「運転士になるまでの道のり」を解説するシリーズの第3回です。
運転士になるまでには、以下の4ステップを踏むと書きました。
- 学科講習←今ここ
- 学科試験
- 実車講習
- 実車試験
学科講習は晩夏~初秋に始まり約3ヶ月
学科講習が始まったのは、私のときは9月中旬でした。運転士養成は、8~10月くらいに開始するケースが少なくありません。
4~6月は新入社員研修があり、それが終わって一段落するのが8~10月なのです。これより遅くなると、今度は翌年度の新入社員研修が迫ってきます。
また、6~7月が人事異動の時季という鉄道会社もあります。教習所の講師が人事異動で入れ替わった場合、6~7月に赴任してきて準備 → 8~10月に講習開始というのが都合がよいわけです。
そして、学科講習の期間は約3ヶ月間です。
この約3ヶ月という期間も、だいたいの鉄道会社で共通だと思います。私の知っている範囲では、長くても4ヶ月ですね。勉強する内容はどこも同じようなものでしょうから、大きな差はないのです。
ちなみに、国鉄時代のような大昔では、学科講習は5~6ヶ月だったと聞いたことがあります。これくらいの期間だと、全範囲の講義をしても時間が余ってしまうため、途中でけっこう遊んでいたらしいです。ところが、遊びすぎてしまって時間がなくなり、最後の方は詰め込みになることもあったと(笑)
ちょっと話が逸れましたが、まとめると私の場合は9月~12月に学科講習を受けたわけです。
3ヶ月間の寮生活は個人的には天国
学科講習初日の朝。
私は大量の荷物を持って教習所に向かいました。
教習所へはスーツ姿で向かいますが、それとは別に会社の制服を持っていきます。さらにキャリーバッグには、着替えがパンパンに詰め込まれている状態。
ウチの鉄道会社の教習所には寮があり、3ヶ月間の学科講習は泊まり込みの合宿形式で行われるのです。
泊まり込み……といっても、土日は休日ですから、正確には「月曜の朝に教習所に出てきて4泊5日、金曜の授業が終わると家に帰れる」という形です。この「月曜朝 → 金曜夕方」というループが3ヶ月続きます。
寮での集団生活がイヤだという人もいますが、私は特に気になりませんね。たまにはそういう経験もいいものです。教習所には寮のほかにも、食堂、共同浴場、ランドリー、体育館、グラウンドなどの設備があり、不自由さを感じることもありません。
寮だと朝7時くらいまで寝ていられるし、通勤もしなくていい。駅員・車掌時代の不規則勤務からも解放され、身体が非常にラクなのです。
なにより、ごはんが出てくるのが嬉しい。当時の私は一人暮らしで自炊をしていたので、黙っていても食事が出てくる環境は夢のようでした。しかも食費は会社持ち!
何もせずともタダ飯が食べられる。まさに神。もう、これだけで学科講習に来た甲斐があります(笑)
寮がない会社は毎日教習所に通う
ちなみに、鉄道会社の中には教習所に寮がない会社もあります。寮を維持するのは莫大な費用が掛かりますからね。費用対効果を考えると、おいそれと設置できるものではないでしょう。
そういう寮がない会社は、毎朝出てきて夕方に帰る日通い方式で学科講習を行います。うーん、毎日通うのは面倒くさい。その一点だけでも、私は合宿形式の方がいいですね。
ちなみに、日通い方式の鉄道会社の人から聞いた話。教習所から遠いところに住んでいると、毎日通勤するのは辛いので、学科講習の間は教習所の近くにマンションを借りる人もいるそうです。
講習期間中は給料が下がるのが難点
前回の記事でも書きましたが、運転士養成の参加者には「運転士なんてやりたくないなあ、嫌だなあ」と思っている人も少なくありません。そういう人からすれば、やりたくもない講習を3ヶ月間も、しかも寮に押し込められて、というのは苦痛以外の何物でもないようです。
しかし私は、嫌だと思ったことは全然ありませんでした。憧れの運転士になるための講習でしたし、身体はラクだし、タダ飯も食える。これで文句を言ったらバチが当たるというものです(笑)
強いて一つ難点を挙げるなら、「3ヶ月の講習期間中は給料が下がること」でしょうか。
駅員・車掌をしていると、残業(時間外労働)が発生することがあり、残業代がつきます。また、泊まり勤務ですから深夜手当もつきます。車掌ならば、乗務の対価としての「乗務手当」というものもあります。
しかし、3ヶ月の講習期間中は、そうしたものが一切発生しないので、支給額が下がってしまいます。まあ、タダ飯が食えるのでプラスマイナスゼロみたいなものですけどね。
今回の記事はここまでです。