駅そば・駅うどんというと、それなりに大きな駅や路線に出店していることが普通です。客数確保の観点から、当然の話ではありますが。
逆に言うと、小さな駅や路線で、駅そば・駅うどんを見つけるのは難しい。
──のですが、静岡県を走るローカル線・岳南電車には、駅そば・駅うどんが存在します。それが岳南原田駅に併設する『めん太郎』です。
静岡県のローカル線・岳南電車で行く『めん太郎』
岳南電車は、富士山のお膝元・吉原駅を始発としています。JR東海道線で吉原駅まで行き、そこで岳南電車に乗り換える形です。
吉原駅から1両編成の電車に揺られて10分ほど。『めん太郎』のある岳南原田駅に到着しました。
駅の待合スペースの隣に、店舗があります。しかし、店舗をはみ出して、待合スペース(店外)にまでテーブルが侵食していました。それだけ繁盛している証拠でしょう。
うどん + ササミ天を注文 トッピングは他にもいろいろ
『めん太郎』は券売機ではなく、口頭で注文し、代金を先払い・手渡しする方式です。壁に貼られたメニュー表を見て、まず、かけうどん or かけそばを選びます。トッピングもいろいろあるので、欲しいものを注文します。
イカ天やエビ天といった基本から、やや変化球的なササミ天やアジ天。静岡らしい桜エビ天。どれも美味しそう。
私が選んだのは、うどん350円 + ササミ天150円。ワンコインで収まる値段が嬉しい。
注文した瞬間、速攻で店員さんがうどん玉を取り出し、袋をべりべり破って茹で鍋に投入。
「店内で食べますか? それとも外で食べますか?」と聞かれたので、外にしました。店名といい、店の佇まいといい、店員は絶対にオバチャンだろ的な雰囲気ですが、店員さん2人は若かったです。
巨大なササミ天が濃い汁とマッチ 「普段着の美味しさ」だと思う
たいして待つことなく、ササミ天うどんが到着。いただきます。
ササミ天がデカい! スーパーで売られているササミは、一本が大人の指を2本揃えたくらいの大きさですが、ここのは指3本分ちかい大きさはありました。
(衣を除いた、純粋にササミ本体の大きさの話)
汁は醤油色バリバリの濃い目。濃厚というか……これは煮詰まってる系の濃さかもしれない。あ、変な味じゃないですよ。ササミ天が淡白なので、むしろこの濃さがよく合っていて美味しい。関西風の汁だったら、ミスマッチになる気がします。
それにしてもササミ天、大きさといい、食感といい、こいつ本当にササミかよっ?
麺は特筆すべきことは無し。スーパーで1玉30円くらいで売っている生麺みたいな感じ。
麺、汁、トッピング。何かが高レベルなわけではなく、すべて標準と言えば標準。しかし……なぜか美味い。「普通に美味しい」って表現、あるじゃないですか? アレです。
「普通に美味しい」という表現を、もう少し深掘りすると……
某マンガからの受け売りですが、食べ物の美味しさには、「よそいきの美味しさ」と「普段着の美味しさ」の二種類があります。
このうち、「普段着の美味しさ」とは、普段から慣れ親しんでいる味をウマいと感じること。これを「普通に美味しい」と言うのではないでしょうか。
もっとも、あまりに普段着すぎると、何の印象も残らず、お客さんは来てくれません。しかし『めん太郎』の場合は、駅という立地で食べるのが一種のスパイスとなって、刺激を提供できている。これが強みでしょう。
プハーごちそうさまでした。
駅前の駐車場には、クルマが出たり入ったりで、店は繁盛している様子でした。ただし、客層を見ると、近隣で働く会社員がランチで使っている店ではない気がしました。
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