『列車 vs 動物シリーズ』の第3弾です。
「列車と動物の衝突」というと、シカやイノシシが一般的なイメージですが、今回は、ちょっと珍しい動物と衝突した場合を書きます。
ニホンカモシカの死体を勝手に処理するのはNG
シカやイノシシと衝突した場合は、乗務員が死体を線路脇にどかし、車両点検をして異常がなければ運転を再開します。その後、線路の保線係員がやってきて死体を処理します。つまり、ひとまずは鉄道会社の裁量で処理をしてOKなのですね。
(事後に地元の猟友会や警察に届出をしたり、駆除要請をしたりしているかもしれませんが、私の立場ではちょっとそこまでは知りません)
ところが、鉄道会社による勝手な処理が許されない動物がいます。ニホンカモシカです。
「カモシカ? ああ、ほ乳類だけど卵を産む珍しい動物だよね。嘴とか水かきがあって、水中を泳いだりできるやつ」
そう思った人。それはカモノハシです(笑)
二ホンカモシカはウシ科で、シカとウシとヤギが混ざったような動物です。ジブリ映画『もののけ姫』を見たことがある方は、シシ神様をイメージするのがよいかと。もっとも、シシ神様みたいな大きな角はありませんが。
天然記念物を轢くと警察が介入してきて大変
この二ホンカモシカも、列車と衝突することがあります。が、他の動物と違うのは天然記念物であるということ。したがって、二ホンカモシカとぶつかってケガを負わせたり、轢き殺したりすることは、法律的に言えば「天然記念物の損壊」になります。
というわけで、二ホンカモシカとの獣身事故(?)が起きると、警察が介入してきます。いや、別に罪に問われるとか、そういう話ではありませんが、経験者の運転士いわく「けっこーメンドくさい」とのこと。
これは鉄道の話ですが、自動車でも同じです。みなさんが山道を運転していて、シシ神様っぽい動物を轢いてしまったとき、「動物だからいいや」とそのまま立ち去ると、あとで罰せられるかもしれないので注意しましょう。
列車 vs 動物シリーズ 記事一覧
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本記事の写真提供 Rob-Royさん
本記事内のニホンカモシカの写真は、『数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談』を運営するはてなブロガー・Rob-Royさんにいただきました。ありがとうございました(^^)
『数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談』は、いわゆる闘病記のブログ。入院や手術の知られざる(?)様子が詳しく書かれていて、かなり面白く読めます。なお、ブログ主のRob-Royさんは鉄道好きだそうです。