運転士の後ろにかぶりついて運転風景を見ていると、線路上にはいろいろな標識があることに気づくでしょう。当然ながら、専門知識がないと読めない標識が多いですが、素人でも容易にわかる標識もあります。
たとえば、85や60といった数字が書かれた標識。
これは想像通り、制限速度(㎞/h)を表しています。道路に設置されている車の速度制限標識と同じですね。
速度制限標識に書かれている「R」ってなに?
ところで、みなさんは↓のような標識を見たことはありませんか?
これも制限速度を表す標識で、上段の60は制限速度だと容易にわかります。が、下段には「R300」という謎の表示がされています。
Rとはいったい何ぞや?
そしてRの後ろの300という数字はいったい何を表しているのかっ?!
……というのが今回の記事です。
Rのついた標識はカーブの入口にのみ出現する
まず、基本的な説明をしておきます。以下の三つが、代表的な「制限速度が発生する場所」です。
- カーブ
- 下り坂
- 分岐器(ポイント)
そして、本日のお題である↓この速度制限標識。
この「R○○○」と書かれた標識は、カーブの制限速度を示す標識です。つまり、「R○○○」の速度制限標識は、カーブの入口にしか出現しません。今度列車に乗ったら、よーく観察してみてください。
Rとは「半径」を意味するradiusの頭文字
さて、ここからが本題。
このR○○○のことを曲線半径といいます。
曲線半径とは何か?
たとえば、「R300のカーブ」すなわち「曲線半径300のカーブ」とは、「半径300mの円を描いたときにできるカーブ」という意味です。
簡単に言ってしまえば、R=曲線半径とは、カーブの曲がり具合を示している数字なのです。
Rの数字が大きくなればなるほど、円の半径は大きくなり、それに伴って円も大きくなります。円が大きければ、カーブは緩やかになりますよね。つまり、Rの数字が大きいほどカーブは緩やかなので、高速で通過することができるのです。
そして、Rとは「半径」という意味の英単語「radius」の頭文字です。
R○○○の意味がおわかりいただけましたでしょうか?