現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

暖冬だと運休になる貨物列車がある!?

突然ですが、今年(2020年)は暖冬ですよね。
雪が降らなくてスキー場が悲鳴をあげているという話も聞きます。
みなさんも、同僚や友人と「いやー今年の冬は暖かいね」という話題で一度は会話をしませんでしたか?

そして、このように暖冬だと、鉄道にもいろいろ影響があるわけで……。
今回の記事では、暖冬にまつわる鉄道雑学をお届けしたいと思います。

 

基本知識 石油輸送列車ってなに?


今回の記事のネタは「石油輸送列車」という貨物列車です。

「石油輸送列車ってなに?」という人のために、基本的な知識を書いておくと……。

基本的に、日本では石油を諸外国からの輸入に頼っています。
オイルタンカーなどの船で港に運ばれてきますよね。

港に到着した石油(原油)は、沿岸の製油所で石油製品になります。
そして内陸に運ばれていくわけですが、その際、トラック以外にも鉄道で運ぶ手段があります。
この、港から内陸部に石油製品を運ぶために運行されているのが「石油輸送列車」です。
↓の絵のような貨車を連結している貨物列車、見たことありませんか?

f:id:KYS:20190406193753p:plain

内陸に運ばれた石油は、油槽所にいったん移されます。
そして最終的には、ガソリンスタンドなどの施設に運ばれるわけです。

暖冬だとあまり石油を運ぶ必要がない


石油は、暖房用機器や除雪用機械を動かすための燃料にも使われます。
しかし、暖冬だとこれらの機器をあまり使わないため、石油の消費量も少なくなります。
すると、油槽に貯蔵されている石油も減らなくなります。

石油は「液体」です。

工場で使うような部品だったら、倉庫をちょっと整理してスペースを作れば、新しい在庫を保管することもできるでしょう。
ところが、石油は液体ですから、前に入れたものが減らない限り、油槽に空きスペースが生まれません。
油槽に空きスペースがない以上、石油を運んできても入れることができない……。

暖冬だと、こういう事態が起こり得ます。
つまり、石油輸送列車を運転して石油を運んでも、貯蔵する場所がない。
石油を運ぶ必要がないため、石油輸送列車が運休になる場合があります。

寒冬だと石油輸送列車を追加で運転することも


逆に例年よりも寒さが厳しい場合は、石油の消費量が増えます。
この場合は石油が足りなくなるので、追加で石油輸送列車を運転することがあります。
確か1~2年前の冬に、そういうことがあったと記憶しています。

貨物列車の輸送量というと、景気や国際情勢などの要素に左右される部分が大きいです。
たとえばですが、ここ一年、中国との関係悪化に伴い、中国向けの輸出が減っているため、貨物列車の輸送量も減っています。

しかし、そうした社会情勢以外にも、本記事で説明したような、例年よりも気温が高い・低いという気候が影響してくることもあるのです。
石油以外にも、例年より夏の気温が高いと清涼飲料水の輸送量が増える、という具合です。

旅客列車に比べると、貨物列車は外部要因に左右される(というか振り回される)度合いが大きいことが理解できると思います。


関連記事はこちら
石油輸送列車の運転はブレーキが難しい
なぜ鉄道で石油を運ぶのか? 知られざる意外な理由

→ 鉄道の豆知識や雑学 記事一覧のページへ
⇒ トップページへ