現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

私が好きだった鉄道グルメ 坂出駅・亀城庵「さぬきうどん」

日本人の多くは、「単なる硬いうどん」を「コシのあるうどん」と勘違いしているのではないか?

いきなり何の話? と思うでしょうが、鉄道グルメの話です。
今回は、さぬきうどん食べ歩き旅行の思ひ出を書こうと思います。

 

職場の先輩からみっちり「うどんレクチャー」を受ける


私の趣味は将棋なのですが、地元の大会だけではマンネリがきます。
独身時代、年に1~2回は旅行を兼ねて、他の地方の大会に遠征していました。

その年は、香川県坂出市で開かれる大会に参加することに。

せっかく香川に行くのだから、さぬきうどんの食べ歩きでもしようかな。
そう思ってインターネットでいろいろ調べましたが、イマイチよくわからない。
職場に香川出身の先輩がいたので、オススメの店を聞いてみることに。

「今度、香川でうどんの食べ歩きをしようと思ってるんですけど」
「ほう!」


先輩の目の色が変わる。

「ネットで調べたんですけど、よくわからないんで、地元民オススメの店を教えてもらいたいんですが……」
「へえー、どの辺りを回るの?」
「高松とか坂出とか、その辺ですね。あ、レンタカーじゃなくて鉄道使うんで、駅から歩ける範囲なんですけど」

 

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とりあえず、自分で調べた情報を出してみる。

「高松駅ホームにある店ってどうですか?」
「あー、あそこはダメだよ」 
「えっ ^^;」


いきなりダメ出しを喰らう。

「じゃあ、高松駅前にある〇〇ってお店は?」
「うーん……あそこは麺にコシがないよ。駅に近いから、JR(四国)の職員は使ってるみたいだけど」


JR四国、ディスられる(笑)
つーか、店名に即座に反応できる先輩すげえ。

「じゃあ『さか枝』ってところはどうですか?」
「おおー、あそこはいいよ。オススメ」


ようやくOKが出る(^^;)

「高松駅の近くなら、『ちくせい』ってお店もいいよ」
「ちくせい……どういう字ですか?」
「植物の竹に清水寺の清で『竹清』。たまごの天ぷらが名物だよ」


こんな感じで話が進み……

「坂出らへんはどうですか?」
「坂出で駅の近くか……。じゃあ駅構内に『きじょうあん』ってお店があるから、そこかな」
「きじょうあん」
「亀にお城に、いおりって読む庵。それで『亀城庵』ね」

「単なる硬いうどん」を「コシがある」と勘違いしていた


こんな感じで先輩からレクチャーを受けた私は、香川にやってまいりました。
『さか枝』と『竹清』の2軒でかけうどんを食べます。

感想

超うまかったああぁぁ……
この2軒で、自分の中の「うどん観」が変わりました。
うどんって、こんなに美味しい食べ物だったのね。

なにより、「本物のコシ」のあるうどんを体験できたことが衝撃でした。

さか枝も竹清も、口に入れた瞬間は「ん? 柔らかい?」という感じです。
ところが、歯で噛み切ろうとすると、心地よい弾力で押し返してきます。

絹のような柔らかさの中に弾力という、ある意味矛盾した要素を見事に兼ね備えているのですね。

心地よい弾力感とのど越しの良さが両立している。
柔らかいためアゴが疲れず、味や食感をじゅうぶんに楽しめる。

自分が今まで「コシがある」と思っていたのは、単なる硬いうどんだったのか……と軽くショックを受けました。
言ってみれば、小麦粉の硬いガムをくちゃくちゃ噛んでアゴを疲れさせることを、「コシがある」と喜んでいたわけです。

亀城庵のかけうどんは「つゆ」が美味しかった


この日の宿泊は、坂出駅近くのビジネスホテル。
18時くらいに坂出駅に降り立ち、本日最後のうどんを駅構内の『亀城庵』でいただきます。
はい、ようやく鉄道グルメの話ですね。

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亀城庵の名物は「海老天と揚げ餅のぶっかけ」ですが、あえてかけうどんを注文。

「一番シンプルなかけうどんにこそ、店の実力が表れる」という意味不明な哲学を持つ私は、この日のうどんを全て「かけ」で通しました。
本日摂取したのは、小麦粉(=うどん・天かす)とネギだけ(笑)

さて、亀城庵のかけうどん。

麺はもちろんでしたが、「つゆ」が美味しかったです。
当時の旅行メモには、

つゆは口に入れた瞬間、口内の粘膜と一体化するような自然な口当たり。
それがなめらかな麺と絡んで、やさしい味を生み出している。

と、痛いポエマーのような感想(笑)が記されていました。

坂出駅といえば、いわば四国の玄関口。
その駅ナカでこれだけのうどんが食べられるとは、四国とはげに恐ろしき場所です。

うどんパワー(笑)で強豪を倒す金星ゲット


翌日は将棋。
アマチュア王将戦の四国地方予選という大会です。

将棋大会って、普通は都道府県単位で区切られており、ようするに地元の人しか参戦できません。
しかし、アマチュア王将戦の地方予選はちょっと特殊で、全国どの地域からも参戦可能です。
そのため、全国から強豪が集い(関東から遠征とかザラ)、すごいレベルの高さになります。

予選の初戦。
相手は元奨励会三段で、全国大会優勝の経験もあるお方。
この将棋のハイライトが↓図。

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盤面の手前が私。
30秒将棋という時間切迫の状況。
相手が金を打ってきたところで、龍を逃げたくなりますが……ここで決めに行った自分をほめたい(笑)

▲2四桂!△同歩▲2三銀!△同玉▲1四角……という捨て駒連発で相手玉を討ち取り、金星ゲッツ。


こ、これがうどんパワーだ……(ゼェゼェハァハァ


予選を突破して本戦トーナメント1回戦。
相手は、アマチュア竜王戦で優勝経験のあるお方。


なにこのボスラッシュ


いや、こういう展開もありうるのがアマチュア王将戦です……。
ここであえなく撃沈し、私の大会は終わりました。

亀城庵は閉店 もう一度食べられなかったのが心残り


帰宅は翌日のため、昨日と同じビジネスホテルでもう一泊。
夕食は再び亀城庵に行きました。

今度は名物の「海老天と揚げ餅のぶっかけ(冷)」をいただきました。

プリっとした海老天に、サクッモチッとした揚げ餅。
そこになめらかなうどんが絡み、食感がにぎやか。
揚げ物の温、うどんの冷、このコントラストが雪国の露天風呂を連想させる。
そして、やっぱりつゆが美味い。

そんな味わいのうどんを、ペロリと平らげました。

──残念ながら、私が亀城庵を訪れたのは、これが最後になりました。
数年後に閉店してしまったからです。
記事タイトルが「好きだった」と過去形になっているのは、そのため。

閉店情報を事前に知っていれば、もう一度食べに行ったのですが……。
それが心残りですね。


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