みんな大好きYoutube。甥っ子も姪っ子もウチの娘も、よく見ています。
私はインターネットが徐々に発展していくのを見ながら歳を重ねてきたので、Youtubeやニコニコ動画の黎明期も知っているのですが、最近の動画はクオリティが昔より格段に上がっていますね。テレビのくだらない番組なんかより、よっぽどおもしろいし、勉強にもなります。
前面展望動画は運転士が情報を覚えるときに便利
Youtubeには鉄道関連の動画もたくさん存在します。その中に「前面展望動画」というものがあるのですが……わかります? 走行中、運転室の後ろでカメラを構え、前方の風景を撮る。早い話、『電車でGO!!』のような映像というわけ。
実はこの前面展望動画、現役運転士で活用している人がいるんですよ。
運転士は、列車を運転するにあたって、自分の担当する線区の知識・情報を覚える必要があります。たとえば、
- 次駅に定刻通り到着するための適正な速度
- カーブや勾配の場所、その制限速度
- 信号機の位置と名称
- ブレーキ開始の目安地点
- ホームでの停止位置
新しく運転士になる人や、異動で今までとは別の線区を運転することになった人は、これらを覚えるのが最初の仕事と言えます。しかし、わざわざ現場に足を運ばなくても、この前面展望動画を見れば、必要な知識・情報を得られます。
2023年現在、JR・私鉄問わず、ほとんどの路線で前面展望動画が存在すると言ってよいでしょう。勉強したい運転士にとっては、便利な時代になりました。
もちろん、会社側から公式に「Youtubeでも見とけ」と指示されるわけじゃないですよ。あくまでも個人の時間を使って、です。
通勤中や細切れ時間にも勉強でき、必要なところだけを「つまみ食い」で見たり、曖昧な部分を繰り返し見られたりするのが、動画学習の良いところですね。
運転士養成の学科講習でもYoutubeを使う人はいる
私が運転士をやっていた昔は、こんな便利なものはありませんでした。というか、そもそも「勉強に動画を使おう」との発想が時代的になかったと思います。
私なんか見習運転士の初期の頃は、休日を潰して列車に乗り、運転室の後ろで眺めて知識・情報を頭に叩き込んでましたし(^^;)
見習運転士といえば、電車運転士になるための学科講習でも、Youtubeは活用されています。
学科講習の科目の一つに「電気」があります。オームの法則とかモーターの仕組みとか半導体とか、そういうのを勉強するのですが、Youtubeには解説動画がたくさんあります。理科系科目は、テキストだけで学ぶより、動画も使った方が勉強しやすいですよね。
もちろん、会社の研修教材として正式に採用はできませんが、個人学習でYoutubeを使っている人はたくさんいると後輩が言っていました。
「Youtubeを使うとはけしからん!」と思う人もいるでしょうが、私個人としては「活用できるものはドンドン取り入れればいい」と思っています。結果的に必要な知識・情報が身に付くのなら、合法である限り手段は問わない。それでいいんじゃないでしょうか。
このように、実は鉄道マンもYoutubeを業務に活用しています。まあ、そもそも鉄道会社だって公式動画をYoutubeに流していたりする時代ですからね。
【余談】私の好きな動画は……
あとは余談。私が好きな動画を一つ紹介しましょう。ずいぶん昔のものですが……
近年のYoutubeは広告やカネが絡んで、すっかりビジネス的になりました。が、そういうのがなかった古き時代には、損得抜きで真面目にバカバカしさを追求し、笑える動画を作っていたツワモノが存在したものです。
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