ウマイ! ウマイ! ウマイ! ウマイ!
れんごくさん、弁当食いすぎだろ!
ボオオオッ ズバアアッ
木造の車内で火を使って戦うんじゃねえ!
グワッシャアアアン
ああああああ
脱線しおったああああああ
原作を読んだことがないので観賞前に予習
2021(令和3)年9月25日、『劇場版 鬼滅の刃・無限列車編』が地上波で初放送されました。
こちらの記事で書いたのですが、私、鬼滅の刃は読んだことがありません。が、世間で大ブームになっていることは知っていますし、今回の地上波初放送も知っています。
(ネットやテレビであれだけ騒いでりゃあね……)
そこで目にした「無限列車」というタイトルが、鉄道マンである私の興味を引く。無限列車なるものが何かはサッパリ見当がつかないが、列車というからには、ぜひ観てみたいですな。
しかし、予備知識ゼロで観るのはキツい。そこで先日、妻の実家に顔を出したところ、甥っ子が来ていたので、貼ってあった鬼滅ポスターを見ながら尋ねてみました。
私「これ誰?」
甥「たんじろー」
主人公の名前はたんじろうといふらしい。
私「このコは?」(きっとヒロインだな……)
甥「ねづこ」
あー、この子がねづこか。ウチの上司(60代)がねづこ推しなんだよなあ。
私「この猪は?」
甥「イノスケ」
これは私の勘というか勝手な予想ですが、このイノスケ、主人公のダチ的なポジションではなかろうか?(違ったらサーセン)『るろうに剣心』でいえば、相楽左之助みたいな。「さのすけ」と「いのすけ」、一文字違いだし。
たんじろう・ねづこ・イノスケ。主要人物(だよね?)の名前を教えてもらい、予習はバッチリです。
時代は近代 主人公とヒロインは兄妹 物語の設定を知ってビックリ
21時になり、前振りのナレーション等もなく、お馴染みの東宝マークから粛々と放映が始まる。
始まって早々、二つ驚く。
これ、時代設定は近代なの?
刀がメインウエポンっぽいから、『犬夜叉』のように戦国時代の話と思ってたら、全然違った(笑) SLが走ってるし、登場人物の服装的にもフッツーに近代じゃないですか。いや、「無限列車」ってタイトルの時点で明治以降とわかれよって話だが、「列車」って何かの比喩かと思っていて……。そしたら、ガチモンの列車だったという。
もう一つ驚いたのは、
たんじろう「妹のねづこです」
たんじろうとねづこは兄妹だったんかい
主人公とヒロイン(だよね?)が兄妹なのは、珍しい設定だと思う。私の知っている作品では、ジブリの『コクリコ坂から』くらいしか思い浮かばない(しかも、最後には兄妹じゃないと判明したし)。
箱の中からねづこが出てきた! 運賃は払ったのか?
しかし、ここで一つわからないことが。たんじろうは木箱を指して「妹のねづこ」とれんごくさんに紹介していた。木箱 = ねづこ??? ねづこは木箱にトランスフォームできるのか?
その謎は、しばらく進んでから解けた。
木箱「ギィィィ ボトッ」
箱の中からねづこが出てきた
(; Д)゚ ゚
ねづこは木箱に入れられて、たんじろうに運ばれていたのか。なぜそんなふうにしているかは知らないが、私が気になったのは、
ねづこの分の運賃は払ったのだろうか?
たんじろう・イノスケ・れんごくさん・黄色の少年の4人は、確かに切符を所持していた。だが、ねづこの分の切符は?
かつて走っていた快速ムーンライトながらでは、車掌が来ても寝たフリで切符の確認をやりすごす不正手段が横行していたが、箱に隠れて車掌をやりすごすなんて手段は、さすがに聞いたことがない。
でもまあ、車掌に切符を確認されなかったおかげで、敵さんの術に陥るのを免れたのだから、結果オーライなのか?
木造車両内で炎技を乱発して大丈夫?
