現役鉄道マンのブログ 鉄道雑学や就職情報

趣味で鉄道好きな人はもちろん、就職・転職等で鉄道業界に興味がある人もどうぞ! 現役鉄道マンが、鉄道の雑学や裏話を語ります。

鉄道会社の労働条件 運転士って年収どのくらい?

こんにちは、現役鉄道マンのKYSです。

さて、鉄道会社の労働条件を見ていくシリーズ、今回はズバリ「給料」です。

駅員・車掌・運転士とすべて見ていくのは大変なので、今回の給料(賃金)の話は、運転士だけに絞ることにしますね。
なお、ここでいう運転士とは、いわゆる在来線の運転士で、新幹線の方は含みませんのでご承知おきください。

 

会社間格差が大きい


ぶっちゃけ、運転士の仕事は、年収(手取りではなくいわゆる額面)いくらぐらいなのでしょうか?

会社間の格差が大きいので、会社によりけり

申し訳ない、こうとしか言いようがありません(笑)
本当に差が大きいので、「だいたい」とか「平均」とか言っても仕方ないんですね。

たとえば、財務状況が苦しい地方の鉄道会社だと、年収300万円に届かないこともあるでしょう。
一方、大手の中でも裕福な会社だと、若くても(20代でも)年収600万円超なんてこともあります。
大手でも、そこまで貰える会社は少数派ですが。

「年間のボーナス支給額は月給の何ヶ月分か」も会社によって差が大きく、1~2ヶ月分しかない会社もあれば、6ヶ月分! も貰える会社まであります。

まあ、同じような仕事をしていても、会社によって大きな格差があるのは、運転士に限った話ではないですよね……。

「国家資格持ち」でも特に優遇はない


運転士は「国家資格」によって行われる仕事ですが、国家資格だからといって、法令で“最低額保証”みたいなのが定められているわけではありません。
運転士にいくら給料を払うかは、あくまで会社次第です。
(もちろん、最低賃金法に違反してはいけませんが)

ただし、国家資格によって仕事をすることを考慮し、社内規定による「資格手当」が支給されることはあります。
「乗務手当」とか「運転士手当」などと呼ばれます。

いくら貰えるかは、やはり会社次第。
ちなみに、ウチの会社だと毎月数千円が支給されています。

深夜割増は日常的


以前の記事で触れましたが、運転士には「日常的な残業」はありません。
ですので、残業でガッポリ稼げることはあまりないでしょう。

ただ、泊まり勤務がメインとなる都合上、「深夜割増賃金」は日常的に発生します。

タクシーに深夜割増ががあるように、労働者を働かせる場合にも、深夜割増が必要です。
労働基準法では、22時~5時の間を深夜時間帯と定めており、この時間帯は25%増の賃金を支払わなければなりません。

もちろん、22時~5時の間がまるまる仮眠時間であれば、深夜割増は発生しません。
しかし、深夜時間帯に1分も働かない泊まり勤務は、通常ほとんどないはずです。

22時より前に早寝したのであれば、翌朝は早起きしての仕事になるでしょう。
朝の起床時刻が5時より遅いのであれば、前日は終電近くまで働くことになるでしょう。

低賃金が「負のループ」を招く


給料が最低レベルの会社の運転士だと、「これではやっていけない」と転職してしまうことが珍しくないようです。

「なんとか鉄道業界に入りたい」
「どこの鉄道会社でもいいから、運転士の仕事がしたい」

このような憧れで入社した人も、いざ運転士になってみると、給料という“現実の壁”に押し潰されて辞めてしまうのですね。

以前の記事でも触れましたが、運転士は「一日に必要な人数」が決まっていますから、人材が流出してしまえば、残った人になんとかして仕事を割り振る必要があります。
「運転士が退職したので、列車本数を削減します」という“規模縮小”が許されません。

人が減れば、それだけ休日労働も増えます。
それに伴って多少は給料も増えるでしょうが、元々が低いわけですから、そこまで改善されるわけでもない。
休日の少ない過酷勤務が続き、それに嫌気が差した運転士がまた辞める。

こうして、どんどん負のループに突入し、人材の質も下がっていく……。

鉄道だけでなく、他の業界でも同じだと思います。

以前の記事で、「カネの切れ目が安全の切れ目」と書きましたが、運転士の質を保つためにも、それなりのカネ(給料)が必要です。
カネがないことが安全にとっていかに「悪」か、こういう話からも理解してもらえると思います。

「転職して給料アップ」も難しい


給料の額は、OB・OG訪問で尋ねればリアルな額がわかりますから、給料の安い鉄道会社に入る方は、以上の話を心に留めておいてください。

給料が安いのがダメとは言いません。
憧れの運転士になれるのであれば、どの会社でもいい、給料が安くてもいい。
こういう考え方もあるでしょう。

ただ、現実問題として、給料の低さに耐えられずに辞める人もいるわけです。

いずれまた触れますが、「同業他社に転職して給料を上げる」というのも難しいです。

運転士に関していえば、「大手→中小」「中小→中小」という転職の流れはあっても、「中小→大手」という転職はまずありえません。

ですので、中小に入った後に「ウチは給料が安すぎる」と思っても、給料の高い同業大手に移るのは実質的に不可能と思った方がよいでしょう。
それならばいっそ、他業種から「社会人の中途採用」で大手鉄道会社への入社を目指す方が、可能性はあります。

会社選びの基準で給料を重視する人は、大手以外の鉄道会社は避けた方が無難でしょうね。