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起床装置を使っても駅員寝坊 管理側にも不備がある?

世の中いろいろな仕事がありますが、寝坊が大きなニュースになるなんて、鉄道マンくらいのものではないでしょうか。

2020(令和2)年6月7日、JR九州で、駅員の寝坊により駅のシャッターが開けられず、始発列車に乗客が乗れなかった事案が発生。
当該駅員は、目覚まし2個+起床装置を使用していたにも関わらず、二度寝してしまったとのこと。


「なにも寝坊くらいでニュースにしなくても」と思う人もいるでしょうが、それだけ鉄道会社は社会的責任が重いということですね。

 

起床装置ってなに? 寝坊を防ぐための強制装置


まず、「起床装置ってなに?」と疑問に思っている人へ、簡単に説明します。
「知っているよ」という人は読み飛ばしてください。

起床装置は、寝坊を防ぐために、空気でふとんを膨らませる装置です。
イメージとしては、ふとんの下に、空気の入っていない風船が仕込まれていると思ってください。

設定時刻になると、空気が入り始めて膨らんでいきます。
すると、ふとんで寝ている人は下から持ち上げられる。
その状態では(普通は)寝ていられないので、寝坊せずに目を覚ませるわけです。

ただし、今回は駅員が起床した後に二度寝してしまったようですが……。

「起床報告」があれば寝坊は防げる


もちろん、悪いのは二度寝した当該駅員です。
しかしこれ、管理体制の不備もあります。

どうやら、JR九州では「起床報告」という仕組みがないようですね。

近隣の駅を束ねる大きな「拠点駅」と、その管理下にある小さな「配下駅」。
配下駅に泊まる駅員は、朝起きたら「○○駅、起床しました」と拠点駅に連絡する。
もし、定められた時刻までに起床報告がなかったら、拠点駅は配下駅に確認の電話をする。

こういう体制なら、寝坊で駅のシャッターが開かないような事象は防げます。
というか、現にウチの鉄道会社はそうなっていますし。

「小学生じゃあるまいし、そこまで管理しなくても」という意見はあるでしょう。
しかし、今回は寝坊でしたが、もしこれが急病で倒れていたとしたら?

そういうことも考えると、やはり起床報告はあった方がよいと思います。

再発防止策は本人と管理側の両面から考える


ミスがあったときにやるべきは、本人を責めることではありません。
再発防止策を講じることです。

再発防止策というと、「ミスした本人に、どういう対策をやらせるか?」と考えるのが普通です。
今回の例でいえば、今後は二度寝防止のため、設定時刻を数分ズラした目覚ましを2個準備します、みたいな感じです。

しかし、そういうアプローチだけではなく、私が先ほど示した「管理体制に問題はなかったか?」というような考え方が必要な場合もあります。
小手先の改善ではなく、根本から大きく見直す発想も求められるということですね。


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