今回は鉄道グルメの話です。紹介するのは、名古屋駅地下街で食べられる「鮪の唐揚げ」。みなさんにもぜひ食べていただきたい、私のイチ押しです!
この唐揚げは美味い! 名古屋で果たした運命の出会い
ずいぶん昔、まだ私が独身だった頃の話。
私の趣味は将棋なのですが、よく地元の将棋大会に参加していました。しかし、地元の将棋大会だけではマンネリがきます。そこで、年に1~2回は旅行を兼ねて、よその地方で開かれる大会に遠征していました。
あるとき、愛知県名古屋市で開かれる東海大会に参加することにした私。前日に名古屋入りしてちょろっと観光し、夕食を求めて名古屋駅の地下街をウロウロ。そこで出会った感激の美味しいグルメがこちら!
名古屋駅地下街にある『鮪小屋本店』というお店の鮪の唐揚げです(写真は定食)。この唐揚げが超絶美味かった!
この鮪の唐揚げ、鶏の唐揚げとは食感がだいぶ違います。一言でいえば、「柔らか系の唐揚げ」です。魚って、火を通す(特に揚げる)と固くなるのが一般的ですが、この唐揚げはまったく固くなっていません。
部位はホホ肉を使っているそうです。旨味の濃いホホ肉が、口の中でやさしくほぐれていく感じがなんともたまらない。味付けは醤油系ですが、それがホホ肉と非常によく合っています。
外の衣は、少しフニャッとした感じ。サクサクカリカリ食感が好きな人からすれば、ちょっと物足りないかもしれません。
しかし、繊細な味のホホ肉をいかすためには、むしろそれがいい。あまりサクサクすぎると、ホホ肉の旨さを味わうための邪魔になります。
そして当然ながら、ビールともよく合う! 「唐揚げ + ビール」という図式における唐揚げとは、鶏の唐揚げに限定されたものではない! 鮪の唐揚げも加えとけやあぁぁぁ!
鮪の唐揚げの美味しさが忘れられず、以降、名古屋駅を通ったときには、ほとんどこれを食べています。名古屋といえば、いわゆる「名古屋めし」が有名ですが、私の中では「名古屋といったら鮪小屋本店の鮪の唐揚げ!」です。
なお、鮪唐揚げ定食を頼むと、味噌汁や小鉢が付いてきますが、個人的には小鉢の「鮪のぶつ切り」が超美味いと思います。唐揚げの陰に隠れてはいますが、これも猛プッシュしたいです。
JR東海のみなさん御用達の唐揚げ
さて、ここまで読んで、こう思った人はいないでしょうか?
「駅の地下街の店って、鉄道グルメじゃなくね? 駅弁とか駅ホームの立ち食いそばとか、鉄道グルメってそういうのを指すんじゃ」
ごもっともな指摘ですが、とりあえず続きを読んでください。
鮪の唐揚げを知って数年後、私は業界団体が主催する研修に参加しました。全国の鉄道会社から人が集まって、3日間ほど集合研修を受けるのですが、なぜか私が「行ってこい」と会社から指名されたのです……。
どこの業界でもそうだと思いますが、業界団体が主催する研修って、初日の夜あたりに懇親会という名の飲み会が開かれたりしますよね。その懇親会のときに、JR東海の方とお話をする機会がありました。
JR東海といえば本社は名古屋市。「名古屋 = 鮪の唐揚げ」という図式が頭の中にあった私は、その方に尋ねてみました。
私「名古屋駅の地下街に、鮪の唐揚げを出すお店ってありますよね?」
相手「知ってるんですか! あれ美味いですよね。けっこうみんな食べに行ってますよ」
マジで?
名古屋駅(と駅周辺)はJR東海の業務上の一大拠点であり、たくさんの社員が働いています。昼食は外食に行く社員も多いらしいのですが、鮪小屋本店の鮪の唐揚げは、JR東海社員の間でも評判だそうです。言ってみれば、JR東海社員の御用達みたいなもの。
そりゃー、あの味がお膝元にあったら見逃さないよなあ……。
というわけで、この鮪の唐揚げ、鉄道会社御用達という意味で「鉄道グルメ」に分類してみました(←強引)。これくらいならセーフでいいですよね?
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