鉄道会社の採用試験(乗務員コース)では、必ず行われるクレペリン検査。
受検(注:この字が正当、受験は誤字)したことがある人ならわかるでしょうが、シンドイ作業ですよね。
数字ばかり見ていて頭が混乱してくるし、手も痛くなってくるし。
現役鉄道マンたる私は、現在でも3年に一度、継続的に受けさせられていますが、毎回イヤでイヤで仕方ないです(笑)
「はぁ~もう前回から3年経ったのか。歳とっちゃったなぁ~」みたいな気分にもさせられるし(笑笑)
さて、私の愚痴はこれくらいにして……
このクレペリン検査、大変なのは受検者側だけではありません。
実は、試験官の側もけっこう大変なのです。
試験官の役割は1分ごとに「次」と言うこと
ここからの文章は、読者のみなさんが「クレペリン検査の進め方」を知っている前提で書きますね。
「クレペリン検査ってなに? どうやるの?」という人は、こちらの記事をご覧ください。
クレペリンにおける試験官の役割は、「時間の管理」です。
ストップウォッチなり時計なりを見て、1分経ったら「次」、また1分経ったら「次」と言う。
それを15分間続ける……。
この作業、試験官経験者に言わせると「なかなか大変」だそうです。
試験官も15分間ずーっと気が抜けない
「ようは時計を見て1分ごとに『次』って言うだけでしょ? それの何が大変なんだ?」
そう思った人、実際にやってみてください(^^)
まず、15分間、時計から目を離せないというのが大変。
さらに、キッッッチリ1分ごとに「次」「次」と言い続けなければいけない。
非常に機械的で単調な作業ですから、ついつい他のことを考えてしまったり、ボーッとしてしまったり……。
あるいは、受検者の学生たちを見て、「みんな若いなあ~。俺にもあんな時代があったなあ~」なんて思ったり(笑)
そんなこんなで時計から気が逸れ、1分経過のギリギリ手前でハッと我に返る。
「あっやばっ!」となり、慌てて「次」と言うヒヤリ体験もあるそうです(笑)
要するに、作業自体は大変ではありませんが、15分間、ずーっと時計から意識を逸らしてはいけないところが大変なのです。
最近は録音音声を使うケースが増えている
人間が「時間読み上げ」をやると、こういう“事故”が起きうるので、最近は、予め録音された音声を流して試験するケースも増えています。
クレペリン試験用のCDを使ったり、サイトから音声をダウンロードしてパソコンやタブレットで流したり、という具合です。
ちなみに、私が入社試験を受けた時代(大昔)は、どこの会社も試験官が「時間読み上げ」をしていましたね。
作業量をいじる「調整」はやめた方が無難
さて、雑学は以上です。
話を変えまして、クレペリンを受ける就活生に一つ忠告。
作業量の「調整」はやめた方が無難です
検索エンジンからこの記事に辿り着いたような人ならご存知でしょうが、クレペリンの試験結果には「理想的な曲線」というものが存在します。
理想的な曲線が作れれば検査に合格できるわけです。
そのため、理想曲線を作る「調整法」がネット上で公開されていたりします。
たとえば、こんな感じ。
・序盤の行は、作業量多めで
・中盤の行は、作業量を少し減らす
・終盤の行は、また作業量を増やす
しかしこの調整、経験者として言わせてもらうと、推奨はできません。
試験中は一種の“精神極限状態”に追い込まれるので、意識して作業量を調整することは実際には難しい、というのがまず一つ。
それからもう一つ。
上で紹介したように、人間が試験官をやっている場合は、1分からズレる“事故”が起こりえます。
しかし、仮に事故が起きた場合でも、試験官は試験を止めないはずです。
もしかすると、ある行が1分02秒になってしまったら、次の行は58秒、みたいな帳尻合わせをするのかもしれません。
作業量を調整していると、そういう場合にバレるかもしれません。
また、真偽は不明ですが、調整している受検者をあぶり出すために、わざと時間をズラすこともある、という話を聞いたことがあります。
ですので、意図的に作業量を調整するのはやめた方がよいでしょう。
そもそも、クレペリンは「適性検査」ですから、小細工は感心しません。
乗務員は、お客様の命を預かる大切な仕事ですから、適性のない者にやらせるべきではありません。
残念ですが、受からない人は潔くあきらめてください(←鬼)
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