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連動装置とは? 衝突や脱線を防いで安全を確保する「鉄道の頭脳」

大きな駅になると、信号機やポイント(転てつ器)がたくさんあり、配線も複雑です。

そういう駅で列車が動いているのを眺めて、不思議に思ったことはないでしょうか。

列車の出入りに伴って、たくさんの信号機やポイントが目まぐるしく動いています。ちょっと誤って作動──変なタイミングで信号機が青になったり、ポイントが間違った方向に切り替わったりすれば、列車同士の衝突が起きそうです。

しかし、現実には衝突は起きません(当たり前ですが)。もちろん、そういう事態が起きないように信号設備が作られているからですが、では、その設備がどのような仕組みになっているかはご存知でしょうか?

今回は、鉄道の安全を守る設備の話。中でも、非常に重要な働きをする連動装置というものについて説明します。

【例1】両方の信号機が同時に青になったらどうなるか?

連動装置という単語、初めて聞く人が多いと思います。まずは、もし連動装置とやらが存在しなかった場合、どのような事故が起きるかを見ていきましょう。

↓図をご覧ください。いま、1番線と2番線に列車が停まっているところです。

この状況で、もし1番線・2番線の信号機が同時に青になったら……何が起こるでしょうか(↓図)。

両方の列車が出発し、その先のポイント(合流地点)で衝突・脱線する可能性があります(↓図)。これはヤバい。

こういうヤバい事態を防ぐためには、どうすればよいでしょうか? ようするに、両方の信号機が同時に青になってはマズいわけです。

  • 1番線の信号機が青のときは、2番線の信号機を赤にしておく
  • 逆もしかり。2番線の信号機が青のときは、1番線の信号機を赤にしておく

こういう仕組みを作ったうえで、信号機を作動させなければいけません。

つまり、1番線と2番線の信号機は、それぞれが独立しているのではなく、お互いに関係があるわけです。

【例2】ポイントが誤っているのに信号機が青になったらどうなるか?

次の例。3番線の列車は、今から下り線に出ていこうとしています(↓図)。

3番線からポイントを渡って下り線に進出する。当然、ポイントは下り線方向に切り替わっていなければならない

出発後ポイントを通過しますが、このポイントが、もし誤って上り線方向を向いていたら? その状態で、3番線の信号機が青になったら?

3番線から出発した列車は上り線に誤進入し、事故になってしまいます(↓図)。

対向の上り列車と衝突してしまう

当たり前ですが、駅進入時または進出時は、「ポイントが正しい方向に切り替わっている」という条件が必要です。別の言い方をすると、「ポイントが正当方向に開通していることを確認後、信号機が青になるべき」なのです。

このように、信号機とポイントの間にも、相互の関係が存在します。

連動装置の仕事 列車を安全に動かすルートを作って信号機を青にする

例1・2からおわかりのように、列車同士の衝突(や脱線)事故を防ぐためには、関係する複数の信号機やポイントを、相互に紐付けして作動させる必要があります。

そのために存在するのが連動装置です。

図で説明しましょう。いま、1番線に列車が停まっています(↓図)。

列車を出発させるために、1番線の信号機を青に変える命令を出したとします。その際、連動装置が命令を受け取って、以下の仕事をします。

① ポイントを正しい方向に切り替えて進出ルートを作る(連動装置自体がルートを記憶しており、対象のポイントを切り替える)
② そのポイントを、列車が通過し終えるまでロックする
(列車が通過している途中に切り替わったら危ないから)

まずはポイント切替から行う

③ 進出ルートの完成を確認したうえで、信号機を青にする

進出ルートを確保して初めて、信号機は青になる

この仕事をしているのが、連動装置です。

関係機器をロックすることで誤った操作命令を受け付けない

そして、ここで重要なのが、「ポイントは1番線側に向いた状態でロックされる」ということ。別の言い方をすると、切替命令を受け付けません。

1番線の信号機が青になっている状態

↑図の状態で、係員がミスって、2番線の信号機を青にする操作(命令出力)をしたとします。もしその命令が通ったら、1番線・2番線両方の信号機が青になり、超ヤバい。

しかし、2番線の信号機は赤のまま変わりません。

というのは、2番線から列車を出発させたい場合、ポイントは直進側に切り替わるべきですよね。しかし現状、「ポイントは1番線側に向いた状態でロック」されており、切替命令を受け付けない。したがって、2番線からの進出ルートを作れない。

進出ルートを作れない以上、2番線の信号機は青になってくれない = 赤の状態から変わりません。表現を変えると、1番線の信号機を扱うことによって、2番線の信号機は使用が制約されるわけ。

ようするに、連動装置は誤った(=事故が起きるような)操作命令は受け付けないのです。つまり、係員が誤操作をしても、列車同士の衝突や脱線は起きないようになっています。

ちなみに、誤った操作を受け付けない仕組みのことを「フールプルーフ」と呼びます。

もしこの連動装置がなかったら、例1・2で示したように、複数の信号機が同時に青になったり、ポイントが間違っているのに信号機が青になったりして、衝突や脱線につながりかねません。それを防ぐための非常に重要な装置で、まさに「鉄道の安全を守るための頭脳」と言えます。

……とまあ、難しい話になりましたが、信号機やポイントの不適切動作を防いで事故が起きないように管理しているのが連動装置です。それだけ知っていただければOK。この記事の98%くらいは理解できなくても問題なし(笑)

『きかんしゃトーマス』の世界には連動装置がない

ところで先ほど、「もし連動装置がなかったら」という仮定で例1・2を示しましたが、実はみなさん、連動装置がない鉄道を目にしたことがあるはず。

『きかんしゃトーマス』のソドー鉄道です。

ソドー鉄道では、よく事故(または未遂)が起きています。そのうち、信号機やポイントの不適切な取扱いによって起きたと思われる事象もあります。

よく眺めると、信号機同士、あるいは信号機とポイントの作動が、相互に紐付けされていない(と思しき)シーンがけっこう発見できます。断言してもいいですが、ソドー鉄道には連動装置がありません。連動装置がないと、あんな感じで危険だらけになるんですよ(笑)

連動装置の重要性を『きかんしゃトーマス』は教えてくれています。

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