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『魔女の宅急便』で学ぶ貨物列車の雑学 「家畜輸送」

コリコ警察は○日、貨物列車の貨車内に侵入した魔女の少女(13)を保護した。
列車の終着駅で、貨車内に少女がいるのを職員が発見し、警察に引き渡した。
少女は、「空を飛んでいたら雨が降って来たので雨宿りをしていた。いつの間にか眠ってしまった」と話し、反省の態度を見せているという。


ジブリ映画『魔女の宅急便』の冒頭で、キキとジジが雨に降られて貨物列車の中に逃げ込むシーンは、みなさんご存知でしょう。
一歩間違えれば、↑のようなニュースになっていてもおかしくなかった(笑)

今回の記事では、この名作映画から学べる鉄道雑学を紹介します。

 

なぜ生きたままの家畜を列車で運ぶのか?


キキとジジが雨宿りのために潜り込んだのは、「家畜運搬車」とでも呼べる貨物列車でした。
生きたままの牛が運ばれていましたよね。

このシーン、「なぜ、生きたままの家畜を運んでいるのか?」と疑問に思ったことはないですか?

現実世界でも、昔は実際に列車で家畜運搬が行われていました。
しかし、少なくとも現代日本においては、すでに家畜運搬の貨物列車は消滅しています。

一説によると、『魔女の宅急便』は1960年代の世界をモデルにしたらしいですが、どうして昔は、生きたままの家畜を運んでいたのでしょうか?

冷蔵・冷凍技術や物流体系が未発達だったから


答えを一言でいえば、「冷蔵・冷凍技術や物流体系が未発達の時代だったから」。

現代では冷蔵・冷凍技術が発達し、物流体系も整っていますから、家畜を屠殺して肉にする「生産地」と、肉を食べる「消費地」が離れていても問題ありません。

しかし、冷蔵・冷凍技術や物流体系が未発達だった時代では、生産地と消費地が離れていると、肉が傷んでしまいます。
そのため、家畜を生きたまま消費地に運び、そこで屠殺して肉にしていた、というわけ。

いわゆるコールドチェーンと呼ばれる「低温物流体系」が発展していったのは1960~70年代。
それに伴って、家畜運搬の列車は衰退していきます。
物語のモデルが1960年代なら、まだ家畜運搬の列車が走っていても不思議ではありません。

雑学① 日本で冷凍食品が注目されたきっかけは東京オリンピック


コールドチェーンの話が出たので、鉄道とは無関係ですが、本で読んだ雑学を一つ。

1964(昭和39)年の東京オリンピックでは、選手の食事のために大量の食材を確保する必要がありました。
しかし、ある時期に一気に食材を調達すると、市場が混乱します。
そのため、事前に少しずつ食材を買い込んで冷凍し、備蓄しておいたのだとか。
これを機に、冷凍食品が注目されていったそうです。

雑学② ホルスタインは乳牛だけでなく肉牛にもなる


もう一つ雑学。

キキの足をペロペロしていた牛は、白と黒の模様でしたから、おそらくホルスタイン種だと思われます。
ホルスタインというと、日本では乳牛のイメージが強いですが、ネットで調べたら、外国では肉牛としても用いられるようです。へぇー。

余談 キキは13歳で相当しっかりしている


あとは余談。

ある程度の社会人経験を重ねてから『魔女の宅急便』を見直してみると、13歳のキキがしっかりしていることに驚かされます。
挨拶や礼儀はもちろん、電話での受け答えや敬語の使い方──「お伺いします」「ご住所承ります」「参りました、奥様」など──もバッチリ。

電話は苦手だから、取らなくていいですか?
敬語わかんないんで、タメ口でいいッスか?

そんなことをホザく若者は、キキを見習え!

キキは劇中で「私、空を飛ぶしか能がないでしょ?」と言っていましたが、とんでもない。
キキみたいに基礎がしっかりしており、真面目で一生懸命、かつ行動力もあるとなれば、だいたいの仕事で通用するでしょう。
「おカネだけもらえないよ」と言えるプロ意識もいい。
私が人事だったら、こーいう子を採用したいですね。
かわいいし、フヒヒ

ニシンとカボチャの包み焼きの奥様が、キキの手際を見て「お母様の仕込みがいいのね」と感心していましたが、私も同感です。
キッキはマッマに厳しく躾けられたのでしょう。
ウチの娘も、ああいうふうに育てないとなあ。


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