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【鉄道会社の労働条件】運転士って年収どのくらい?

「働き方改革」という言葉がすっかり定着しましたが、「ぶっちゃけ、鉄道会社の労働条件ってどうなの?」と気になる人も多いでしょう。

『鉄道会社の労働条件を説明するシリーズ』の第4弾は、給料についての解説です。

駅員・車掌・運転士とすべて見ていくのは大変なので、今回の給料(賃金)の話は、運転士だけに絞ります。なお、ここでいう運転士とは、いわゆる在来線の運転士で、新幹線の方は含みませんので了承ください。

給与額は会社間格差が大きくて中央値が出しにくい

ぶっちゃけ、運転士の仕事は、年収(手取りではなくいわゆる額面)いくらぐらいなのか?

会社間の格差が大きいので、一概には言えない

申し訳ない。こうとしか言いようがありません(笑) もちろん統計数字としての平均値は存在しますが、会社ごとの差が大きいので、平均値を知ったところで仕方がないのですね。

財務状況が苦しい地方の鉄道会社だと、年収300万円に届かないこともあるでしょう。一方、大手の中でも裕福な会社だと、20代でも年収600万円超なんてこともあります。しかしこれを、「A社は300万、B社は600万。よって平均450万円」などと計算しても無意味ですよね。

【外部リンク】電車運転士のお給料事情は? 中部地方の私鉄の場合「多い泊まり勤務」「ボーナス減も、今は贅沢いえない」

↑のインタビュー記事では、20代・キャリア5年目の運転士が登場していますが、年収は350万円ほどだそうです。これはあくまで「この会社の数字」であって、「業界の相場」ではないことに注意です。

また、「年間のボーナス支給額は何ヶ月分か」も会社によって差が大きく、1~2ヶ月分しかない会社もあれば、6ヶ月分(!)も貰える会社まであります。

まあ、同じような仕事をしていても会社によって格差があるのは、運転士に限った話ではないですよね。

「国家資格持ち」でも給与面の優遇はない

運転士は「国家資格」によって行われる仕事ですが、国家資格だからといって、法令で最低額保証が定められているわけではありません。運転士にいくら給料を払うかは、あくまで会社次第です。
(もちろん、最低賃金法に違反してはいけませんが)

ただし、国家資格によって仕事をすることを考慮し、社内規定による資格手当が支給されることはあります。「乗務手当」や「運転士手当」などと呼ばれます。いくら貰えるかは、やはり会社次第ですね。

泊まり勤務での深夜割増賃金は日常的に発生する

運転士はシフト制勤務なので、基本的に残業がありません。ですので、残業でガッポリ稼げることはあまりないでしょう。

ただ、泊まり勤務がメインとなる都合上、深夜割増賃金は日常的に発生します。

タクシーに深夜割増があるように、労働者を働かせる場合にも深夜割増が必要です。労働基準法では、22時~5時の間を深夜時間帯と定めており、この時間帯は25%増の賃金を支払わなければなりません。

もちろん、22時~5時がまるまる仮眠時間であれば、深夜割増は発生しません。しかし、深夜時間帯に1分も働かない泊まり勤務は、ほとんどないはずです。

22時より前に早寝したのであれば、翌朝は早起きしての仕事になるでしょう。朝の起床時刻が5時より遅いのであれば、前日は終電近くまで働くことになるでしょう。

給与が低すぎる場合は辞めてしまうことも珍しくない

給料が最低レベルの会社の運転士だと、「これではやっていけない」と転職してしまうことが珍しくないようです。

「なんとか鉄道業界に入りたい」
「どこの鉄道会社でもいいから、運転士の仕事がしたい」

このような憧れで入社した人も、いざ運転士になってみると、給料という“現実の壁”に押し潰されて辞めてしまうのですね。

運転士の仕事はシフト制であり、一日に必要な人数が決まっていますから、人材が流出してしまえば、残った人になんとかして仕事を割り振る必要があります。「運転士が退職したので、列車本数を削減します」という“規模縮小”が許されません。

人が減れば、シフトの穴埋めのために休日労働が増えます。それに伴って多少は給料も増えるでしょうが、元々が低いわけですから、そこまで改善されるわけでもない。休日の少ない過酷勤務が続き、それに嫌気が差した運転士がまた辞める。

こうして、どんどん負のループに突入し、人材の質も下がっていく……。

鉄道だけでなく、他の業界でも同じだと思います。

こちらの記事で、「カネの切れ目が安全の切れ目」と書きましたが、運転士の質を保つためにも、それなりのカネ(給料)が必要です。カネがないことが安全にとっていかに「悪」か、こういう話からも理解してもらえると思います。

「転職して給料アップ」も難しい

給料の額はOB・OG訪問で尋ねればリアルな額がわかりますから、給料の安い鉄道会社に入る方は、以上の話を心に留めておいてください。

給料が安いのがダメとは言いません。憧れの運転士になれるならば、どの会社でもいい、給料が安くてもいい。こういう考え方もあるでしょう。ただ、現実問題として、給料の低さに耐えられずに辞める人もいるわけです。

いずれまた触れますが、「同業他社に転職して給料を上げる」というのも難しいです。

運転士に関していえば、「大手→中小」「中小→中小」という転職の流れはあっても、「中小→大手」という転職はまずありえません。

ですので、中小に入った後に「ウチは給料が安すぎる」と思っても、給料の高い同業大手に移るのは実質的に不可能と思った方がよいでしょう。それならばいっそ、他業種から「社会人の中途採用」で大手鉄道会社への入社を目指す方が、可能性はあります。

会社選びの基準で給料を重視する人は、大手以外の鉄道会社は避けた方が無難です。

鉄道会社の労働条件シリーズ 記事一覧

年間休日数は多いの?


年次有給休暇は取りやすい?


駅員・車掌・運転士って残業あるの?


労働時間ってどれくらいの長さ?


運転士になるまでの過程を徹底解説! 『運転士になるまでシリーズ』はこちら


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