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都築駅のパン屋『メイポップ』 地元食材を活かしたパンが美味しい

現代において、駅とは鉄道利用だけを目的とした施設ではなく、さまざまな買い物を行える店も入居しています。いわゆる駅ナカというやつです。昔に比べると、店のレベルも格段に上がっています。高速道路のサービスエリアなんかもそうですね。

ただ、鉄道利用者を抜きにして駅ナカ単独だけで商売が成立するかというと、それは微妙でしょう。やはり、鉄道利用者という前提があってこそだと思います。

表現を変えると、駅が「主」で入居店が「従」です。

ところが、この主従が逆転している(と私は思う)ケースがあります。それが静岡県は天竜浜名湖鉄道の都築駅です。この都築駅には『メイポップ』というパン屋が入居しているのですが……。まずは駅舎の写真をご覧ください。

左側3分の2ほどがパン屋です。これはもはや「駅の中にパン屋がある」のではなく、「パン屋に駅が付属している・パン屋が駅を乗っ取っている」と言った方が適切でしょう(笑)

パンの種類はかなり多い 地元色の強そうなパンを購入

メイポップがある都築駅は、地方ローカル線の駅です。周辺は静かな住宅地という雰囲気。しかし、私が店に入ったときには3人も先客がいました。なかなかの賑わいではないでしょうか。ちなみに、うち1人は明らかに私と同じような外からの観光客でしたね。

この都築駅、鉄道利用で駅を訪れる人よりも、パン屋を利用するために来る人の方が絶対多いでしょう。その観点でも、「駅が主・店が従」が逆転していると思います。

いろいろ美味しそうなパンがあって迷う……。塩パン、クロワッサン、カレーパン、メロンパン、ブルーベリーパン、カツサンドなどなど。わりとオーソドックスな品揃え。せっかくなので、地元色が強いパンはないものか。以下の三つを購入しました。

  • ピザパン
  • 三ヶ日牛ごろごろコロッケパン
  • みかんあんぱん

コロッケパンは、地元ブランド牛・三ヶ日牛を使っているとのことなのでチョイス。そして、みかんあんぱん。静岡県といえばみかんが有名ですが、中でも「三ヶ日みかん」はブランド化されていますね。ピザパンは……特に静岡色はないです。単に私の好みなので。

コロッケパンは肉ごろごろが嬉しい みかんあんぱんは全体が調和

店内にイートインスペースもありましたが、鉄道旅ならば外で食べた方が雰囲気が出るでしょう。さあ、購入したパンを袋から出して並べてパン祭り開始です。先発は三ヶ日牛ごろごろコロッケパン

おお美味い
商品名に偽りなし

コロッケの中には挽肉がたっぷり入っています。そのため、メンチカツの食感も少し混ざっている雰囲気。コロッケとメンチカツの中間……とまでは言いすぎか(^^;)

美味しいだけに、もう少しボリューミーなら更に嬉しかったですが、肉をたくさん使っていて材料費が高そうなので仕方ないですね。個人的には、値上げしてサイズを大きくしてもいい気がします。

中継ぎのピザパン。これは普通だ。そのへんのパン屋で売っているピザパンと変わらないかなと。

抑えに持ってきたみかんあんぱん

めっちゃ美味い

これは大当たり。今回買った中では一番美味かったです。きめ細かいミカン風味の白あんが、スッキリしてとても良い香り。しっとりしたパン生地と合わさると、饅頭のような和菓子テイストも感じました。あんと生地が調和しており、バランスが取れた一品です。あんぱんって、口の中の水分を持っていかれがちですが、このパンにはそれがないのもいい。

いやー、我ながらナイスチョイスだった。ごちそうさまでした。

かつての遺構を目にできる都築駅

さて、あとは都築駅構内を少し見学。

都築駅は、いわゆる棒線駅ですが、駅の手前で線路が曲がっています。元々は行き違い可能な駅だったところ、片側は撤去されたわけですね。

向こう側は草ぼうぼうでしたが、コンクリート的な構造物が。反対ホームの遺構でしょうか(↓写真)。

地方ローカル線を巡ると、かつての遺構を目にできるケースがありますが、この都築駅もその一つです。かつての遺構──たとえば、国鉄時代には地方ローカル線でも貨物を取り扱っており、小さな駅にも、そのための設備や線路が存在していました。現在はもちろん撤去されていますが、その名残を見つけるのがけっこう面白かったりします。

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