松阪・神戸・近江
これだけで「あーハイハイ」と理解できる人は、けっこう多いはず。和牛三大ブランドですね。
私、いずれの地方も訪れたことがありますが、「○○牛を食わせるお店」はたくさんあります。ただ、値段が値段だけに、やはり気軽には入店できないというのが現実。
しかし、駅弁なら比較的リーズナブルな値段で○○牛を食すことができます。私が食した「お手軽近江牛すき焼き弁当」も、その手の駅弁です。
「お手軽近江牛すき焼き弁当」基本情報
製造は滋賀県草津市の仕出し・弁当業者『南洋軒』。ひゃ、130年以上の歴史を持つ業者です。日清戦争の頃に誕生したのかぁ(→公式ホームページ )。
お手軽近江牛すき焼き弁当、私は草津駅の売店で購入しました。理由は不明ですが、南洋軒のホームページには載っていない商品です。お値段は650円也。
ディスプレイには数種類の駅弁が並んでいましたが、多くの弁当に「要予約」の札が……。廃棄を減らすための工夫ですが、こういう仕組みはあまり好きではないです。「選ぶのに迷っちゃうけど、それがまた楽しい」が失われるので……。
予約なしで買えるのは、近江牛系統の弁当と助六くらい。お手軽近江牛すき焼き弁当も、その一つでした。
肉は少ないけど柔らかくて美味しい
では、フタを開けてみませう。
錦糸玉子の黄色とネギの緑色が、いい彩りになって弁当を美味そうに見せていますね。いざ実食。いただきま~す。
おお、すき焼き美味い
駅弁はその特性上、温かい状態で食せることは稀。ですから、冷めた状態でも美味しいことが求められますが、それは豚肉・牛肉系の弁当だとなかなか大変。というのも、植物系油脂(サラダ油とか)は冷めても固まりませんが、動物系油脂は冷えるとロウのような食感になって、食えたものではなくなるからです。
自作弁当に入っている肉に、冷えて白くなった脂がまとわりついていた経験は私もあります。
それが心配でしたが、お手軽近江牛すき焼き弁当は、肉がそういう状態に陥ることもなく、冷めても柔らかく美味しい状態でした。すき焼きの味付けも、私好み。
ただし、650円という値段なので近江牛が少ないのは仕方ない。指2本でつまんだ量くらい? 商品名通り「すき焼き弁当」であって、「牛肉弁当」ではないことは承知のうえで買うべきでしょう。
すき焼きの下に敷かれているご飯は、白飯ではなく茶色ご飯。また、すき焼きのネギが好きな私としては、青ネギが入っているのが嬉しい。味は満足の駅弁でした。
少量なので「一回の食事」ではなく「小腹を満たす」目的で
ただ、この駅弁、サイズが小さいという特徴があります。
写真だとよくわからないでしょうが、大人の男性が両手の中指をくっつけてマルを作ったくらいの大きさしかありません。「一回の食事」としては量が少なく、男性にはとても物足りない。難しい表現をすれば、食事満足度は低いです。
かといって、もう一コ他の弁当を買い足すと、今度は食べ過ぎになる。バランスが難しいです。
逆に言うと、「小腹を満たす」という目的にはピッタリでしょう。昼食を摂り損ねて14時くらいになってしまった、今からガッツリ食べると夕食に差し支える、でも何か腹に入れたい……みたいなシチュエーションとか。
鉄道旅をしていると、昼を食べ損ねることがままあるので、このサイズでピッタリという人が一定数いるかもしれません。
また、邪道かもしれませんが、お酒の〆として食べるのには味・量ともにちょうど良いと思います。