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『天気の子』で描かれた首都圏水没 鉄道会社はどうなった?

あいーにでーきるーことーはまーだあーるかーい

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ぼくーにでーきるーことーはまーだあーるかーい

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──2021(令和3)年1月3日、2019年に公開されてヒットした映画『天気の子』が地上波で初放送されました。私はリアルタイムでは視聴できなかったので、録画したのを昨日観ました。

(注:以降はネタバレを含むので、ネタバレ勘弁の人は回れ右してください)

映画の感想 「なぜ?」が多くてよくわからなかった(^^;)

まずは初めて『天気の子』を観た私が、ピッタリ100字でストーリーを紹介します。

家出少年・帆高は、長雨の異常気象が続く東京で、陽菜という少女に出会う。陽菜は、短時間・局地的に雨雲を晴らせる「晴れ女」の能力を持っていた。しかし陽菜は、晴れ女の能力を使いすぎた代償に消滅してしまい…。

さて感想。

うーむ、よくわからんぞ

なぜ、陽菜さんは晴れ女の能力を得たのか。
なぜ、晴れ女の能力を使いすぎると身体が消滅するのか。
なぜ、帆高は陽菜さんを救出できたのか。
なぜ、陽菜さんが戻ってきたら雨が降り止まなくなったのか。

ひょっとして、わからないのは私の読解力の問題? 『君の名は。』でも同様に感じたのですが、どうやら私、こういう不思議系?の話はあまり肌に合わないようです(^^;) でも、

陽菜さんが可愛いから、細けえこたぁいいんだよ!

最後の「東京水没」で首都圏の鉄道は壊滅したと思われる

まあストーリーに関する「わからん」は横に置いといて、鉄道に関するシーンがいっぱい出てきたのは、鉄道マンとして嬉しい映画でしたね。

そして、物語終盤は涙なしには観られませんでした( ;∀;)

東京が水没し、首都圏の鉄道が壊滅したであろう事態に

ナレーションでは、「雨は一日も止むことなく、東京の街を沈めていった。3年経った今も降り続けている」と説明されていました。東京水没って、鉄道各社終わったわ。

地下鉄は間違いなく水没 荒川・江戸川流域もアウト

まず、東京メトロ都営地下鉄が水没したのは間違いないでしょう。地上区間は水没を免れたかもしれませんが、そこだけ残っても……という感じ。また、つくばエクスプレスも、秋葉原駅などの地下区間は絶対アウトです。

東京のハザードマップ(洪水)を見ると、東京駅から東方面、荒川・江戸川の下流域は洪水の危険性が高いです。したがって、京成電鉄東武鉄道も水没箇所が発生したと思われます。

高収益の路線が全滅するJR東日本

洪水で首都圏の路線網をズタズタにされたJR東日本も相当ヤバいです。

JR東日本の利用者のうち、約8割は首都圏。収益性の高い路線は大部分が失われたはずで、残ったのは収益性の低い地域の路線だけ。

また、劇中最後に帆高と陽菜さんが再会するシーンでは、新幹線の高架が草ぼうぼうになっている背景が見えます。東京~大宮間は廃線になったものと思われます。

JR東日本は、2020年度決算をコロナの影響で4,000億円以上の赤字と見込んでいますが、洪水による損失はその比ではないでしょう。もしかしたら破綻秒読みの状態かもしれません。まさかJR北海道やJR四国よりも先に、JR東日本が消えるとは……。

赤字で苦しむJR東日本の廃線跡をバックに、帆高と陽菜さんが再会。感動のエンディングが流れる……。

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東急や小田急なども路線が寸断か?

