現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

鉄道に関する記事が約300! 趣味で鉄道好きな人や、鉄道業界への就職を目指す人は必見!

サンライズ出雲・瀬戸の285系はブレーキが超強力!

いまや日本で唯一の定期寝台列車となったサンライズ出雲・瀬戸。乗車体験記などをアップする人も多いですよね。

f:id:KYS:20211020011511p:plain

今日は、このサンライズにまつわる雑学をお届けします。近々乗車予定の人もいるでしょう。旅のお供の雑学にどうぞ。

サンライズの車両はブレーキがめっちゃ効く!

サンライズに使用されるのは285系電車という車両ですが、実はこの車両、ブレーキがめっちゃ効くそうです。具体的には、駅停車時にブレーキ1~2ノッチだけで済むのだとか。

え? お前は運転したことあるのかって? ないですよ。だから「~だそうです」「~のだとか」と書いています。

それはともかくとして……鉄道に詳しくない人のために、「ブレーキ1~2ノッチ」という文言は説明が必要ですね。

近年の鉄道車両にはブレーキ段数が1~7まである

「ブレーキ1~2ノッチ」の意味が分かる人は、この項は読み飛ばしてください。

近年の鉄道車両では、「電気指令式ブレーキ」というものが主流です。

このブレーキシステム、多くの車両はブレーキの強さが「7段階 + 非常ブレーキ」になっています。弱い方から、ブレーキ1段目→2→3……7→非常ブレーキ、という具合。

そして、~段目のことを~ノッチと呼びます。ブレーキ段数が3だとしたら、「ブレーキ3ノッチ」です。

列車に乗ったら、運転士がブレーキ操作をしているシーンを見てみてください。運転士の目の前にある計器類のところに、LEDランプみたいなのが点灯していて、現在のブレーキノッチ数が表示されるようになっています。

f:id:KYS:20200621191439p:plain

たとえば↑の図はブレーキ5ノッチですね。

駅停車時のブレーキは3ノッチ以上が普通

この電気指令式ブレーキですが、駅停車時のブレーキでは、3ノッチ以上を使用するのが普通です。

1~2ノッチは弱いブレーキなので、これで駅に停まろうと思ったら、かなり手前からブレーキを掛けなければいけません。そんな“だらだらブレーキ”よりも、駅に近づいてから強いブレーキで一気に減速する方が効率的です。

1~2ノッチの弱ブレーキは、カーブやポイント手前での制限速度調節とか、駅停車時、最後の微調整や衝動緩和とか、そういう場面で使います。

サンライズの停車ブレーキは1~2ノッチで十分

ところが、サンライズの285系はブレーキがよく効くため、1~2ノッチで十分に駅に停まれてしまうのだとか。逆に4ノッチとか使おうもんなら、「非常ブレーキみたいになっちゃう」そうです(笑)

ちなみに、この話を裏付ける“公式資料”もあります。

2002(平成14)年、285系は車両天井から発炎するトラブルを起こしています。その際、鉄道事故調査委員会(現在の運輸安全委員会)が調査していますが、調査報告書の中に次のような記述があります。

……同駅の所定停止位置で停車した。いずれの停車の際にも、ブレーキ時に使用したノッチは1ノッチであった。
……ブレーキハンドルを1ノッチに入れ、速度約70km/hから48km/hまで減速した。
……所定の停止位置に停車するため、車掌のいた位置からブレーキハンドルを1ノッチに入れ、定刻(18時53分)に到着した。

運転中のブレーキ操作が全部1ノッチで済むなんて、通常ありえないです。この報告書を、285系のブレーキはよく効くことを知らない鉄道マンが読んだら、首を傾げるでしょうね。「えっ、ブレーキ1ノッチで70km/hから48km/hまで減速? 駅に停車?」という感じで。

で、肝心の「なぜブレーキがよく効くのか?」という理由ですが……すみません、そこまでは知りません(笑)

関連記事

サンライズの285系をJR東海が所有する理由とは?


石油輸送列車の運転はブレーキが難しい


→ 鉄道の豆知識や雑学 記事一覧のページへ


⇒ トップページへ

本記事の写真提供 ヤーコンさん

本記事内の写真は、『ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。』を運営するはてなブロガー・ヤーコンさんにいただきました。ありがとうございました(^^)

『ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。』は、鉄道旅やその周辺を紹介するブログで、「子どもが楽しめる視点」を多く取り入れている印象です。また、国連サミットで採択された「SDGs=持続可能な開発目標」と「鉄道」の組み合わせをブログのテーマにしているのも珍しいと思います。