先日、妻の実家へ行くと、遊びに来ていた甥っ子が鉄道DVDを見ていました。その鉄道の沿線風景や車両を紹介するDVDでしたが、けっこう大人向けの内容。なにせ、『この車両はVVVFインバータを搭載し……』なんてナレーションが流れていましたから。
VVVFインバータという響きがカッコいいのか、「VVVFインバータ!」と叫ぶ甥っ子。甥っ子に合わせて「そうだね~VVVFインバータだね」と言う妻。
そんな妻に問いたい。
VVVFインバータってなに?
妻「さあ、知らない。ところで夜ご飯は何にする?」
ボーっと生きてんじゃねぇよ!
(`Д´#)
今回の記事は、「VVVFインバータってなに?」という疑問に対し、離乳食レベルにまで噛み砕いた解説をします。鉄道好きだけど、実はVVVFインバータをよく知らない人も、この記事で「なるほど!」とスッキリしてください。
インバータとは「直流を交流に変換する装置」
今回の記事、最終的に理解していただきたいのは↓の図です。
まだ理解できなくても大丈夫ですよ。ここから説明していきますから。
基本のキからいきましょう。
まず、インバータとは何か?
一言でいえば、「直流電流を交流電流に変換する装置」です。
なんぼ物理が嫌いな人でも、「電流には直流と交流の二種類がある」ことは一般常識として知っているでしょう。直流を交流に変換してくれる装置、それがインバータ。
ここまではOKでしょうか?
最近の電車はほとんどが「交流モーター」で走る
では、なぜ電車はインバータを搭載しているのか? そこを説明していきます。
(注:インバータを載せていない電車も、もちろんあります)
電車はモーターで走っています。モーターで車輪を回転させて動くわけですが、モーターには「直流用」と「交流用」の二種類があることはご存知でしょうか? これは読んで字の如くで、
- 直流モーター → 直流電流用のモーター
- 交流モーター → 交流電流用のモーター
というわけですが、最近の電車で使われているのは、ほとんどが交流モーターです。
当然ですが、交流モーターを回転させるには、交流電流でなければいけません。別の言い方をすれば、「交流電源」が必要ということ。
【話のポイント】直流電流では交流モーターは回せない
ところが、日本の鉄道には「直流電源」を使用している路線が多々あります。電車が走るのに必要な電気は変電所という施設から送電されるのですが、それが直流であるケースが多い、ということです。
そして、ここが話の急所なのですが、「直流電流を電車側で受け取っても、交流モーターを回すのには使えない」のです。当然と言えば当然ですが。
そこで登場するのがインバータ。復習ですが、インバータとは「直流を交流に変換する装置」でしたね。
電車が受け取った直流を、交流モーターで使用できるよう交流に変換する。この役割を担当しているのがインバータです。
今回のまとめ
長い説明になりましたが、まとめると↓のようになります。
電車を動かすための電源は「直流」だけど、モーターは「交流用」だから、「変換装置」としてインバータを間に挟む必要がある。
なぜ電車にインバータが搭載されているか、ご理解いただけたでしょうか。
さて、「インバータはわかったけど、じゃあVVVFってなに?」という人、それは次回の記事で。
続きの記事はこちら VVVFインバータとは? 初心者向けにやさしく解説(2)