さらにハザードマップによると、東京・神奈川の県境を流れる多摩川流域も洪水の危険性が高い。もし大雨の範囲が西にも広がっていた場合、「山手線の西側」にターミナルを置く大手私鉄──京王・小田急・東急・京急など──も、路線が寸断されるのではないでしょうか。

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多摩川流域も洪水の危険は高い

関東大手だと、西武鉄道はダメージ少で済みそうか? 無傷なのは、おそらく相模鉄道だけと推測されます。相模鉄道も、ようやく念願の都心直通を果たしたと思ったら、まさかその都心が消失するとは……。

「洪水による損失」+「売上減少」のダブルパンチ

そして、これはどこの首都圏鉄道にも共通ですが……

水没によって、東京は首都機能を喪失したはず。名古屋や大阪、福岡へ移転した企業も多いでしょう。

つまり、首都圏各鉄道の利用者は大幅に減ったはずで、「洪水による損失」+「売上減少」のダブルパンチを喰らうわけです。もはや、鉄道会社の体を為さないところも多いのではないでしょうか。

新幹線の売上減にリニアの頓挫 JR東海も破綻が濃厚

首都圏の鉄道ではないですが、JR東海もヤバいです。

まず、東海道新幹線へのダメージ。東京駅と品川駅は水没したと思われるので、新横浜折り返しになります。でもまあ、これくらいは微々たる問題でしょう。

JR東海の売上は、大部分が東海道新幹線によるもので、これは「東名阪の移動需要」で稼いでいることを意味します。しかし先ほど書いたように、東京から逃げ出して「名」や「阪」に移転した企業も多いはず。つまり、「東 ⇔ 名阪」の移動需要は減ったはずで、これは東海道新幹線の根幹を揺るがします。

北関東の人が関西方面へ移動するときのルートも変わるでしょう。東京駅が水没したので、大宮駅から北陸新幹線で金沢まで行き、そこから特急サンダーバードで京都・大阪へ向かう。これが標準ルートになるはずで、東海道新幹線にはダメージ要素です。

リニア計画にも支障が出るのは必須。まず、工事を進めていた品川駅は放棄。これだけでいくらの損失になるのか……。

さらに、先ほど書いたように東名阪の移動需要が減りますから、リニアの存在意義が根本から揺らぎます。開通させても採算が取れない可能性が極めて高く、進むも地獄・引くも地獄の状態に。JR東海は、リニア建設のために政府から3兆円の借金をしていますが、どうやって返済するのか?

これらの諸事情から考えるに、JR東日本だけではなく、JR東海も破綻するのではないでしょうか。

JR貨物の貨物列車はルート変更+大幅減便

旅客会社ではないですが、JR貨物も大ダメージ間違いなし。関東の二大貨物拠点、隅田川貨物駅・東京貨物ターミナルは水没、手塩にかけて開業させた「東京レールゲート」という物流施設も放棄でしょう。

貨物列車の走行ルートも、大幅変更を余儀なくされます。

北海道・東北から東京を経由し、東海・関西方面に向かう「太平洋ルート」。この太平洋ルートが東京水没でダメになった場合、新潟・富山を回る「日本海ルート」を使うしかないですが、ここで問題が。

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青線:日本海ルート 赤線:太平洋ルート

おそらく、機関車が足りなくなります。というのも、太平洋ルートと日本海ルートは電化の仕様が違うため、走行可能な機関車が異なるのです。

話のポイントは以下の二点。

  • 太平洋ルートで使用される機関車は、日本海ルートでは使えない
  • 日本海ルートを走行可能な機関車の数は少ない

ようするに、太平洋ルートの機関車を日本海ルートに持っていって走らせることはできないわけ。したがって、太平洋ルートの運転本数を日本海ルートでも確保しようとすれば、機関車が足りなくなるのは必須。減便は避けられません。

せっかく鉄道事業で黒字が出せるようになったJR貨物ですが、また赤字に逆戻りです。

洪水ならぬ地震で同様の現象は起きるかも

……とまあ、映画内の設定に対して真面目に考えてみました。

バカバカしい妄想と思うかもしれませんが、そうとも言い切れません。というのも、洪水とは違いますが、首都直下型地震が起きれば、ここで書いたのと近いことが起きるかもしれないからです。

そういう意味では、「都市防災」「東京一極集中」といった問題を考えるきっかけの映画かもしれません。
(もちろん、制作者側からすれば、そういう意図はないでしょうけど)
実際、私も東京都のハザードマップをいろいろ調べましたしね。

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