今回は息抜きネタです。
2021年のことですが、私は、はてなブログ10周年特別企画というものに挑戦しました。はてなブログの10周年を祝うために、運営側から出される「お題」に沿って記事を書く……という企画でした。
運営側から提示されたお題の一つに「あなたの好きな◯◯10選」があり、私はそれを使って「好きなマンガ10選」という記事を書きました。マンガという、多くの人に馴染みのあるテーマで書いたからか、それなりに評判が良かったですね。
今回は、その続編です。私の好きなマンガを、もう少しだけ追加で晒します。
私がマンガを読むのは意外らしい……
どうも私は、職場では同僚から「真面目で堅い」と思われているようです。まあ実際その通りですが。ですので、私がマンガを読むと知った同僚は驚くことが多いです。
読むよ、普通に。
てゆーか、バファ○ンの半分は優しさでできているっていうけど、俺の人格形成も半分はマンガの影響を受けていると思うよ。それくらいは読んでるよ。
すいません、半分は言い過ぎました。さあ、挙げていきましょう。有名作品もあるので、みなさんも一つは必ず知っていると思います。
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
実写映画化までされ、もはやマンガというメディアの枠を超えた名作『るろうに剣心』。左之助の二重の極みとか、斎藤の牙突とか、誰でも一度はやったことあるよね(笑)
現在は『北海道編』が連載中ですが、ちゃんと読んでいます。
私のお気に入りは、作者いわく「打ち切り覚悟。ヤケクソで描いた」という序盤の刃衛編。鵜堂刃衛のイカれた名言の数々は印象的です。
「んーむ、この感触…いいね」
「死ーね」ギャアアアアア
「うふわははははははは!!」
「河原わらワラ」
作者が打ち切り覚悟して描いただけあって、剣心の覚悟や薫との関係がある程度しっかりした形でまとまっているのが、刃衛編のいいところですね。
で、なんとか序盤での打ち切りを免れ、魅力的なキャラクターが次々と登場しました。せっかくなので、私の好きな登場人物ベスト4を挙げてみます。
第4位 阿武隈四入道
志々雄様の部下だが、志々雄様には年に一回謁見できるかどうかの微妙な地位。蒼紫の力量を測るための捨てゴマとして利用され、必殺技・瞬速四身一体を繰り出す間もなく、蒼紫の小太刀の錆となったシーンは哀愁が漂います。
第3位 スリだった弥彦が属していたヤクザの組長
弥彦に説教しながら漬物を「あぁん」と食べるシーンが印象的。弥彦の引き渡しを要求する剣心のことを「本物の人斬り」と見抜き、「ガキ一匹で済むなら安いもの」と冷静に判断するなど、実はかなり有能な男だと思います。伊達に組長やってねえな。
第2位 重婆のところの「ルの一番」
もはや人物ではないが、御庭番衆が使う伝書鳩の一羽「ルの一番」。青空一家の危機を迅速に剣心に伝えた大功労者。ルの一番のスピードがなければ、逆刃刀・真打も志々雄一派に奪われていたでしょう。剣心の額に嘴をサクッと突き立て、大量出血させた猛者でもあります。去り際、翁の頭にプリッとフンを落としていったのも高評価。
第1位 ちゃうちゃうガールズ
あーっ ちゃうちゃう
えー ちゃうちゃうちゃうんちゃう?
うん ちゃうちゃうちゃうね
えー
砂の栄冠
高校野球マンガといえば、主人公チームを率いるのは名監督というのが一つの定石。それがこの『砂の栄冠』では真逆。クソ監督・曽我部公俊ことガーソが無能なため、エースで4番の七嶋裕之がチームを引っ張り、甲子園を目指します。
どうチームを引っ張っていくか? つまりは「組織のマネジメント」がテーマの一つになっており、ビジネス面でも参考になる良マンガです。
また、単なる野球マンガではなく、甲子園を目指すための「1,000万円」という資金が出てくるのが特徴です。手に入れた1,000万円をどう使ってチームを強化していくか? そのあたりも物語の主軸。
……という堅苦しい評価はここまで。このマンガの見どころは、なんと言っても
ガーソ(笑)
無能監督・ガーソのクソっぷりが目立ちます。ただし、読んでいて気分が悪くなるものではなく、「ああ~ウチの上司もこんなだわ 笑」みたいな感じで笑えるのがいい。監督のガーソに表面上は従うものの、心の中では罵倒しまくる七嶋。
「ガーソ…あいつは使えない」
「最低最悪のやつ」
「もういいです…さっさと死んでください」
仮にも監督に対して、こんなセリフを言う主人公が出てくる野球マンガは他にないでしょう。大阪杏蔭戦で、状況にそぐわない送りバントを命じられ、「もう…死ね!」と心の中でブチ切れる七嶋が最高。つーか七嶋、ガーソに対して何回死ねって言った?