そして敵さんは、なんと身体を列車と一体化させており、乗客200人全員を喰ってしまう腹積もりらしい。
敵の術から醒めたれんごくさんが、「穴があったら入りたいいい!」とか言いながら、炎技をめっちゃ連発する。
現代の車両は難燃素材が使われているので、れんごくさんの炎技にも耐えられる(と思う)。が、難燃とは程遠い昔の木造車両で炎技を乱発して大丈夫か? れんごくさんは「8両のうち、自分は5両を敵から守る」と豪語していたが、守るどころか全乗客がバーベキューにならないか心配。
無限列車の機関士はタダ者ではない
そして、たんじろうとイノスケが、敵の首を斬るために、先頭の蒸気機関車の運転室に乱入。
乗務していた機関士が、イノスケを見て「なんだコイツ!」みたいな反応をしていたが、至極もっともである。私だって、列車を運転しているときに、いきなり運転室に裸イノシシが刀を振り回しながら乱入してきたら泣く。
つーか待って。運転室にいる乗務員は一人だけ? 蒸気機関車の運転って、機関士と機関助士の二人が必要じゃね?
カマに石炭を投入したり、ボイラーに水を送ったりするのが機関助士。レバーやハンドルを操作して、加速や減速を行うのが機関士(=現代でいうところの運転士)。これが蒸気機関車の運転体制である。
この機関士は、一人で二役をこなしていたというのか!? しかもコイツ、主人公のたんじろうを攻撃して負傷させる。
この機関士、絶対タダ者じゃねえ
その後、列車が脱線して機関士は負傷する。イノスケは「こんなヤツ助けなくていいじゃねぇか」的なことを言っていたが、とんでもない話である。一人で二人分の仕事をこなし、主人公に手傷を負わせる戦闘力。こんなハイスペックな機関士を失ったら、鉄道会社にとって痛手である。
列車の乗客を守ったれんごくさんに敬礼(*`・ω・)ゞ
列車を乗っ取った敵を倒したと思ったら、さらなる強敵(じょうげんの鬼?)が登場。その強さと再生力に、れんごくさんは劣勢に追い込まれる。
たんじろうとイノスケも、次元が違いすぎて助太刀ができない。例えるなら、アマチュア二~三段の私が、藤井聡太 vs 渡辺明の将棋界頂上決戦を見守るしかないのと同じである。助太刀のしようがない。
敵の腕が、れんごくさんの腹部を貫通。あーアカン、これは致命傷だ。これまでか……
と思ったら回想。
病で先が長くないれんごくさんのお母様、病床で「強き力は弱き者を守るためにある」「授かった力を悪用してはいけない」と、幼いれんごくさんに諭す。
弱者から搾取する輩や、権力を使って不正を働く輩に聞かせてやりたい。
最後にお母様、れんごくさんを抱きしめて、「強き子の母になれて幸せでした。あとは頼みます」。
泣いた
正直泣いた
お母様の回想パワーでクワッと覚醒したれんごくさん、腹を貫かれながらも、敵の首に刀を喰い込ませる。
うおおおおおお!
斬れっ!
キレッ!
Kireee!
そのままかき斬っちまえ!
れんごく( ゚∀゚)o彡
れんごく( ゚∀゚)o彡
テンションアゲアゲで応援する。これはアレだ、そのまま押し切る流れだ。「勝ったな」「あぁ」の心境で私は見ていたのだが、
ちょっ
逃げられたし
えーマジか。たんじろうが追いかけたが、敵は森の奥に消えていった。最期を悟ったれんごくさん、たんじろうに父親と弟への言葉を託して息絶えた。壮絶な殉職である。
しかし、れんごくさんは立派に任務を果たしたと思う。列車はド派手に脱線してしまったが、脱線時、れんごくさんが何かいろいろ技を使ったため、200人の乗客に死者は出なかったらしい。
れんごくさんのおかげで敵を撃退でき、誰も死ななかったのだ。
乗客と後輩の命を守ったれんごくさんに、鉄道マンとして最大限の敬礼
(`・ω・)ゞ