普段目にする時刻表は数字の羅列ですが、鉄道マンは、この列車運行図表(ダイヤグラムとも呼ぶ)というもので列車の動きを把握します。タテ軸とヨコ軸があり、そこに線が走っている。一次関数のグラフみたいですね。
読み方はこちらの記事で解説しています。
で、このダイヤ(図)ですが、実は不都合な部分が大量発生しています。具体的には、列車の正面衝突や追突が起きます。当然それではダメなので、手直ししないといけません。スーパーはくとの通行する智頭急行線 & JR因美線では、普通列車の時刻をかなり修正する必要があります。
(もちろん、智頭急行とJR西日本の社内では修正が済んでいます)
というわけで2024年3月改正では、特急だけでなく、智頭急行線とJR因美線の普通列車にも、運転時刻が変わる列車がたくさん出ます。沿線の利用者は注意しましょう。
はくとを上下1本ずつを増便するだけでも大変な手間
今回、スーパーはくとを上下1本ずつ増やすだけ──という表現はアレですが──のために、他列車の時刻等をいろいろいじっています。けっこう大胆に動かしたな~という印象で、逆に言うと、それくらいやらないと増便は難しいことがわかります。
上下1本ずつの増発でコレですから、ここからさらに3本も4本も増やそうと思ったら、もはやカオスになることが容易に想像できます。
以前、自民党鳥取県連政調会から、「はくとを1時間に1本走らせたい」との構想が出ていました。
改めて、やはり実現は相当苦しいと感じます。やろうと思ったら、智頭急行と因美線を「スーパーはくと専用路」にするつもりで対応しないとダメですね。
まあ1時間1本構想も、本気で実現を目指したわけではなく、「関西~鳥取のアクセス、もう少しなんとかならない?」との問題提起として発表したのでしょう。実際、そういう下地があったからこそ、今回の増便が行われたと思います。
大阪万博時の増便構想にはどのように対応するのか?
ところで、2025(令和7)年4月から大阪万博が始まります。この万博期間中に、「鳥取への観光誘致のためにスーパーはくとを増便したい」との構想(願望?)もあります。
しかし、万博期間中のスーパーはくと増便は難しいのではないでしょうか。2024年改正ダイヤから、さらに本数を増やすとなると……。車両調達や乗務員確保の問題もありますし、普通に考えたら無理だと思うけどなぁ。無理くさいですねぇ。
「あきらめが早い」と叱られたので、一つ案を出しますと、「大阪発上郡行の快速列車を走らせる → 上郡駅でスーパーいなばに乗り換え」というリレー方式はどうでしょうか。はくと増便ではなく、いなば有効活用で乗り切ると。
現在、スーパーいなばの乗車率がどれくらいかは知らない、つまり万博の乗客増を受け入れるだけの余裕があるかは、わかりませんが……。個人的には、これくらいしか現実的な案が思いつきません(^^;)
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