現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

鉄道会社への就職 グループディスカッションと協調性

こんにちは、現役鉄道マンのKYSです。

最近の採用試験では、グループディスカッションが避けられないものになりつつあります。
私が入社した時代は、そんな洒落たものなかったんですがね。

まあ、口下手・コミュ下手の私にとっては、グループディスカッションなんて行われていたら死は確実だったので助かりました。
生まれた時代がよかった(笑)

 

テーマの予想は難しい


鉄道会社のグループディスカッションでは、どういうテーマが取り上げられるのでしょうか?

知りません(笑)

私は採用担当でもなんでもないので、そんなこと知りっこありません(笑)

という冗談は置いといて、実際のところ、ディスカッションのテーマなんていくらでも考えつくので、予想するのは難しいですよね。

  • 沿線を発展させ、乗客を増やすために、地域とどのような連携や協力が必要か?
  • わが社の鉄道を実際に使ってみて、不足していると思われるサービスは何か?
  • 車両基地でイベントを開催すると仮定して、お客様に喜んでもらえるような内容を提案せよ。
  • 〇〇駅前を再開発すると仮定して、「魅力的な街づくり」のためのアイデアを提案せよ。
  • AIの進歩によって、鉄道はどう変わっていくことが予想されるか?


まあ、キリがないですね。
これに加えて、鉄道に関係ない一般的な時事ネタが出題されることもあるでしょうから、予想なんてできっこありません。

ある程度は時代の流れに従う


といっても、やはりある程度は「時代の流れ的」なテーマがあるでしょう。


たとえば、最近流行りの「インバウンド」
インバウンドはどこの鉄道会社でも、社内の業務研究テーマになっていますから、グループディスカッションのお題としても適切だと思います。

「外国人のお客様に快適に利用していただくため、必要と思われる提案をせよ」みたいなテーマ、いかにも出そうじゃないですか?

また、「少子高齢化」「鉄道の安全」といったテーマも押さえた方がよいと思います。
これらに関しては、私が以前書いた記事を参照してもらえれば、それなりに討論できると思います。

 

「協調性」という言葉の意味


グループディスカッションでは、「協調性」が大事だとよく言われます。
おそらく、採用担当者が一番見ているのもそこでしょう。

しかし、この協調性という言葉の意味を勘違いしてほしくないと思います。

協調性とは、周りの意見に合わせること……ではありません。

もし、周りの意見に合わせることを協調性とするなら、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」も、協調性があってOK……というトンデモない話になってしまいます。
それではダメなのです。

明らかにヘンな意見が出たならば、つまり自分以外の全員が赤信号を渡ろうとしていたら、「それは違うよ」と周りを引き止める。
そして、グループを適切だと思われる方向へ進められるよう努力する。
それが本当の「協調性」ではないでしょうか。

もっとも、グループディスカッションで「明らかに間違った意見」が出ることはそうないでしょうから、あまり神経質になる必要はないのですが。

間違った意見でも同調圧力で通ってしまう


私がわざわざこんなことを言うのは、「同調圧力」によって間違った意見が通ってしまうことが往々にしてあるからです。

たとえば、1991(平成3)年に起きた「信楽高原鉄道の衝突事故」
ちょうど昨日で事故から28年が経ちました。

直接の事故原因は「閉そくの取扱い違反」。
ようするに、マニュアル・規定に違反した取扱いをしたことが事故原因です。

一人でやったことならいざ知らず、関係者は何人もいたわけですから、マニュアル・規定違反に気付いていた係員も当然いたはずです。
にも関わらず、「それは違うよ」と誰も声を上げることができず、結果としてマニュアル・規定違反が通ってしまった。

トラブルによる焦りに加えて、「周りに合わせなければ」という同調圧力が働いて、間違った意見が通ってしまったのでしょう。

「その場の大勢」に抗うのは勇気がいるが……


実は私にも、それに似た経験があります。

ウチの会社で列車トラブルが起きたとき、「これこれの取扱いをしろ!」と上司が指示を出しました。
周りの同僚も、その指示に従って動き始めました。

しかし、実は上司のちょっとした勘違いがあり、その取扱いは正当なものではありませんでした。

私は「んっ? なんかおかしくね?」と思ったのですが、上司を含め、周りのみんなはすでに動き始めています。

もしみなさんだったら、この状況で「ちょっと待ってください!」の一言が出るでしょうか?

このときは、疑問に思った私が急いでマニュアルをめくって該当部分を確認し、それを示すことで、上司を含めた周囲が「あ、間違ってた」と気付いて方向修正ができました。

文章にするとそれだけですが、このときはなかなか勇気がいりましたね。

大切なのは根拠に基づいた行動・発言をすること


鉄道会社に限らず、社会で働いていれば、間違った意見が通りそうになることはよくあるでしょう。
(私も人のことは言えません。間違ったことをサラッと口走ってしまうことはいくらでもあります)

しかし、そこでキチンと根拠を示して、自分なりに反論ができるか?

もちろん、根拠もなしにむやみやたらに反論や否定をするのはダメでしょう。
しかし、周りの意見に合わせることだけを第一に考えていては、それは単なる「意見がない人」です。

たとえ「空気の読めない奴」と言われようが、おかしいと思ったことはおかしいと言える。
そういう気概を持って就活戦線、ひいては社会へ飛び出してほしいと思います。

特に鉄道の現場では、一つ一つの取扱いが安全に直結するわけですからね。
おかしいことはおかしいと言える勇気が必要です。