前回の記事に続いて、今回もダイヤ改正のネタを一つ紹介しましょう。
2019年のJRグループのダイヤ改正は3月16日(土)です。
これは3月16日0時00分になった瞬間、「古いダイヤ」から「新しいダイヤ」に移行するという意味です。
3月15日までの列車は「古いダイヤ」で運転。
3月16日からの列車は「新しいダイヤ」で運転。
ほとんどの列車は、これで問題ありません。
「ダイヤ改正の瞬間をまたぐ列車」も存在する
しかし、この方法では都合の悪い列車が一部存在します。
それは、「0時をまたいで運転する列車」です。
別の言い方をすれば、「ダイヤ改正の瞬間をまたぐ列車」。
たとえば、こんな列車ダイヤがあるとしましょう。
A駅発 23:50 23:55
B駅着 0:02 0:07
C駅着 0:10 0:15
改正前に比べ、改正後のダイヤは5分ほど発車が遅くなりました。
明日からは、居酒屋に少しだけ長居できますね。
お父さんは嬉しいぞ(笑)
という冗談はともかくとして……。
15日23時50分にA駅を発車した列車は、B駅へ向けての走行中に16日0時00分を、つまりダイヤ改正の瞬間を迎えました。
新旧ダイヤで運転時刻が違う列車はどうする?
さて、ここで問題。
A駅発 23:50 23:55
B駅着 0:02 0:07
C駅着 0:10 0:15
この列車がB駅へ到着する時刻として正しいのは、0時02分と0時07分のどちらでしょうか?
「A駅を出発したのが23時50分なら、B駅到着は0時02分でいいんじゃない?」
「でも0時00分の瞬間にダイヤ改正したわけでしょ? だったらB駅到着は0時07分でないとアカンのでは?」
「うーん、新旧どっちのダイヤで運転するんだ?」
──という問題が、ダイヤ改正の瞬間をまたぐ列車には発生します。
「現」と「改」いずれかの運転時刻を指定する
こうした混乱を避けるためにはどうするか?
ダイヤ改正の瞬間をまたぐ列車に対して、次の①~③のいずれで運転するかを指定します。
たとえば、先ほどの列車に対して①の方法を指定したとします。
「A駅からC駅まで古いダイヤで運転してくださいよ」と指定しておき、ダイヤ改正を迎えた後も、古いダイヤで終点C駅まで運転させるわけです。
(もちろん、翌日の列車からは新ダイヤでの運転になります)
こうした指定を列車ごとに行うことで、ダイヤ改正の“つなぎ目”で混乱しないようにしているんですね。
正式な用語では、古いダイヤで運転する列車を「現列車」、新しいダイヤで運転する列車を「改列車」といいます。
新旧ダイヤで運転時刻が同一の場合でも現改指定をする
上の例は、新旧ダイヤで運転時刻が異なるケースでしたが、新旧ダイヤで運転時刻が変わらない場合もありますよね。
(むしろその方が一般的だと思います)
しかしその場合も、①~③いずれかの現改指定をします。
「この列車は新旧ダイヤのどちらに属しているのか?」という印付けをキチンと行うためです。
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