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声の小さい人が鉄道の仕事に向かない理由とは?

世の中には、必ず向き・不向きというものがあります。鉄道会社で働くのに向かない人も、当然いるわけです。

では、鉄道マンに向いていないのはどのような人か? 就職活動中の学生さんにとっては、かなり重要な情報だと思います。私の考えるところ、次のような人は、鉄道マンに不向きです。

  1. 遅刻グセのある人
  2. 声の小さい人
  3. よく体調を崩す人

今回の記事では、声の小さい人がなぜ鉄道マンに向いていないのかを説明します。

声が小さいのはなぜまずいか? 具体例

なぜ、声の小さい人は鉄道マンに向いていないのか?

私は別に、「声の小さい人は気合いが足りない」みたいな精神論で言っているのではありません。なぜ声が小さいのがマズいのか、以下にいくつか具体例を書いていきます。

駅員の場合

駅員の業務の一つに、お客さんへの案内があります。案内とは相手に情報を伝えることですから、こちらの音声がきちんと相手に届くことは最低条件です。

これからはますます高齢化が進むので、耳の遠い方も増えてくるでしょう。声が小さいと、耳が遠い方の聞き間違いや聞き漏らしの可能性が高まります。

また、最近は駅の無人化が進んでいます。複数の「無人駅」を束ねる「拠点駅」に駅員を置き、無人駅からの問い合わせは、インターホンを通して拠点駅の駅員が答える。つまり、お客さんとインターホン越しで会話するケースも増えています。

インターホンを通しての会話は、対面での会話よりも声が伝わりにくいですから、やはりしっかりと声を出すことが求められます。

乗務員の場合

たとえば、放送の声が小さくて、何を言っているのか聞こえない車掌。誰でも一度は遭遇したことがあると思います。

平常時の案内放送なら、声が小さくても問題はないかもしれません。しかし、列車は異常事態に遭遇することもあります。

東日本大震災では、津波を避けるために、乗務員が乗客を高台まで避難誘導しました。2018(平成30)年の大阪北部地震では、多数の列車が駅間に停車してしまい、乗客を線路に下ろして最寄り駅まで誘導しました。

そういう避難誘導の際、乗客に指示を伝える声が小さかったら、必要事項の伝達ができない。つまり、乗客の安全を守ることができません。

災害時に乗客をどう避難誘導するかは、多くの鉄道会社で課題になっています。特に津波の場合は一分一秒を争いますから、そういうときに「声が小さくて何を言ってるのか聞こえない」は致命的です。

指令員の場合

指令員とは、「列車の運行管理」をする仕事です。飛行機でいうところの管制官だと思ってください。もしくは、ガ○ダムやヱヴァン○リヲンに登場するようなオペレーターを思い浮かべてもらってもけっこうです。

人身事故や自然災害のトラブル時には、乱れたダイヤを元に戻すのが仕事です。その過程で、乗務員や駅などの関係各所に、いろいろと指示・要請を出したりします。

しかし、異常時の指令室って、ものすごくガヤガヤしているんですよ。声を張り上げないと、何を言っているのか聞こえません。

そういう場面で声が小さいと、聞き間違え・聞き漏らしを誘発する可能性もあります。それがミスにつながり、列車の余計な遅延を招いたり、安全を脅かしたりする事態になるかもしれません。

もし、ガ○ダムやヱヴァン○リヲンのオペレーターの声が小さくて聞こえなかったら、作戦指揮官や現場のパイロットは困りますよね。それと同じです。

指令員が絡むミスは、だいたいが聞き間違え・言い間違えの類です。声をしっかり出せば、相手が聞き間違いをする可能性も減らせますし、間違ったことを言ってしまったとしても、「間違ってるぞ」と相手が指摘してくれるかもしれません。

言葉を正確に相手に伝えることが必要な職種ですから、声をしっかり出すことは基本中の基本といえます。

声が小さいと安全の観点からも危ない

いろいろ例を挙げましたが、一言でまとめれば、声が小さいと相手に意図が伝わらないのです。

相手とのやり取りがメールで済むだとか、自分の中だけで仕事が完結するとか、そういう職種なら別にいいでしょう。

しかし、鉄道の仕事は、関係各所の連携プレーが欠かせません。特に、異常時などは「電話や口頭での指示」といったドロ臭い手段がまだまだ幅を利かせています。そうした鉄道の仕事で、相手に意図が伝わらないのは、安全という観点からも致命的です。

より正確に言えば、声の小さい人は鉄道の仕事に「向いていない」ではなく、「危ない」のです。

誤解のないように言っておきますが、声が小さいのは、性格が内気だとかコミュニケーションが苦手とか、そういったものとは別です。私も人付き合いが苦手な性格ですが、声はきっちり出せる人間です。

見習運転士をしていたとき、信号喚呼の声を張り上げていたら、列車から降りたお客さんから「兄ちゃん元気だねー」と言われたこともあります。「声が大きすぎて五月蠅いよ、もう少し小さい声でやってくれ」という意味だったのかも(笑)

鉄道マンとして活躍するための基本要素とは?

いかがでしょうか?
私見ではありますが、鉄道マンに向かない人について説明してきました。

  1. 遅刻グセのある人
  2. 声の小さい人
  3. よく体調を崩す人

逆に言えば、

  1. 時間を厳守する人
  2. 大きな声を出せる人
  3. 身体が丈夫で寝込むことはほとんどない人

この要素を満たしていれば、鉄道マンとして活躍するための基礎は備わっているといえます。いや、この要素を満たしてほしいのは、鉄道業界に限った話ではないでしょうけど……。

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