CANDY & CIGARETTES(キャンディ・アンド・シガレッツ)
世の中に「相棒モノ」の作品は多々ありますが、年齢が54も離れた相棒は珍しい。
殺された両親の復讐を誓う女子小学生の殺し屋・涼風美晴(すずかぜみはる=11)と、警視庁を定年退職した元SPジジィ・平賀雷蔵(65)がコンビを組み、法で裁けない悪人どもを暗殺しまくる『CANDY & CIGARETTES』(キャンディ・アンド・シガレッツ)。
敵討ちを狙う小学5年生の美晴チャン、殺しの技術や度胸と可愛さは卓越していますが、知恵そのものは年相応にすぎない。そこを元SPで経験豊富な雷蔵が機転を利かせてサポートし、SATSUGAIを進めていきます。お互いの特長がうまく嚙み合ったコンビです。
悪人どもを掃除しながら、二人は少しずつ真の標的に近づいていく……。
当初は「仕事上仕方なく組んでるだけ」だった美晴(11)と雷蔵(65)ですが、お互いの事情を知り、行動を共にしていく中で、徐々に信頼関係を築いていきます。
殺された家族の復讐物語だと、主人公は感情を失っているケースもありますが、美晴は感情豊か。小学校でも、ちゃんと友達がいます。そして学校帰りに「仕事」をすることも。友達とバイバ~イした4コマ後に、ランドセル背負ったまま拳銃ブッ放してたのは酷かった(笑)
ちなみに、物語の年代設定は2017~18年と明確に示されています。
ヒカルの碁
囲碁のルールを知っている日本人は、たぶん10人に1人もいない。しかし、このマンガを読んだことのある日本人は、たぶん10人に1人はいる。それが『ヒカルの碁』だ!
囲碁将棋などのボードゲーム分野では、史上最高の名作。これに異議を唱える人は、おそらくいないでしょう。
いやー、これは本当に設定が秀逸。佐為という囲碁オバケ(文字通り幽霊)を囲碁初心者のヒカルに取り憑かせたこと、および佐為のおかげでアキラというライバルを登場させることができたこと。これらによって、物語が自然に進みます。
その競技の初心者を主人公とするマンガは、「なぜその道に進もうと思ったのか?」つまり動機の部分での描写が弱く、展開が強引・不自然になるケースが多いです。が、ヒカルの碁にはそれがない。
それにしてもこのマンガ、囲碁のルールがわからなくても普通に読めるのがスゴイです。囲碁の専門用語を出して本格的な雰囲気は漂うけど、その用語を知らなくても読み進めるのに支障ありません。
競技ルールを知らない読者を引き込むって、相当ハードル高いと思うんですよ。それをやってのけているところに、このマンガの価値があると思います。
私の好きな一戦は、プロ試験のヒカル vs 和谷ですね。進退窮まったヒカルが、「佐為の視点」で考えることで唯一の活路を見つけ出すシーンが超カッコいい。和谷のプロ試験に懸ける気持ちと、負けを悟ったときの心理描写も良い。
ちなみに私、将棋はバッチリ有段者ですが、囲碁もルールは知っています。初級クラスの詰碁なら、なんとか。ただ、定石とかは全然知らないので対局は無理ですが。
Q.E.D. ―証明終了―
- 推理モノ
- 高校生探偵
- ヒロインも女子高生
- そのヒロインは戦闘力がすさまじい
この条件で多くの人が思い浮かべるのは、『名探偵コナン』と蘭角姉ちゃんではないでしょうか。しかし、同条件を満たすマンガは他にもあって、それが『Q.E.D. ―証明終了―』です。
アメリカのマサチューセッツ工科大学を15歳で卒業した天才・燈馬想(とうまそう)。なぜか日本の高校に入ってきた彼は、同級生で運動神経抜群の水原可奈と一緒に、いろいろな事件を解決していきます。
主人公が高校生探偵、ヒロインが同級生。コナンや『金田一少年の事件簿』を思い浮かべるかもしれませんが、主人公の探偵としてのスタンスや、ヒロインの役回りが他作品とは違います。
たとえばバーローや金田一だと、蘭角姉ちゃんや美雪がいなくても、事件は解決すると思うんですよ。でも、この作品はそうではなく、まさに「二人で」事件を解決するのが特徴。
作風も、金田一みたいにドロドロ(?)しておらず、バーローのように黒の組織っぽいのが出てきて話が込み入ることもない。良い意味でアッサリしており、あまり悲壮感もない。「うえぇぇ、そういうオチ!?」と思うことはしょっちゅうですが。
頭脳明晰な燈馬君がハメられた「マジック&マジック」の話なんか好きですね。燈馬君の望みを叶えるために頑張っちゃうヒロインの可奈が可愛い。
で、その可奈ですが……運動神経抜群ってレベルじゃねーぞ! 悪人どもをブチのめすのはお約束。腕力も凄まじく、ボウリングの玉を転がさずピンに投げつけたり(もはや大砲の弾同然)、10㎏のダンベルがたくさん入ったダンベル詰め合わせを片手で運んだり。
