現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

福知山線脱線事故から14年

こんばんは、現役鉄道マンのKYSです。

今日4月25日は、鉄道マンなら絶対に忘れない日です。

そうです、2005(平成17)年4月25日に発生した「福知山線脱線事故」
あれから、もう14年が経ちました。

この事故を見た時の衝撃は、今も忘れることができません。
いや、私だけではなく、すべての鉄道マンがそうではないでしょうか。

 

原因は「スピードの出しすぎ」


「ずいぶん前の事故なので忘れてしまった」
「事故の概要をよく知らない」

という方のために簡単に書いておくと、この脱線事故は、「列車がスピードを出しすぎてカーブを曲がり切れずに脱線した」というものです。

「なぜスピードを出しすぎていたのか?」という点については、当該運転士が死亡したために、明らかにすることができませんでした。

脱線現場のカーブですが、このくらいの曲がり具合のカーブでは、制限速度は60~70km/hほどです。
(曲がり具合が同じでも、諸条件の違いにより、制限速度が異なることがあります)

そして事故後の調査では、列車は110km/h以上で現場を走行していたことが明らかになっています。

明らかに無茶な速度


私の会社の路線にも、事故現場と同じ曲がり具合のカーブは存在します。
私も運転士としてこのカーブの運転経験はありますが、

「このカーブを110km/hで運転したら、どう考えても絶対脱線する」

というのが経験者としての感覚です。

車に例えれば、70~80km/hで交差点を曲がるようなものでしょうか。
そんな速度では、曲がり切れずに事故になるのは明白です。

刑事裁判では何が罪に問われたのか?


さて、この事故は刑事裁判の対象(業務上過失致死傷罪)になりました。
JR西日本の歴代社長3名が起訴されましたね。

ただ、「どういう行為が罪に問われたのか?」について、実はよくわからないという方が案外多いようです。
ごく簡単に書いておくと、 

1.事故の原因は「速度超過」である
2.諸々の事情から、事故現場で速度超過が発生することを予見できたのではないか?
3.それなのに事故現場に「速度超過を防ぐ装置」の設置を怠った
4.そのせいで事故が発生し人を死傷させたのだから、その点について刑事責任を問う

というものです。

この「速度超過を防ぐ装置」として大変有効なものが「ATS-P」と呼ばれる装置です。
もしATS-Pが設置されていれば、確かにこの事故は発生しなかったでしょう。
しかし、当時の福知山線には、このATS-Pが設置されていませんでした。
(ATS-Pについては、そのうち書こうと思います)

日勤教育


この事故の後、事故原因の背景がいろいろと推測されましたが、その一つに「日勤教育」というものがあったことを覚えているでしょうか?

簡単にいえば、運転士には「日勤教育」のプレッシャーがかかっていた。
そのプレッシャーが原因で、焦って制限速度をオーバーしたのではないか? というものです。

次回は、この日勤教育について書こうと思います。
これから鉄道会社へ就職を目指す人にも、参考になると思います。