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ダイヤ改正の雑学 改正後しばらくは夜間工事を控える

2021年3月のダイヤ改正、目玉は「終電繰り上げ」でしょう。
昨年から、一般ニュースでも大きく取り上げられてきました。

終電繰り上げの理由、コロナ禍で深夜帯の利用客が激減したのがまず一つ。
それから、終電~始発までに行う夜間工事の時間を増やすというのがもう一つの狙いです。

 

夜間工事で「新旧ダイヤの勘違い」を起こすと事故になる


終電が繰り上がり、さっそく今夜から工事をバリバリ行うんだろうなあ……と思うかもしれませんが、ちょっと待った。
実は、ダイヤ改正後の1週間くらいは、夜間工事をなるべく控える傾向があります。
(これは鉄道会社によるので、そうした措置をとっていない会社も、もちろんあります)

なぜ、ダイヤ改正直後は夜間工事を控えるのか?
一言でいえば、「ダイヤの勘違いによる事故を防止する」のが目的です。

専門用語になりますが、夜間工事は「間合い」というものを定めて行います。
簡単に言えば、「どこどこの工事は、終電A列車が通過した0:30から、始発B列車が来る4:30までの間に行う」というように、工事の開始・終了列車を指定するのですね。

ダイヤ改正すると、このA・B列車がCやDに変わったり、0:30が0:40に繰り下がったりします。
そのため、打ち合わせや現場での施工時に、新旧ダイヤの勘違いによって、本来まだ工事を始めてはいけないのに「開始OK~!」とやってしまうミスが起きるかもしれません。
(やっぱり改正直後って、以前の感覚やクセが残ってたりするんですよ)

そうしたミスを防ぐため、ダイヤ改正後しばらくして“新しい水”に慣れてから夜間工事を行うようにするわけです。

他の鉄道会社が工事を控えたスキに業者を確保する例も


ただし、この慣習を「逆用」するケースもあるようです。

夜間工事は、鉄道会社の社員だけで施工するのではなく、関連・下請け会社の協力で行われるのが一般的。
そして、関連・下請け会社は一つの鉄道会社専属というわけではなく、複数の鉄道会社で工事を掛け持ちしています。
JR東日本の工事もやれば、東急の工事も請け負う、みたいなイメージ。
ですので、鉄道会社からすれば、「他の鉄道会社に工事業者を取られてスケジュール調整がつかない」ケースもありえます。

そのため、ダイヤ改正後に○○鉄道が夜間工事を行わないときに、△△鉄道はチャンスとばかりに関連・下請け会社を駆り出して(捕まえて?)逆に工事を詰め込む場合もあるようです。


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