彼女は剣道部に所属していますが、「面ェェェーん!」とかやった暁には、相手の頭がトマトみたいに潰れるのは間違いない。
BLOODY MONDAY(ブラッディ・マンデイ)
『BLOODY MONDAY』(ブラッディ・マンデイ)の主人公・高木藤丸は高校生。普段はパッとせず、だらしない態度だが、彼の裏の顔は伝説的な天才ハッカー「ファルコン」だった──
藤丸は類稀なるハッキング能力を活かして、テロ組織との戦いに身を投じ、日本に降りかかる危機に立ち向かっていきます。
ハッカーを主人公に据えている設定が面白いです。具体的に言うと、現実世界で起きても不思議じゃないと思わせるようなリアリティがあります。
たとえば、いろいろなマンガで「大人を打ち負かす子ども」が出てきますが、身も蓋もないことを言えば現実的じゃない。「それがマンガじゃん」と言われれば、それまでですが……(笑)
ここまで紹介した『CANDY & CIGARETTES』の小学生殺し屋・美晴も、『Q.E.D. ―証明終了―』の燈馬君と可奈も、大人を打ち負かす子どもですが、現実世界では存在しえないキャラでしょう(^^;)
ところが、現実のハッキングの世界だと、大人を打ち負かす子どもは珍しくないそうです。ハッキング(正確にはクラッキング)をしでかした奴を捕まえると、10代の子どもというケースがままあるのだとか。
そういう意味で「本当にあるかも」と思わせてくれるのが、このマンガの特色だと思います。
主人公の藤丸はハッキング能力自体もすごいですが、それをどう使って相手を追い詰めていくかという「アイデアの部分」が凄いです。
たとえば劇中で、人質を取られてクルマで逃亡されるシーンがあります。藤丸はどうやって敵のクルマを捕らえたか?
警視庁の交通管制システムに侵入 → 信号機の赤・青を操作。それによって人質を乗せたクルマを誘導 → 袋の鼠にして捕まえる。
これは「交通管制システムに侵入する」ハッキング能力だけでなく、「信号機を操作して相手を誘導する」アイデアがないと実現できません。そういうところが読んでいて「なるほど~」と唸らされます。
出てくるキャラクターが揃って魅力的なのも、このマンガの推しポイント。藤丸の妹の遥チャンが可愛い(*´Д`)
とんずらごはん
『とんずらごはん』。この作品は、主人公が全国あちこちを訪れ、その土地で愛されているグルメを食す内容です。いわゆる食レポ系マンガ。
問題は、「なぜ主人公は全国あちこちを訪れるのか?」という点。
──物語冒頭、主人公の小波沙羅(こなみさら)は、殺人容疑の濡れ衣を着せられ、指名手配されてしまいます。なんとか警察を振り切った彼女は、全国を転々と逃亡します。そして、行く先々で、その土地のグルメを満喫するのです。
- 指名手配されたので全国を逃げ回る → わかる
- 逃亡で立ち寄った土地のグルメを満喫する → !?!?!?
前段と後段がつながらない。設定がブッ飛んでやがる……。そのブッ飛んでるところが面白いのですが。
作中で登場するグルメは、一部を除いて現実世界のものです。その店が潰れていない限り、いわゆる聖地巡礼が可能。わりと知名度があるメジャーなものからマイナーなものまで、いろいろあります。
個人的には、沼津の「海鮮かき揚げ丼」を食べてみたいと思いました。
ちなみに、グルメ以外にも現実世界の風景がマンガ内に描写されています。
マンガ日本の歴史
学校に置かれており、放課後、時間を忘れて読みふけった人もいるのではないでしょうか。ある意味、青春を思い出させてくれるマンガ、それが『日本の歴史』だ!
いろいろな出版社から同じコンセプトで出版されていますが、学研さんの↓このシリーズなんかは昔からあるやつだと思います。
個人的には、家康さんが「ニカーッ」と超悪い顔をしていたコマが忘れられない。キリシタン狩りのシーンなんかも、人が死にまくって何気にエグかったと思う。
子どもはどんどんマンガを読めばいいと思う
- るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
- 砂の栄冠
- CANDY & CIGARETTES(キャンディ・アンド・シガレッツ)
- ヒカルの碁
- Q.E.D. ―証明終了―
- BLOODY MONDAY(ブラッディ・マンデイ)
- とんずらごはん
- マンガ日本の歴史
子どもの頃、「マンガばっかり読んで……」と親に叱られた人もいるかもしれませんが、私は断然「許容派」です。勉強になることもけっこう多いですし、最初の方で書きましたが、私もマンガによって人格形成の影響を受けた部分が少なくない(良い方で)と思っています。子どもたち、大いにマンガを読んでください。
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