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「車椅子で乗車拒否された」との訴え 目的のための手段としては失敗だと思う

ネット上で騒がれているので、ご存知の方もいるかもしれません。

車椅子利用者で自称コラムニストの伊是名夏子さんが、ブログで「JR東日本に車椅子での乗車を拒否された」と訴えました。新聞などの取材も入ったそうで、いくつか記事も出回っています。

「車椅子介助をしてほしい」「それは難しい」で押し問答

事の流れをカンタンに説明すると……

先日、車椅子利用者の伊是名氏は、静岡県の来宮駅で降車したかったそうです。しかし、来宮駅は無人駅かつエレベーター等のバリアフリー設備がない駅。

そのため、介助を依頼されたJR東日本の駅員は、「来宮駅だと車椅子のお客様への対応が難しい。他の駅に回ってもらえないか?」。来宮駅で降りたい伊是名氏としては納得がいかないですから、何とかならないか……と押し問答になりました。
(最終的には、JR東日本が駅員を集めて対応したそうです)

伊是名氏が、この一連のやり取りをブログに載せたのですが、「伊是名氏の考え方・行動はおかしい」といった批判が殺到しています。賛否両論などと表現している記事もあるようですが、まあ私の見た感じ、9割以上は「否」ですね。

バリアフリーの議論にならないようでは「手段」として失敗

JR側の対応に問題がなかったかや、伊是名氏の主張の是非については、とりあえず置いときます。

私がこの件に関して残念だと思うのは、「議論が全然違う方向に行ってしまったこと」です。

伊是名氏の最終目的は、「車椅子利用者の不便を取り除くこと」だったはずです。車椅子利用者の不便を人々に理解してもらうことで、バリアフリー加速の流れを世の中に作る。その「目的」を達成するための「手段」として、ブログで事の顛末を発信する。

しかし実際には、「伊是名氏のやり方はどうなん?」という、いわば今回の行動の是非に関する意見が出てくるばかり。バリアフリーうんぬんの議論は、ほとんどされていません。

こうなってしまっては、「目的」を達成するための「手段」としては失敗だったと言わざるを得ないでしょう。

人間には、各々の考え方の違いや、好き嫌いといった感情が存在します。コンピューターのように、命令を入力すれば、その通り実行してくれるわけではありません。ですから、言い分を通すテクニック・周りを納得させる技術が必要なのですね。

有り体に言えば、今回の件での伊是名氏、そのあたりが下手だなぁというのが私の感想です。

JRで車椅子介助の対応を検討中 国交省も指針作りに着手

駅利用者の減少や経費削減などの都合で、無人駅は増える一方。そのため、無人駅での車椅子利用者への対応は、どんどん難しくなっています。

こうした状況の中、JR6社は対応を検討しているところです。具体的には、列車にスロープを積んでおいて、乗降時に乗務員が対応するというもの。また、国土交通省も、乗務員が介助する際の指針を作るとのことです。

(2021年4月6日のニュースより)


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