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レール温度上昇 将来は「真夏のローカル線は運休だらけ」になる!?

あちぃー、今日も朝からマジであぢぃ~。

この暑さで鉄道も参っています。「レール温度上昇により運転見合わせ」が、今年もすでに発生しました。2022(令和4)年6月29日、JR北陸線が一時運転を見合わせました。

今回の記事では、夏の暑さが鉄道にどのような影響を与えるのかについて説明しましょう。

地方ローカル線は線路規格が低いので暑さに弱い

気温が上昇すると、金属である鉄のレールは伸びてしまいレールが歪む。そのため、運転見合わせになる

これは一般的にもよく知られた話でしょう。確かにその通り。鉄でできたレールは、気温によって伸び縮みします。保線担当の同僚いわく、「レールのつなぎ目の隙間、夏と冬では明らかに間隔が違う」そうです。

では、レール温度が何℃くらいになると、運転見合わせになるのでしょうか?

これは「線路規格」によって数値が異なります。たとえば、線路規格の低い地方ローカル線。こういう路線は、レール温度が50℃後半あたりの数値に到達すれば、運転見合わせになるようです。

対して、線路規格の良い幹線。この場合は、60℃前後で徐行、62~63℃あたりで運転見合わせになるのが一般的な数値ではないでしょうか。

このように、線路規格の低い地方ローカル線は、真夏の暑さに弱いのです。

JR西日本のローカル線・津山線

昔に比べると、日本の夏って明らかに暑くなった気がします。いや、データ的には本当にそうなのか知らんけど。仮に今後も暑さが増していくと、将来、地方のローカル線は真夏の日中に運転見合わせが多発、なんて事態になるかもしれません。

都会の路線や幹線は運転見合わせの心配は少ない

実際のところ、真夏の昼間には、レール温度はどれくらいまで上昇しているのでしょうか?

私が今まで見てきた中では、猛暑日の昼間ならば、レール温度55℃くらいまでは上昇します。運転見合わせまであと数℃しかない……のですが、55℃前後で頭打ちになることが多く、私自身も運転見合わせに巻き込まれた経験はないですね。

たとえ猛暑日の真昼といえども、60℃の壁はなかなか突破しません。ですから、線路規格の良い幹線については、運転見合わせの心配はあまりしなくてよいと思います。

と言いつつ、今回はJR北陸線が運休になりましたが……。

夏の工事は少ない 工事後は線路が「落ち着かない」状態になる

最後に、鉄道会社が夏に気を付けていることを一つ紹介します。「大規模な線路工事はなるべく避ける」です。

なぜ、夏に線路工事を避けるのか?

大規模な線路工事を終えた直後は、通常よりも線路の強度が弱い状態になっているからです。

例え話としてはちょっと適切ではないかもしれませんが……たとえば、パンやうどんの生地って、練り上げた直後は「生地が落ち着かない」みたいな表現をしますよね。それと同じで、線路も工事を終えた直後は落ち着かない状態なのです。

ようするに、工事直後は線路がデリケートな状態になっています。そのため、運転見合わせの発動基準値を低めに設定する必要があります。通常ならば60℃でアウトのところ、工事施工後の区間は57℃でアウト、という具合です。

そういう理由で、夏の暑い時期には、大規模な線路工事はあまり行いません。工事施工後の区間が増えてしまうと、運転見合わせのリスクが高まるので。

ただし、「あまり工事しない」というだけで、まったくないわけではないです。「可能ならば、なるべく夏の工事は避けてね」みたいな感じで、禁止はされていませんし、必要ならばキチンと施工します。

お客様からすれば、線路工事などは見えにくい部分ですが、裏ではそういう苦労があると知ってもらえれば幸いです。

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