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三島駅の駅弁「香まだい寿司」 ワサビを自分で擦りおろすのが特徴

もう2023年か……。

新型コロナでの行動制限が緩和された(諦めた?)こともあり、年末年始は新幹線に乗って旅行や帰省する人も多いでしょう。

そんな旅のお供といえば駅弁。本記事では、静岡県の新幹線駅の一つ・三島駅で販売されている「香まだい寿司」(読み方:かおりまだいずし)を紹介します。

「香まだい寿司」基本情報

香まだい寿司を生産する『桃中軒』は、静岡県東部の三島 & 沼津を拠点とする業者(→公式ホームページ)。創業は1891(明治24)年です。当時産まれた人は誰も生き残っていませんが、こうして会社は残っている。会社という仕組みの偉大さを思い知らされるぜ……。

話が逸れました。香まだい寿司の紹介でしたね。まずは外装から。

つやっつやのパッケージ

私の勘が告げている。この外装の雰囲気は、アタリの駅弁であると。それではオープン、パカッ!

パッと見、握り寿司がたくさん並んでいるようですが、さにあらず。敷き詰められたご飯の上に、真鯛の切り身が載っています。昆布〆と炙りの二種類です。

そして、この駅弁の最大の特徴は、伊豆・天城産の生ワサビが根茎の状態で入っていること。おろし器が付属しており、自分でおろして食します。

意外にもまろやかな味のワサビ 弁当全体のバランスも良い

いざ実食。まずは、ワサビの根茎を擦りおろしましょう。

 ゴリゴリゴリ

けっこう音がします。シーンとした車内だと騒音になってしまうかも(^^;)

さあ、ワサビを擦り終えました。おろしたてのワサビを真鯛の切り身にのせていただきm──

 ちょっと待った!

ワサビというものは、擦りおろしてから3分ほど待つと香りが立ってくるので、待ちましょう。駅弁を開いた状態で3分も待つのは苦しいですが、我慢我慢。

ワサビ田は山中にあるため、作業時の足場が悪く、農耕器具を運ぶのも大変だと読んだことがあります。そんな苦労によって生み出されたワサビ。美味しい状態で食すのが、食材と生産者への敬意であろう。
(生産者の苦労うんぬんは、ワサビに限らず何の食材でも同じですが)

ようやく3分経過。いただきます。

 おお、何だコレ!

やはり特筆すべきはワサビ。市販のチューブワサビとは全然違う。直線的なピリピリとした辛さ、鼻にツーンときて涙が出る感じ──ではなく、まろやかさが漂うワサビです。ワサビがまろやか? 意味不明~と思うかもしれませんが、実際まろやかなので、そうとしか書きようがない。

そういうワサビなので、多めに真鯛にのせても大丈夫。清涼感を引き立ててくれてGoodです。

真鯛のお味は、まあ普通に真鯛だねーという感じ。あ、もちろん美味しいですよ。ただ、真鯛の味で差別化するのは難しいので、なかなかコメントに困るところではあります(^^;) 昆布〆と炙りの二種類ですが、個人的には昆布〆の方が好みでした。

そして陰でいい仕事をしているのが、酢飯に混ぜ込まれたワサビの茎。真鯛も酢飯も柔らかなので、ワサビの茎が食感のいいアクセントになっています。

これらの各要素がマッチして、全体のバランスが非常に良い駅弁になっています。「真鯛を使った寿司」という発想自体は珍しくないですが、ちょっと他では見られない一品だと思います。

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