現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

運転士になるまで(12) 夕方の講義終了から就寝までの自由時間

こんにちは、現役鉄道マンのKYSです。
運転士になるまでシリーズの続きです。

今回は、一日の講義が終わってから寝るまでの数時間、研修生たちがどのように過ごしているかについて書きます。

1.学科講習←今ここ
2.学科試験
3.実車講習
4.実車試験

 

まったり夕食 → 勉強 or 飲み or 運動


学科講習は、17時前に午後の講義が終了します。
就寝時刻は22時で、それまでは外出も許された自由時間なのですが、どのように過ごすのでしょうか?

まずは夕食です。
食堂は17~19時くらいまで開放されており、自分の好きなタイミングで食べに行けばOKです。
食べに行く時間が人によって異なるため、朝食・昼食に比べると、食堂の人口密度は低いです。

また、朝食・昼食では、食後の休憩時間が少なくなることを嫌っての“熾烈な順番争い”がありましたが、夕食ではそういうこともありません。
一日の講義が終わって緊張が解けたこともあり、夜の食堂の空気はまったりしています。

そして夕食後、研修生たちは、だいたい次の四つ三つのどれかで時間を過ごします。

・勉強する
・飲みに行く
・体育館で運動する
・いかがわしいお店に行く

人生がかかっているので真剣に勉強する


寮の自室で勉強する。これが最もスタンダードな過ごし方です。

部屋にはテレビもない、マンガもない。
今のようにスマホが普及した世の中ではなかったので、スマホをいじってばかりの中毒の人もいない。
また、仲間内で雑談しても2~3時間も潰すことはできない。
結局、寮にいるなら勉強しかやることがありません。

私の場合は、“相棒”とその日の復習をすることが多かったです。
寮の部屋は二人で一部屋を使用するのですが、私の部屋の相棒(Aさんとしましょう)はあまり勉強が得意でなかったため、その日の講義でわからなかったところを私が教えました。

学科講習を終える際には「学科試験」がありますが、万が一この試験に不合格だと、運転士への道が閉ざされます。
その場合は元の職場に戻されるのですが、鉄道マンとしてのキャリアは大きく狂ってしまいます。
また、周りの人間も「アイツは不合格になって戻ってきた」という目で見ますから、いたたまれなくなって退職してしまうケースもあります。

大げさに言えば、この勉強には人生がかかっているので、「よくわからんけど、まー適当にやっときゃエエわ」では済みません。
そういうわけで、Aさんはいつも「あー、もうワケわからんっ!」とボヤいていたものの、必死に勉強していました。
教える私も真剣です。

ささやかな楽しみ コンビニ飲み


といっても、ずっと真剣モードでは長丁場の学科講習は乗り切れません。
息抜きも必要です。

ある程度の時間勉強すると、別の部屋からAさんの後輩がやってきます。

「Aさ~ん、しっかり勉強してます~?(笑)」
「おー、ワケわからんわー」
「ちょっとコンビニ行きません?」

私とAさん、そして誘いに来た何人かで連れ立って、“コンビニ飲み”をしに行きます。
コンビニで酒+つまみを買って、店の外で飲むのです。
寮への酒の持ち込みは禁止されていましたから、居酒屋に行くのでなければ、こういうスタイルで飲むしかありません。

コンビニで飲み物とおつまみを購入するのですが、他のみんなはビールだとか500ml缶だとか、おつまみにはサラミやチーかまなどを買っていました。
そんな中、ドケチな私は

一番安い350mlの発泡酒+うまい棒

周りから「お前はいつもケチだな~」と言われていました。
ときどき奮発(?)してうまい棒を3本買うと、「あれ? 今日は贅沢すんの?」とからかわれる始末(笑)

コンビニの外でちびちび飲みながら、雑談にふけってだべる……。
日々勉強に追い立てられる中で、このちょっとした時間が私は好きでした。
(お店側は迷惑だったかもしれませんが)

ちなみに……私が学科講習を受けたのは9~12月だったのですが、10月までならともかく、11月になると夜は冷えます。
ときにはみんなで「寒くね?」「なんで俺たち外で飲んでるんだ(笑)」と言いながら飲んだこともあり、そんなバカをやっていたのも、私の中ではいい思い出です。

居酒屋に行く場合は夕食を済ませてから


時にはコンビニ飲みではなく、クラス全員で居酒屋に繰り出すこともありました。
教習所の近くには手頃な飲み屋もあり、2~3週間に一度は飲みに行ったものです。

ただし、居酒屋に行くときには、一つだけルールがあります。
「寮の夕食は食べてから行くこと」です。

食堂では研修生の数だけごはんを用意していますから、寮のメシを食べずに外食すると、ごはんが余ってしまいます。
食堂のオバチャンが作ってくれた食事が無駄になり、また、食事の費用は全額会社負担という事情もありますから、それはマズいですよね。

というわけで、17~18時に寮の夕食を食べ、お腹が一段落した19時くらいから居酒屋で飲むというのが普通でした。
全員お腹は満たされていますから、おつまみは軽いものばかり。
飲み物も、最初の一杯こそビールですが、二杯目からは早くも焼酎や日本酒に切り替える人が多く、ゆっくりしたペースで飲みます。
翌日も学科講習があって、二日酔いにでもなったら大変なので、ガンガン飲む人はほとんどいませんでした。

いってみれば“二軒目モード”です。
まだ19時なのに二軒目モードを発動されて、お店側はあまり儲からなかったのではないでしょうか。

体育館で運動して“研修太り”を解消


勉強するか飲みに行く。
その他には、体育館で身体を動かすこともあります。

教習所には体育館が併設されています。
体育の講義や、朝の体操時に天気が悪くてグラウンドを使えない場合は、体育館を使用するのです。
そのため、研修生たちは体育館シューズも持参する必要があります。

中身的には、まんま学校の体育館です。
器具室にはバスケットボールやバレーボールがあるので、それで遊んだりしていました。
当時はまだ20代でしたから、バリバリ身体が動きましたが、今だったらそんなに運動できないなあ……(←遠い目)

余談ですが、3ヶ月間の学科講習では、放っておくと体重が増えます。
基本的にはずっと座って勉強しており、それでいて朝・昼・夜の三食はキチンと食べますから、太るのが道理です。
体育館で身体を動かすのは、そうやってついた余計な肉を落とす意味もありました。

就寝前には在室をチェックされる


・勉強する

・飲みに行く
・体育館で運動する
・いかがわしいお店に行く

こんな感じで、各自が思い思いに自由時間を過ごします。

風呂も、就寝時刻までに好きなタイミングで入ればOK。
私の場合は、勉強と勉強の合間に入るようにしていました。
風呂に入ると頭がリフレッシュするので、そこから寝るまでに、もうひと踏ん張りできるのです。

就寝時刻22時の少し前になると、「まもなく就寝時刻です。部屋に戻りましょう」と放送が流れます。
寮の各部屋には、クラスの「寮委員」が回ってきて、在室しているかをチェックされます。
全員が部屋にいることを確認して、寮監さんに報告するのです。
いい加減なチェックをすると、あとで何か問題があったときに「お前は何を確認したんだ」と責任を問われますから、たとえばコッソリ外出しているのを見逃してはもらえません。

就寝時刻といっても、部屋にいさえすればよく、勉強などをするのは自由です。
実際、試験前になると、みんな夜遅くまで起きて勉強していました。
ただ、あまり遅くまで勉強していると翌日に差し支えるので、私は22時で寝るように心掛けていました。

こうして、寮の夜は更けていくのです。