いまや日本で唯一の定期寝台列車となったサンライズ出雲・瀬戸。乗車体験記などをアップする人も多いですよね。
今日は、このサンライズにまつわる雑学をお届けします。近々乗車予定の人もいるでしょう。旅のお供の雑学にどうぞ。
サンライズの車両はブレーキがめっちゃ効く!
サンライズに使用されるのは285系電車という車両ですが、実はこの車両、ブレーキがめっちゃ効くそうです。具体的には、駅停車時にブレーキ1~2ノッチだけで済むのだとか。
え? お前は運転したことあるのかって? ないですよ。だから「~だそうです」「~のだとか」と書いています。
それはともかくとして……鉄道に詳しくない人のために、「ブレーキ1~2ノッチ」という文言は説明が必要ですね。
近年の鉄道車両にはブレーキ段数が1~7まである
「ブレーキ1~2ノッチ」の意味が分かる人は、この項は読み飛ばしてください。
近年の鉄道車両では、電気指令式ブレーキというものが主流です。
このブレーキシステム、多くの車両はブレーキの強さが「7段階 + 非常ブレーキ」になっています。弱い方から、ブレーキ1段目→2→3……7→非常ブレーキ、という具合。
そして、~段目のことを~ノッチと呼びます。ブレーキ段数が3だとしたら、「ブレーキ3ノッチ」です。
列車に乗ったら、運転士がブレーキ操作をしているシーンを見てみてください。運転士の目の前にある計器類のところに、LEDランプみたいなのが点灯していて、現在のブレーキノッチ数が表示されるようになっています。
たとえば↑の図はブレーキ5ノッチですね。
駅停車時のブレーキは3ノッチ以上が普通
この電気指令式ブレーキですが、駅停車時のブレーキでは、3ノッチ以上を使用するのが普通です。
1~2ノッチは弱いブレーキなので、これで駅に停まろうと思ったら、かなり手前からブレーキを掛けなければいけません。そんな“だらだらブレーキ”よりも、駅に近づいてから強いブレーキで一気に減速する方が効率的です。
1~2ノッチの弱ブレーキは、カーブやポイント手前での制限速度調節とか、駅停車時、最後の微調整や衝動緩和とか、そういう場面で使います。
サンライズの停車ブレーキは1~2ノッチで十分
ところが、サンライズの285系はブレーキがよく効くため、1~2ノッチで十分に駅に停まれてしまうのだとか。逆に4ノッチとか使おうもんなら、「非常ブレーキみたいになっちゃう」そうです(笑)
ちなみに、この話を裏付ける“公式資料”もあります。
2002(平成14)年、285系は車両天井から発炎するトラブルを起こしています。その際、鉄道事故調査委員会(現在の運輸安全委員会)が調査していますが、調査報告書の中に次のような記述があります。
運転中のブレーキ操作が全部1ノッチで済むなんて、通常ありえないです。この報告書を、285系のブレーキはよく効くことを知らない鉄道マンが読んだら、首を傾げるでしょうね。「えっ、ブレーキ1ノッチで70㎞/hから48㎞/hまで減速? 駅に停車?」という感じで。
で、肝心の「なぜブレーキがよく効くのか?」という理由ですが……すみません、そこまでは知りません(笑)
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本記事の写真提供 ヤーコンさん
本記事内の写真は、『ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。』を運営するはてなブロガー・ヤーコンさんにいただきました。ありがとうございました(^^)
『ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。』は、鉄道旅やその周辺を紹介するブログで、「子どもが楽しめる視点」を多く取り入れている印象です。また、国連サミットで採択された「SDGs=持続可能な開発目標」と「鉄道」の組み合わせをブログのテーマにしているのも珍しいと思います。