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クレペリンとは? 鉄道マン志望なら避けられない検査

今回の記事では、鉄道会社の現業職採用では必ず行われるクレペリンという適性検査について、概要と注意点を説明します。以下のような内容です。

  • クレペリン検査って、どんな作業をやるの?
  • クレペリンでは、何をチェックされる?
  • いわゆる「調整」はした方がいいの?

クレペリンとは法令で定められた適性検査

列車の乗務員は、いくつかの適性検査をクリアすることが法令で定められています。その適性検査の一つがクレペリンです。

駅員→車掌→運転士のコースで入社する人間は、採用試験時に必ずクレペリンを受けます。

もしクレペリンに合格できない人間を採用してしまうと、将来乗務員に登用できず、ムダな採用になってしまいます。そうならないよう、採用段階で適性検査をしておくわけですね。逆に言うと、駅で見かける駅員、列車の車掌や運転士は、全員がクレペリンに合格した人間です。

クレペリンって何するの? → ひたすら足し算

では、クレペリンでは具体的にどんな作業をするのか?

ひたすら足し算です。
↓の図をご覧ください。

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クレペリンの試験用紙はこんな感じ

このように、一桁の数字が横に並べられていて、それが何行もあります。

作業は、一番上の行の左端からスタート。隣り合った数字同士を足し算し、「一の位の数字」だけを書きます。たとえば4と8が隣同士だったら、足した結果の12のうち、「2」だけを用紙に記入します。
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この要領で、左端から順に隣同士の数字をひたすら足し算します。↓の図みたいになるわけですね。

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定められた時間が経過したら、試験官が「次」と言います。その合図で下の行に移動し、また左端から足し算します。この作業を、15分継続 → 5分休憩 → 15分継続するのがクレペリンです。 

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最後はこんな感じになる

クレペリンでは「作業量の変化」がチェックされる

このクレペリンでは、いったい何を計測しているかというと、作業量の変化を見ています。

足し算の作業量一行目・・・70
二行目・・・65
三行目・・・60

最終行・・・68

普通の人間なら、行によって、足し算できた数 = 作業量が変化します。この変化から、被験者の性格や作業傾向などを把握しようというのが、クレペリン検査の目的です。

作業の「量」と「正確性」もチェック対象

なお、作業量の変化以外に、作業量そのもの作業の正確性も見られます。

たとえば、1分間で20個しか足し算ができなかったら……常識的に考えてヤバイですよね。なにせ単純な一桁の足し算ですから。「能力に問題あり」とみなされてしまいます。

また、計算間違いがあまりにも多いと、やはり「能力に問題あり」です。
(多少なら間違いがあっても大丈夫なので、神経質になる必要はありませんが)

普通の学生ならば、「作業量そのもの」や「作業の正確性」で引っ掛かることはないと思います。クレペリンに関する論文を読んだことがありますが、この二つが理由で不合格になる人はほぼいないそうです。

「調整」はかえって墓穴を掘る 素直に受けよう

さて、このクレペリン。「作業量の変化」には、実は「理想的な形」が存在します。理想的な形が作れれば検査に合格できるわけです。

というわけで、理想形を作るための調整法がネット上で公開されていたりします。たとえば、こんな感じ。

  • 序盤の行は、作業量多めで
  • 中盤の行は、作業量を少し減らす
  • 終盤の行は、また作業量を増やす

しかし、この調整、経験者として言わせてもらうと現実的にはなかなか難しいです。私は推奨しませんね。少なくとも、初心者の学生にできる芸当ではありません。

実際にやってみるとわかりますが、クレペリンはハードな作業です。

検査中は、余計なことを考える暇はいっさいありません。目に入るのは数字ばかりなので、そのうちゲシュタルト崩壊みたいな感覚になり、数字を数字として認識できなくなってきます(マジで)。計算の書き込みでずーっと手を動かしているため、手も痛くなります。「あれ? 俺はいま何をやってるんだ……?」みたいに思考が止まるんですね(笑)

そんな極限状態(?)で、「この行は作業量を多めに」「この行は少なめに」なんて調整しようとしても、墓穴を掘るのがオチです。調整しようなどと余計なことは考えず、目の前の計算に集中してください。

入社してもクレペリン地獄(?)は続く

ちなみにこのクレペリン、入社後も継続的に受けることになります。乗務員登用試験の際や、乗務員になった後も3年に一度は受けます。

ようするに、「一回合格すれば一生有効」ではなく更新が必要です。採用試験だけなら調整でごまかせるかもしれませんが、入社後も継続して調整するのは大変です。

そもそも、クレペリンは「適性検査」ですから、小細工は感心しません。乗務員は、乗客の命を預かる大切な仕事ですから、適性のない者にやらせるべきではありません。学校のテストで、テクニックを駆使して点数を上げるのとはわけが違います。

そういう意味でも、調整などの余計な真似はせず、素直に受けてください。

「慣れ」は必要 車のナンバープレートで練習しよう

ただ、「調整」はしない方がいいと思いますが、練習して「慣れて」おくことは必要だと思います。

オススメは、車のナンバープレートを眺める方法。

街中で車を見かけたときに、その車のナンバープレート4桁の数字でクレペリンの練習をするというもの。たとえば、ナンバープレートが『1234』だったら、答えは『357』ですね。

自分で紙に数字を書いて練習してもいいですが、けっこうメンドクサイです。その点、ナンバープレートを使った方法なら、いつでも気軽に練習できるのがいいところです。

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