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東武鉄道 ポイント故障で列車が立ち往生し乗客を駅まで誘導

2020(令和2)年10月13日、東武鉄道の池袋駅でポイント故障が発生。
駅手前で列車1本が立ち往生した。
立ち往生から1時間後、乗客を線路に降ろして駅まで誘導した。


まず、同業者としての正直な感想を書かせてください。


えぇー、ポイント故障でこれはちょっと……
(^ω^;)



いや、たとえば↓のような状況なら話はわかります。

・車両故障
・レールの破損
・架線の切断
・長時間の停電
・大地震

こういう状況なら列車を動かせないので、確かにお客様を線路に降ろして駅まで誘導する、が正解です。
しかし、こういう言い方はアレですが、たかがポイント故障ごときで1時間もお客様を車内に缶詰めにし、最後は駅まで歩かせるとか、それはちょっと……。

 

お客様に線路を歩かせるのは最終手段にするべき


列車に乗っているのは、足腰の丈夫なお客様ばかりではありません。
車椅子利用の方、介護が必要な方、歳をとって足腰が弱ってきている方、はたまた体調の優れない方や妊婦……。

そういうことを考えると、お客様を線路に降ろして駅まで歩かせる手段は、安易に取るべきではないと思うのです。
また、今回は「季節は秋・天気は晴れ」という好条件だったようですが、真夏の猛暑日とか大雨とか、そういう悪条件の場合だってありえます。

今回のトラブル、お客様を救済する他の手段はなかったのでしょうか?

後方の駅までバックする「退行運転」は難しかった?


まず考えられる手が「退行運転」です。

鉄道には、運転してきた線路を引き返す(バックする)退行運転という手法があります。
この退行運転で、立ち往生した列車を一つ手前の北池袋駅までバックさせ、そこでお客様を降ろす。

ただ、今回の状況では、退行運転は難しかったと推測されます。

ポイント故障という事象が発生したとき、最初の数分間で、現場は状況確認に追われたはずです。
その数分の間に、後続列車がどんどん押し寄せ、後方の駅に詰まっていく。
つまり、立ち往生した列車がバックするスペースがなくなった。

スペースを作ろうと思ったら、後方で止まっている列車数本もバックさせなければいけません。
それは大変です。
ですので、退行運転はできなかったのでしょう。

ポイントを手動で切り替えて入駅進路を確保する方法


後方の退路が断たれたなら、もはや前に進むしかありません。
残された手段は、「ポイントの手動切り替え」です。

ポイント(転てつ器)は、モーターを使って転換させています。
モーターということは、つまり動力は電気なのですね。
今回のトラブル原因は回路の断線だそうですが、モーターを動かす電源の線が切れたのか、それとも機器類に命令を伝えるための線が切れたのか。
そこはわかりません。

ただ、いずれの断線だとしても、手動でのポイント切り替えは可能です。
具体的には、駅員が必要な道具を持って現場に出向き、切り替え作業を行います。

そうやって列車の入駅進路を確保してから、「手信号」という手旗信号で運転士にゴーサインを出し、立ち往生した列車を駅に入れる。

池袋駅の配線図を見ると、切り替え作業をすべきポイントは、最大でも4つのようです。
もっと配線が複雑な駅になると、作業対象のポイントが増えるでしょうが、4つくらいならマンパワーでなんとかなりそうなもんですが……。

ちなみに、私もポイント手動切り替えは訓練で何度も経験していますが、作業自体は別に難しくないです。
指示を出す側と現場側との間で、命令系統の維持・意思伝達の難しさという面はありますが。

なぜお客様を線路に降ろす最終手段だった? 理由が気になる


今回、東武鉄道がこうした措置を取らず、お客様を線路に降ろす最終手段を選択した理由はわかりません。
おそらく、何か都合が悪かったのでしょう。
ホームがすべて他の列車で埋まっていたため、そもそも駅に入れるスペースがなかったとか?

仮にそうだとしても、やはりポイント手動切り替えで列車を一本出発させ、スペースを空ければ済むけどなぁ……。

もし理由が、社員への教育・訓練が不足していてポイント手動切り替えができなかったとかであれば、それは問題ですね。

ポイント故障は、日常茶飯事とまではいいませんが、たまにある事象。
そうした事象を想定しての対応策が、準備できていないことになるからです。
有り体に言ってしまえば、現場社員のレベルがどうなん? という話。

今回のトラブルを受けて、東武鉄道がどのような対策をとるか注目です。


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