現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

鉄道に関する記事が約300! 趣味で鉄道好きな人や、鉄道業界への就職を目指す人は必見のブログ!

ほとんどの日本人が間違えている「出発進行」の意味

数ある鉄道用語の中でも、「出発進行」ほど意味が誤って浸透している言葉は他にありません。
このブログを訪れる人は鉄道好きでしょうから、正しい意味をご存知かもしれませんが、ほとんどの日本人は、ズバリ次のように思っているのでは?

Q.出発進行って、どういう意味?
A.列車が駅から出発(発車)すること

ちっがぁーーーう!!

 

「出発進行」の正しい意味とは?


まず結論から言うと、「出発進行」の正しい意味は次の通りです。


出発信号機が進行信号を現示している状態のこと


はい、意味不明ですね(^^)
この文章で理解できるのは、私のような鉄道マンだけです。
というわけで、ここから噛み砕いて説明していくのですが、重要なキーワードは以下の二つです。

  1. 進行信号
  2. 出発信号機

① 進行信号とは「青信号」のこと


まず、キーワードその1「進行信号」とは何ぞや?

ものすごく簡単に言えば、進行信号とは「青信号」のことです。
あの青信号のことを、鉄道用語では「進行信号」と堅苦しく表現します。

f:id:KYS:20210602054811p:plain

このお馴染みの青が進行信号


ちなみに、黄色は「注意信号」、赤は「停止信号」と呼びます。
まとめると↓の通りです。

f:id:KYS:20210602061738p:plain


理解できた人は、次に進んでください。

② 出発信号機とは「駅の出口に設けられた信号機」


続いて、キーワードその2「出発信号機」とは何ぞや?

これは丁寧に説明しましょう。
まず、鉄道路線は「駅」と「駅間」に分類できます。
図で示すと↓の通り。

f:id:KYS:20210602054904p:plain


そして、駅と駅間に分類できるということは、どこかに「境界線」があるわけです。
別の言い方をすると、駅の「入口」と「出口」が存在するわけ。

f:id:KYS:20210602054928p:plain


このうち、駅の「出口」に設けられる信号機こそが「出発信号機」なのです。

f:id:KYS:20210602054955p:plain


ちなみに、駅の「入口」にある信号機は「場内信号機」と呼びます。

f:id:KYS:20210602055106p:plain

 

出発進行は「状態」を表す言葉であって「動作」ではない

 

  1. 進行信号
  2. 出発信号機


キーワードを二つ説明しましたが、理解できたでしょうか?
これが理解できたのならば、冒頭の言葉の意味が見えてきます。


出発信号機が進行信号を現示している状態のこと


駅の「出口」に設けられた出発信号機に「青」、すなわち進行信号が灯されている状態。
これを出発進行と呼びます。

つまり、出発進行とは、出発信号機に進行信号が灯っているという「状態」を指す言葉であって、列車が駅から動き出す「動作」を示す言葉ではないのです。

しかし実際には、「出発進行 = 駅からの発車」という認識が一般的になってしまっていますね。
「出発」も「進行」も、その言葉だけを見れば、確かに動き出していくさまを表しているように思えます。
ですので、それを組み合わせた「出発進行」が、駅からの発車だと誤認されるのも無理はありません。

というわけで、出発進行とは、「信号機の名称 + 信号の色」を組み合わせた用語であることは理解できたと思います。
なお、「信号機の名称 + 信号の色」の組み合わせは他にもいろいろあり、「出発注意」「出発停止」という用語も存在します。

f:id:KYS:20210602062107p:plain

鉄道には他にも「閉そく信号機」「入換信号機」などが存在する。「閉そく注意」「入換進行」のように、呼び方の要領は同じ

 


関連記事はこちら
「電車」と「列車」の違いとは? 鉄道マンが正しい知識を解説

→ 鉄道の豆知識や雑学 記事一覧のページへ
⇒ トップページへ