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名古屋駅ホーム『人類みな麺類』 線路の上で「らーめん原点」を食す

これぞまさに「鉄道グルメ」ではないでしょうか。

2023年現在、JR名古屋駅では、在来線1番ホームの使用が停止されています。単に使用停止になっているのではなく「線路が潰されて」おり、1番線の線路上までホームが張り出しています。

つまり、元は線路上だった空間に足を踏み入れることができるわけ。では、その空間は何に使われているかというと、飲食スペースです。

現在、このホームにはラーメン屋『人類みな麺類』が出店中です。

「Human beings everybody noodles」。全世界は再び麺の下にひれ伏すことになるだろう

1番線の線路だった空間には、椅子と机が置かれ、ラーメンを食べるためのスペースになっています。線路の上でラーメンを味わう。これはおもしろい。鉄道グルメの名に相応しい。

将軍に伝えろ!(将軍?)
予定通りナゴヤに出発すると

『人類みな麺類』のメニューを解説! 3×3の組み合わせからチョイス

まずネタバレしておくと、『人類みな麺類』での飲食手順は以下の通りです。

  1. 店外の券売機で食券を買う
  2. 店内に入って食券を渡し、ラーメンを調理してもらい受け取る
  3. 受け取ったラーメンは、飲食スペースまで持っていき食べる
  4. 店内の返却口に食器を返す

給食の配膳をイメージすると、わかりやすいかもしれません。

さて名古屋駅の在来線ホーム。『人類みな麺類』に到着したところ……

なんだこれは……!
行列が、こんなところまで
一段落したら全て焼き払ってやる

行列すごない? まず、店外に設置されている券売機の前にすでに行列が。そして、食券を買ってからが行列の本番。ラーメンは1分やそこらで素早く提供されるものではないため、食券を持って並んで待つ行列の長いこと。

私は(基本的に)飲食店の行列には並ばない主義なんですが、

このまま進め(はっ?)
聞こえないのか?
このまま進むんだ

はい、進みます。まずは券売機で食券購入。ラーメンは以下の3種類で、値段はどれも同じ。

  • らーめん原点(基本の醤油系)
  • らーめんmacro(貝出汁系)
  • らーめんmicro(ダイナミック醤油?系)

そして、ラーメンに載せるチャーシューの厚さを選びます。このチャーシューの厚さによって、ラーメンの値段が変わります。

  • 薄切り(850円)
  • 厚切り(1,200円)
  • 世界一極厚(1,500円)

3×3の組み合わせからチョイスするのですね。私は「らーめん原点 × チャーシュー薄切り」を選んだので850円。それに煮玉子トッピング(+100円)をつけて、合計950円です。

お盆や割り箸を自分で取って進む お手拭きも忘れずに

では、店内に入るための行列に並びます。店舗入口付近には、お盆・割り箸・お手拭きが用意してありました。

「お手拭きは、食後に机を拭く用も持っていってください」との注意書きが。いちいち店員さんが机を拭きに来るわけではないので、客が自分で拭いてくれと。

お冷や(給水器)とレンゲは、店内に入ったすぐのところにあります。これらも自分で取って進みます。つまり、店員さんから手渡されるのは、ラーメンの入った丼だけということです。まさしく、給食の配膳ですね。

行列に並んで15分後。

いや、いちいち時計を見ていたわけじゃないですよ。名古屋圏では、JR東海が昼間は15分ごとに快速列車を運行しています。目の前の2番線から快速列車がまた発車していったので、15分は経ったんだなぁと。昔の人が時計代わりに鉄道を使っていたってのは、こういうことか(←違う)。

優しい味わいのラーメン 「原点」の名前がピッタリ

ようやく私の番です。店員さんが麺を麺茹で器に投入します。麺を引き上げたあと、麺を傷めないようソフトな動作で、それでいてしっかり湯切りしていました。

チャーシューは切り置きではなく、塊状のものをラーメンができるたびにカットしています。ちょっと待て、いま切ってるのがひょっとして「薄切り」? それ分厚くね? 薄切りでこれだったら「世界一極厚」はどうなるんだ。まさか、塊のままブチ込むんじゃないだろうな(笑)

ラーメンを受け取り、元は線路上だったスペースへ向かいます。席は混んでいませんね。席数は多いですし、ラーメンが作られている間に、前の人が食べ終わるので、オーバーフローすることはないでしょう。

らーめん原点・チャーシュー薄切り・煮玉子トッピング

煮玉子は割られずに入っていましたが、ビジュアル的に映えないので、割りました。それではいただきます。

素晴らしい!
最高の麺だとは思わんかね!?

スープをすすると、鰹の良い香りがします。香味油が浮かべてあり、それに鰹を使用しているとのこと。ただ、そこまで強烈に鰹風味が飛び出してくるわけではなく、あくまで全体の中の一要素としての位置付けです。

麺はやや太めで柔らかく、モチッとしています。うどんのテイストが混ざっているような麺です。細麺ではないので、茹でるのにけっこう時間かかるよ。そりゃ待ち時間が長いわ。

スープとも調和してると思います。そのスープ、何かはわかりませんが独特の甘さがあり、そば・うどんの汁を思わせる部分も。

キレがあるとか強烈なインパクトとか、そういうのとは無縁のラーメンかなと。優しさと素朴さが感じられ、なるほど「原点」の名がピッタリの味わい。かといって、たぶん「いわゆる普通の中華そば」とは違うと思うんですよ。そのあたりが、この店の個性なんでしょう。

さてチャーシュー。崩れるほど柔らかくトロトロに煮てあるバラチャーシューです。

これはこれは
イマイチではないか

うーん、正直ミスマッチ。前述のように、柔らかめの麺・甘さを感じさせるスープ。そこにトロトロのチャーシューだと、埋没してボケている印象が否めません。トロトロではない、輪郭がしっかりしたチャーシューか、あるいは炙るなどした方が、この麺・スープに合うんじゃなかろうか。

不味いわけではないですよ。すごく美味しい。しかし、これはラーメンの具としてではなく、おつまみ等の単品や、ごはんと一緒に食べたいチャーシューだと思いました。適材適所ではない気がします。

メンマは美味い。少し変わった良い香りと、サクッとした歯ごたえが、ラーメンにアクセントを与えてくれてグッジョブ。メンマがいい仕事をしているラーメンって、なかなか見つけるのが難しいと思います。

煮玉子は……正直あってもなくても一緒だ(^^;)

そしてネギ、これは苦言を呈したい。量が多すぎる。味や香りが、せっかくのスープを破壊してるぞ。こんなに入れる必要はないと思う。↓の台詞を思い出しました。

『ラーメン発見伝』第46話より抜粋

ごちそうさまでした。具はちょっといただけない部分が……と思いましたが、名古屋駅ホームに出店してくるだけあって、じゅうぶん美味しいです。ただ、これで950円はコスパ的にどうかなぁ。もし再訪があったら、そのときは別のラーメンを選ぶと思います。

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