飲食店の経営者からすると、付近にオフィスがあれば、一定の固定客が見込めてだいぶ助かるのではないでしょうか。
2022(令和4)年1月、JR西日本から「中国地方の支社を再編・集約する」との発表がありました。広島・岡山・米子の三支社の機能を統合した中国統括本部(in広島)を設立するそうです。
その実行は2022年10月。まもなく岡山支社では、総務や広報、人事といった職種が廃され、約190人いた社員が一気に約20人まで減るとのこと(→ニュース記事・外部リンク)。
岡山支社の建物からゴソッと人が減る。これで地味にダメージを喰らうのが、近隣の飲食店ではないでしょうか。岡山支社のすぐ横、お膝元といってよい位置にあるラーメン店『あまいからい』も、ひょっとすると影響を受けるかもしれません。
岡山に来たら必ず立ち寄るラーメン店『あまいからい』
実は私、岡山に友人がいるため、たまに遊びに行っています。また、プロ将棋棋士の菅井竜也八段が岡山県出身であることにちなみ、毎年お盆の時期に菅井杯という将棋大会が開かれますが、それに参加するために岡山へ行くこともあります。
岡山は私にとって、いわば第4~5くらいの故郷なのです。
『あまいからい』は、その岡山の友人に教えてもらった店で、創業から数十年の老舗ラーメン店。昔から岡山に行ったときは、必ず立ち寄っています。岡山駅から徒歩2~3分なので、サクッと行けるのが嬉しい。
スープに潜む甘み・味変のピリ辛ダレ 味わいはノスタルジー
ところで、この記事は「鉄道グルメ」カテゴリーに分類されていますが、なぜ市中のラーメン屋が鉄道グルメなのか?
鉄道会社のすぐそばにある店だから、鉄道グルメでいいだろう
という強引な解釈で話を進めます。
あまいからい、最先端のラーメンが味わえる店か? と問われると、答えは「否」でしょう。私が初めて食べたのは、もう20年は前だと思いますが、おそらく味は変わっていないかと……。
あれこれ創作的なことに挑戦するのではなく、昔からの味を堅持し続けることで客を集めているスタイルだと思います。
ラーメン(メニュー名は中華そば)はオーソドックスなタイプです。見た目や量、味で何か奇をてらっているわけではない。具もネギ・チャーシュー・モヤシ・メンマと標準モード。
では何がこの店の特徴かというと、まずはスープの中に微妙に感じる甘さ。これ、何の甘さだ? 芹沢達也だったら即座に見破るのでしょうが、あいにく素人バカ舌の私ではわからない。この甘さがスープに複雑さをもたらしてるんだよね~くらいしか言えません(^^;)
もう一つの特徴が、卓上に置いてあるピリ辛ダレ。適当に食べ進めたところで入れると、これが良い刺激となって味覚がリフレッシュされ、最後まで飽きずに食べることができます。これがまた辛いだけの単調なタレにあらず。味変にはピッタリです。
総括すると、「インパクト抜群のガツンとくる美味さ」ではなく、「しみじみとした美味さ」のラーメンといえるでしょう。
先述したように、おそらく昔から味は変わっていません。行くたびにノスタルジーを感じちゃいます。メニュー名がラーメンではなく「中華そば」、チャーハンではなく「やきめし」なのもノスタルジーポイント。
ラーメン店では珍しい? メニューに「おでん」が
また、この店の面白い点としては、メニューに「おでん」があること。餃子や唐揚げはラーメン屋の標準装備ですが、おでんは珍しい。味は可もなく不可もなくですが、プラス一品として肉類や油モノはなぁ……と感じたときに重宝するでしょう。
お酒も提供しており、「飲みの2軒目」として活用できます。で、おつまみが餃子やチャーシューでは重い場合には、癒される味・おでんをチョイスすればOK。そのまま〆で中華そばを食べれば完結!
このように、美味しくて使い勝手も良い店だと思います。それだけに、岡山支社縮小の影響を受けなければいいのですが……。
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