なぜ鉄道会社に就職したいのか? もちろん、動機は人によって異なるでしょうが、「鉄道会社は安定しているから」と考える学生は少なくないでしょう。
それに対して、「本当にそうなのか?」と考えるのが今回の記事です。
「現在」は確かに安定した業種だが将来はどうか?
確かに、鉄道会社は安定した就職先です。○○線が廃線というニュースはあっても、鉄道会社自体がなくなったというニュースは、めったにありません。あったとしても、地方の小さな鉄道会社が廃業したケースがほとんどで、一定規模以上の鉄道会社が消えてなくなる可能性は皆無でしょう。
現在のところは。
しかし、30~40年後も安定した業種かというと、それは疑問です。
(まあ、将来の安定が絶対に保証される業界なんて、そもそもありませんが)
今後、日本の人口は減少することが確実視されています。今より人口が10~20%も減ったらどうなるでしょうか? それだけ「基礎的な需要」が減って、それでも安泰という鉄道会社が、いくつあるでしょうか?
鉄道がツラいのは、収入が減っても支出を減らせないところです。たとえば、利用者が半分になったとしても、線路や車両の保守費用は削れませんよね。
人口減少で経営危機は地方鉄道だけではなくなる
ご存知のように、すでにJR北海道やJR四国は深刻な経営危機が叫ばれています。今は「地方の話」で済んでいますが、将来は都市部の鉄道でこういうことが起きても不思議ではありません。
なにせ基礎的な需要が10~20%も減るのですから、都市部の路線ですら赤字になるかもしれないのです。それでいて「鉄道会社は将来も安泰だろう」と考えるのは能天気すぎます。
ですから、「安定しているから」との動機で入社すると、将来「話が違う」ということになりかねません。
「将来の安定」はないものと覚悟して入社してほしい
少し暗い話になりました。しかし、この記事を読んで「そうなのか、じゃあ鉄道はやめよう」と考える学生は、ハッキリ言って見込みがないですね。
そうではなく、
「安定うんぬんではなく鉄道のプロを目指したい」
「じゃあ自分の力で鉄道のピンチを救ってみせる」
こういう前向きな人がたくさん入ってきてくれたら、鉄道業界の未来も明るいと思います。
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